とある町の宿屋の一室。ルグイは黙々と本を読み、時折本から目は話さずに紙に何かを走り書きしていた。その紙が床に散っているのも気にしていないようだ。
「ルグイさん、お茶を飲みませんか?」
そこへボクがティーポットとカップを二人分持ってやってきた。
そして、箱に入った茶葉の瓶をいじる。
「どのお茶がいいでしょうか」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
ボクは全く反応のないルグイの顔を数秒見て、
「ダージリンですね。…しかもロイヤルダージリンですか…皆さんには内緒ですよ」
道具をあれこれ取り出すと、二人分の紅茶を淹れ始めた。
「ルグイさん、お茶が入りましたよ」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
ボクは全く反応のないルグイの顔を数秒見て、
「左側に置いておけばいいんですね」
そこにあった本をどけて、ルグイのカップを置いた。
向かいの席の本も重ねられたまま動かして、自分のカップも置く。
「お砂糖はどれくらい入れますか?」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
ボクは全く反応のないルグイの顔を数秒見て、
「スプーン半分ですね」
砂糖をルグイの紅茶に入れた。
先程とは違った箱をボクは取り出す。
「お茶菓子はチョコレートと、マドレーヌと、ビスケットがありますけど、どれがいいですか?」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
ボクは全く反応のないルグイの顔を数秒見て、
「マドレーヌですね」
マドレーヌを取り出すと、ルグイの皿に置いた。
同じものを自分の皿の上にも置き、席に着くと、ボクは一口紅茶を飲んでから、ルグイに訊いた。
「その本は、どんな内容ですか?」
「…………………」
「…………………」
「…………………」
ボクは全く反応のないルグイの顔を数秒見て、
「竜言語魔法…ですか。難しそうですね」
そういってまた一口、紅茶を飲んだ。
「皆さん、どれくらいで帰ってくるでしょうね」
「…………………」
「そうですか、騒がしくなるのは嫌ですか。…この紙、後で揃えておきますね」
「…………………」
「はい、その順番で並べておきます。あと…僕が読めそうで、読んでもお邪魔にならない本、ここにありますか?」
「…………………」
「ええと、ルグイさんから向かって右の、3つ目の山の上から8冊目ですね。じゃあお借りします」

そして、とてもとても静かに時は流れていった。



by 暗光鼠
ボク、何気にルグイさんを動物扱いでした。
…びみょーに面白くないですね、この話。書いたの失敗かも…。




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