加速と体重移動の重要性
2002年新春を迎えて 頭を整理・・・・コタツ虫の復習 2002年1月5日
今までのゴチャゴチャを整理しました。今、重要だと思っていることです。
1.波に乗り遅れるということ 一生懸命漕いでいるのに波に乗れないってこと、ありますよね。少しでも長く波に乗ろうと、少しづつ沖へ出て行って、逆に波のパワーがなくなったっり・・・・。同じようなサイズでも、日によってパワーが違うって経験もあるでしょう。でも、波に乗れないっていうことはすべて、カヤックの初速が足りないから起きることです。以前に書いたとおり、初速さえあれば"それなりに"テイクオフできるハズなのです。ただ、その日のコンディションや使っているカヤック、パドリングパワーの大小など、いろいろな問題があるので、こんがらがってしまうのです。効率のよいパドリングを身に付けましょう。
基本的に海は静水です。川のウエイブとは根本的に違います。動いていない水の上をカヤックが滑り出すまで、どうしても加速しなければいけないのです。そのためには、フェイスの斜度と重力に加え、足りないパワーをパドリングなどで補ってやらなければいけないのです。
2.バウ沈させない方法
バウ沈が起きる瞬間ってのは、ほとんど一瞬のことだし、何がどうなっているのかよくわからないのが本当です。当然、説明も難しいのですが、回避方法は唯一、前方に逃げるしかないと思います。無論、バウが水没する前に・・・です。限界まで立ち上がったカヤックは、あとは突き刺さるだけですから、こうなる前に、残された脱出口=前方へ、波よりも早く前へ進めばよいのです。無論、バウの浮力が大きい(=スターンのボリュームが小さい)カヤックを使えばバウが浮上しやすくなりますし、バウ側のハルがフラットなら水没した部分の浮力が反動となってバウのプレーニングもしやすくなるかもしれませんが・・・。
さて、バウ沈させない方法は主に2つだとで思います。
まずは上述のとおりパドリング速度を上げることです。そしてもう一つは重心位置です。往々にしてバウ沈するような時は、怖さが先立って、上体を後方にのけぞらせてしまうことが多いでしょう。そうなるとパドリングもできなくなりますが、これでは確実にバウを突き刺してしまいます。加速前の状態にあるカヤックでこのような姿勢をとると、体重がバウ側のフットブレイスに移動し、バウが沈んで失速、軽くなったスターンはさらに水面上に浮き上がり角度を稼いでしまいます。ヒザをデッキ裏のニーブレイスにしっかりあてて、腰の角度を維持したまま上体を後方に傾けながら力を加えて、スターンを抑えながらバウを浮かせましょう。ちょうど座椅子に座った姿勢で後ろに倒れるカンジです。
この姿勢でテイクオフして下を向くと、ボトムが迫ってくるように見えます。なかなかスリルある瞬間ですが、グッと堪えるのも楽しみの一丁目です。この姿勢でパドリングすることで、加速しプレーニングに移るのです。後傾状態のテイクオフは、波のパワーに押されただけのことであり、波以上の速度で動いている訳ではないので、その次に続くターンやライディングに必要なスピードが得られません(ターンなどを行うには波よりも早いスピードが必要です)。
ただし本格的なサーフカヤックなどは、バウの浮力が大きく、しかもシートが極端に後ろ寄りにセッティングされているものが多い(特にアメリカ製のものは顕著)ので、いくら後ろにのけぞってもバウが沈まない構造をしています。このようなカヤックではほとんどバウ沈しなくなりますが、逆にノーマルポジションが、絶えず前傾している状態となり、前傾していないと重心がセンターに維持できないという問題も発生します。(ちょっと極端ですが)ちょうどノーマルポジションで下左図の状態が維持されているようなものです。これはサーフィンのみの性能を優先したものでしょうが、ただ浮いているだけの時でも結構疲れるものです。まあ好みの問題でしょう。

念のため“バウが沈むと速度が遅くなる”ということについて復習。〜〜重心移動によって、部分的に喫水を深くして水の抵抗を増したり、逆に重心を外して水の抵抗を減らしたりするテクニックはサーフカヤックの基本です。前加重によってバウの喫水が深まればバウの速度は失速、スターンが持ち上がり一層バウが水没し減速するか、バウを軸にスターンが横方向へコンパス運動をはじめてしまいます。テイクオフでバウを浮かせてプレーニングを開始させることは非常に重要です。
3.加速の重要性
最初のセッションでは、波とカヤックの対地速度の差が“波 < カヤック”であることがテイクオフの条件だと書きました。さらにバウ沈のセッションでは、ターンするにも波より早いスピードが必要と書きました。カヤックの速度が十分にある場合と、速度が出ないうちにターン(方向転換といった方が正しいかも?)した場合、速度がないカヤックは波に合わせたライディング出来ないばかりか、最終的にはスープに巻き込まれてしまいます。波が巻いていれば洗濯機に突入です。
初速がないとテイクオフ出来ませんが、テイクオフ出来たとしても、これで安心せずに、さらに前傾を維持しつつ、パドリングして加速することを忘れるべきではないでしょう。ボトムターンもしやすくなりますし、フェイスに戻ったあと、横方向(岸と平行方向)への速度も向上します。次図のとおり両者のライディング距離に著しい違いが生じる主要因になります。

フェイス上ではカヤックのレールやフィンの効果によってカヤックをバウの向いている方向へ進めようとする力と、波によって横方向(谷側・岸方向)へ押しやる力が働きます。対地速度(絶対座標)で考えるならば、一定時間で岸に近づく距離は、波の進む速度によって決まりますが、横方向(岸と平行方向)へ進む距離はカヤック自体の速度で決まります。特に波は水深が浅くなるほどに進む速度が速くなる性質があるので、岸が近づくほどライディングに速度がないとスープに巻き込まれる可能性も高くなります。無論、テイクオフに続くボトムターンはカヤックの速度がなければキレの良いターンになりませんし、フェイスに戻ることも難しくなることは繰り返すとおりです。これらがテイクオフに続く加速が非常に重要だと感じる理由です。
4.リーンからエッジングへ
スピードの乗ったカヤックはコントロールしやすくなります。先にも書いたとおりサーフィンはパドルではなく、ハルと水の間に生じる“抵抗”によって方向を変えるものです。例えば右に体重を寄せれば右側のハルが沈み、抵抗が増えて、こちら側を内側にした円を描いたターンが起きるのです。無論、一定以上の急激なターンでは、積極的にレールを噛ませたりパドルの補助を使いますが、基本は重心移動であることを忘れるべきではありません。
さて昨年、シーカヤックの復習(?)をしていて、ふと気が付いたことがあります。カヤックの浮力中心と体重による重心の関係です。カヤックを左右に傾ける時の上体の位置の問題です。下図のとおり、正面から見て重心が左右にどれだけ移動するかです。以前、フェイスを走る時の姿勢でニーブレイスを使ったJリーンの絵を書いたことがあります。これをさらに発展させることでより積極的なターンが可能となるのではないでしょうか。例えば遠心力を感じるようなターンは、この重心位置を思いっきり(〜これが出来ないんだなぁ)カヤックの外まで移動させることで、レールが食い込み“エッジング”効果が生まれます。真っ直ぐに進むだけならJリーンしても状態をそのまま垂直に維持して重心移動をさせなければよいのですが、ターンをするなら曲がりたい方向に重心を移動してやることで、円弧の内側のレールに水圧を受け、より積極的なターンが出来るのです。
カヤックを正面から見た図(カヤックと上体の関係)です。

この効果は平水でカヤックを浮かべても実感することが出来るでしょう。また、レールのないカヤックでもどの程度の傾け方でどの程度のカーブを描くのかを把握しておくことは重要ですし、これにより基本であるハルの水抵抗によるターンとレールによるエッジングの使い分け(限界?)の補助に役立つはずです。そして、これを水面が傾斜したフェイスに置き換えて(図を傾けて見れば?)考えればよいのです。

ただし、実際のサーフィンではフェイスの傾斜の影響(水没している側のみに浮力が集中すること)で浮力重心はカヤックの中心線より山側(フェイス寄り)に移動しているハズです。これを考慮すると、考える以上にフェイスの上方向へのカーブは描きにくくなります(だからこそ、ボトムターンは一層重要になるのです)。また、下方向へのカーブは易しくなるハズです(気を抜くとレールも抜けてしまいます)。

さらに、カヤックをフェイス側にリーンさせることで浮力重心はカヤックの中心線に戻ってくるし、どちらにターンするにしてもレールの効果を加味することで、一層効果的な動きが可能になるハズです。

私の場合、これらのことはメチャクチャやっていただけなので、本当にこのとおりかはよくわかりません。しかし唯一、ターン中の意識として、カヤックの接水部分が腰骨の横からレール伝いにスターンを周って反対側の腰骨の横に戻ってくる感覚があるとき、気持ちよくターンも決まります。ここに書いた絵はカヤックに対して左右方向の重心移動ばかりですが、この感覚はさらに前後方向の動きの意義を示唆するものだと思います。一方でボトムターンでは前傾を解かず、腰よりも前方の膝横あたりのレール感覚を重視します。これがリーディングエッジとなって方向性を出していく感覚です。
またフェイス上の速度で言えば、レールを深く効かせるよりも、ハルとフェイス面を合わせてプレーニングした方が早く進んでいるように思います。レールを効かせるということは抵抗も増えますから・・・。だからレールを入れて方向性を出す瞬間と、レールを外し気味にして速度を出す瞬間の使い分けも重要だと思うのです。その時の気分ですが・・・。
さらにライディング中は絶えず波からのキックバックもありますし、これらを上手く利用してパワーオフの状態をきっかけに利用して、パワーオンでターンする・・・・そうコブ斜面でのスキーと同じ・・・・という緩急も必要でしょう。パドルワークも同様です。
ああぁ〜解らんくなってきた!! まだまだサーフィンの奥は深い!! ことしもあれこれ悩みそうです。