いまさら・・・フォワードストロークを振り返ると・・・
2001年2月17日
さて、まず問題となるのは、パドルの入れ方、動かし方でしょう。これには最近いろいろあるようで、スプーンパドルなんかは、普通のパドルとは全く違った原理で推力を発生させるのだそうです。でも、基本は、舷側に沿って真っ直ぐに後方へ水を押すこと。できれば出来るだけ舟の中心線に近く平行な方がいいようです。でも、これは以外に難しいこと。パドルのブレードは、体を中心にしてコンパス運動(スイープのような)をするのが自然だからです。昔々、伊勢の吉角氏によれば、練習の一方法として両手を完全に伸ばした状態(ひじを曲げない)でパドルを回す・・・と腰の使い方を覚える、というのがありました。この時のブレードの動きが本来の動きだと思うのです。それを、手首やひじを使うことで、効率的な導線(船中線)に変化させるわけで、この練習方法は、逆説的な示唆でもあるのです。

上図では、ひじの動きがありますが、実際には、これに肩の動きが加わります。その結果、この絵のようなことを気にしなくてもパドルは動きます。一方で、そんな無意識な動きでもカヤックは進むので、知らず知らずのうちにパドリングがおかしくなることもあるんです。(上図のようにコックピットの後方までパドルを動かすのは、水を掴むためではなく、反対側のパドルを前に押し出すためのものです。お間違いなく・・・。)
いずれにしてもまず、ブレードを真っ直ぐに引くこと。特にサーフィンなんかをやっていると、波ばかりに気が行ってこの動作がおかしくなって、舟の方向がクルクルしたり、波を掴みにくくなったり・・・・ってこと時々あります。 昔、水泳をやっていた頃の記憶によれば、クロールの場合の手の平は、正面よりも外側で、水面から手の平を下向きに入れるのではなく、一気に水中に入れ、手の平は後方を向かせて、ヘソ方向へ引き寄せます。ヘソより後ろでは水を押さず、ヘソ部分を過ぎれば手を抜く動作に移ります。手を後方に押し出すことで反対側の手を前に突き出す効果もあるのまでカヤックと似ています。それがカヤックのストロークに当てはめて全て正しいとは言えませんが、私のストロークの基礎になっていることは確かです。

特に、サーフィンの時は、パドルを短くして、舷側近くを短いピッチで漕ぐ・・・ってのが向いているように思います。長いパドルでは、どうしてもダッシュが効かなくなります。・・・・所詮、舟に伝わる力はパドルのブレードの性能以上には大きくならない(ある一定以上の速度で引いても水はつかめません。)ハズなのです。

あと、シーカヤックなんかで気にすることで、足の使い方があります。私の舟はショアラインなので比較的幅が狭いけど、ワイドなカヤックなら結構重要な問題だと思うんです。と言うのは、パドルの動きに合わせて足を踏ん張る時の踏ん張り方が悪いと、舟は思いと違う方向へ序々に曲がっていくような気がするからです。本当なら、右パドルを動かす時は右足、左パドルの時は左足を押し出すのだけど、横からの流れや風があったりするとなかなかそのとおりには行かないものです。風上にカヤックを傾けたり、体を前後に動かして重心位置を変えたり・・・そんなうちに手と足の動きがどこかチグハグになって、さらには、上述のようにパドルでつかんだ水の重みが足先まで伝わらなかったり・・・。 例えば、右真横からの風が強いと、バウが右へ右へと向こうとします。それを防ぐためには、体を後傾させてバウ側に風をたくさん受けさせたり、右側にリーンさせて右側の水線長を伸ばしたり、右側を長めに持ったり・・・、それでもダメなら右スイープを入れて方向を調整するとか・・・するんですが、もう一つ、足の使い方を考えるともっと効率的に、上手くすればスイープを使わないで済むんでは・・・と思うんです。

左右にかかわらずパドルで水をつかんだ時に右足を押し出せば(左足は極力使わない)舟は左へ曲がる性質を強めるはずです。これは、普段のフォワードストロークで気が付いたことの応用なんですが、きっと効果あります。逆にいえば、平水時にこれをやってしまえば、いくらストロークが正しくても舟は曲がってしまうのです(こっちは経験済み)。右ストロークでも、十分に左足を押し出せば舟は左に曲がる力を得るのですから当然なんです。リバーカヤックの本なんかを見ていると”先行動作(進みたい方向へ体を向けること)”というのがありますが、これも足のつっぱりを導くための一動作といえるものかもしれません。右を向くことで左足の効きがよくなり、カヤックの左舷側を押す力が強まり、舟は先行動作と同じ方向の右を向きやすくなるんだと思います。
今回は、ちょっと気が着いたストロークの復習。こんな基本中の基本、いまさら、ゴメンなさい。・・・・フォワードストロークって、ほんと奥が深い!(フェイスが入水してから、抜くまでの間の動きや、どこで力を入れるかは、もっと難しい問題なので、またいつかの機会に考えます。)