The Band

  

初めてザ・バンドを聴いたのは、ディランの”偉大なる復活”というコンサートライブ盤でのことだった。2枚組のレコードのうち、ディランの歌が3面、バンドのみの演奏が1面という構成であった。当時中学生で、ビートルズしか知らなかった僕の耳には、リボン・ヘルムのボーカルはあまりにもおっさん臭くて、けったいな印象だった。それが、渋いなあと思い始めたのは”ザ・バンド”という彼らの2枚目のオリジナルアルバムを聴いてから。名盤復活シリーズで1500円で入手したと思う。その後”ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク”、”ステージ・フライト”、”南十字星”と揃えていくにしたがって、僕の中でのバンドの重要性はみるみる上昇して行ったのである。

カナダからの出張組がほとんどで、メンバー中アメリカ人はリボンのみということを知ったときは、うそって言う感じ。それほど彼らの音楽はアメリカ人、アメリカンロックを体言していたと思う。映画”ラスト・ワルツ”で、バンドの草創期の話が出てくるが、他のバンドと同じように彼らもただロックンロールが好きだった兄ちゃん達の集まりだったことが分かる。やはり意図せずしてアメリカを表現する代表バンドとなったのは、彼らが外人であったことが大きいのではないかと考えられる。

そんなことはあとからとって付けたような理論で、こちらとしては渋くてかっこいい音楽をたくさん生み出してくれた”ザ・バンド”というグループに感謝するのみ。心残りはオリジナルメンバーでのステージを見ることが出来なかったこと。ロビー・ロバートソン抜きのステージでも十分彼らのエッセンスを感じることが出来たのであるが、思い入れが強い分、全盛時の音を聴きたかったなあと思ってしまう。

リチャード・マニュエルに続いて、99年の暮れにはソロで来日もしたリック・ダンコが亡くなってしまい、時代の流れ、自分の年齢を感じてしまう。悲しいことである。もうあんな音を出すグループは出てこないだろうし、そんな時代でもない。僕は趣味の音楽でも懐古することしかできないじじいになってしまったのであろうか。

ウッドストックには今誰が住んでいるんだろう。