サーファーと仲良くあそぶ・・・ 2000年3月12日
カヤックで波に乗る場合の最大の問題、「サーファーとの衝突」を避けるために、彼らとの違いを考える。
1.サーファーとの共存?
シーカヤックには海があればよい。でもサーフィンはさらに海を選ぶ、いや乗り場所に制約があるといったほうがいいのかもしれない。・・・波がなければはじまらないのだ。でも、いい波がたつところ=すでにサーファーが一杯、という状況だし、場所えらびはやっぱり大変な問題だと思う。
私のうちの近くにある小さな川の河口は、流れ出た砂のつき方によって結構波が立つローカル(地元のサーファーをこう呼ぶ)色のきわめて強いポイント。河川敷まで車で降りて、川からエントリー出来るのでポテージもないし、海水浴客がいるわけでもないので、夏の間などは結構よく出かけるが、サーファー・ボディーボーダー・黄色い声のオネエチャンまで、まあ、にぎやかなものである。そんな人たちは、イイ波がやってくるといっせいにバタ足をはじめて波にのる。この瞬間はルールもクソもあったものじゃない。でも、大抵の場合彼らは、後ろから来る(一番沖から乗っている)サーファーに道を譲るから、ほとんど問題は起きていない。こんな場所にカヤックが入って行くには・・・・??
2.なぜ進路妨害してしまうのか?
多分、サーファーがカヤッカーを嫌うのは、ルール無視で自分の前に飛び込んでくるという道路交通法でいう「進路妨害」が最大の理由であろう。誰だって気持ちよく車を走らせていて、突然、前方にウスノロ車が入ってくれば「ムカッ」とするものだ。でも、カヤッカーだけでも、彼らと自分たちの進行方向の違いを理解することは、進路妨害・衝突回避の役に立つハズである。相互に進行方向が予測できれば事故は防げるのだ。
「ヤバイ」と思っても、ブローチングであろうが自ら沈しようが、波に流されるがままのカヤッカー側は、衝突回避の方法として水に潜ることが出来るサーファーに敬意は払って頭を下げるべきだと思うのだ。
3.波とサーファーの進行方向
往々にしてカヤックはボトムでライディングする場合が多い。テイクオフ(波をつかむ瞬間)は当然として、その後のサーフフィン中も同様である(そもそもロデオカヤックの世界では、エッジを使ってサーフィンするなどという概念はないのではないか?)。しかし、前に話したようにサーフカヤックはサイドエッジを使うのが正統派らしい。これは、サーフボードの特徴とまったく同じなのだ。だから、サーフボードの動きと、ボトムを使う普通のカヤックとの違いが重要なのである。レールを使えない普通のカヤックがどうして危険なのか?・・・それを考えてみよう。
4.カヤックとボードでは進む方向が違う!!
カヤック(ここでは専用のサーフカヤックではなく普通のカヤックを例にする)を使ったサーフィンと、ボードによるサーフィンとの決定的な違いは、波の進行方向に対する自分の進行角度にある。すなわち、カヤックの場合、波を背に受けて波の進行方向に近い角度で進むのに対し、サーフボードは、波をサイドに受けて波の進行方向に対し90度に近い真横に進むのだ。仮にあるボードサーファーが波のフェイスに沿って滑る前方に誰かがドロップイン(入ってきた)したとすると、進行する角度が平行に近いボードよりも、交差しやすいカヤッカーの方が格段に進路妨害(もしくは衝突)する確率が高いのだ。

ましてや、波が崩れてブローチング状態にでもなろうものなら、完全に波と同じ方向へ押されてしまう。最悪である。
さらに“普通の”カヤックの場合、乗り手が感じている以上にカヤックは、波の進行方向に近い角度で進む。これは、カヤックがサイドのエッジを十分に使えないことによりどうしても横滑りするからである。余程、波側のサイドに重心をかけない限り(サイドに大きな浮力があるカヤックは大変!!)ボードのようには走れない。当然、ボトムの形状やフィンの有無など、基本構造の差は歴然としている。・・・前掲ボートの構造のコーナー参照、だから専用のサーフカヤックが進化したのかナ?

5.カヤッカー流サーフィンの楽しみ方
ならば・・・カヤックはサーファーに勝るものを持ち得ないのか?
海水と大気が入り混じるサーフゾーンを楽しむのに「専用のサーフカヤックを使え!」などとヤボは言わない。それなりに楽しめばよいのだ。たとえば、パドリングのスピード、ボーダーは手足で加速して波にのるが、カヤッカーはパドルという道具を使う。初速が速いほうが波に乗りやすいのだ。すなわち、カヤッカーは遠くから、小さな波でも捕まえやすい力を持っているといえる。これにより、単に遠くから波に乗って優先権を行使できるだけでなく、小さな波にでも乗れるのでより多く乗る機会があることになる。すなわち、サーファーよりも多く楽しむチャンスがあるのだ(イイだろう!!)。 おまけに、寒い季節などは、水に漬かっていないため体が冷えずに長い時間楽しめるのだ(よく彼らはハイポサーミアにならないものだ?)。もちろん、サーフボードに比べて安定のいいカヤックの方が手っ取り早く波に乗れるようになる。体力もいらない(?)ので、敷居が低いより開かれた可能性を秘めていると思う。サーフィンにあこがれているものの、年齢・体力・器用さなどが心配な人はカヤックも試してはいかがであろうか。
サーファーとカヤッカーの動きの違いを認識してサーファーとの衝突を避けることができるなら、また今日イチの大波を狙わないのなら、カヤックのほうが、より楽しめるアソビであろう。もしかして、サーファーがガツガツするのは、水に漬かっている時間が限られていることから来る「焦り」かもしれないな〜と思うと、我々「カヤックサーファー」は、ドッシリとかまえて余裕で楽しもうではないか。
以上.