「あ、ここにいたんですね」
森の中で、探していた少女を見つけてボクが声を掛ける。
「晩御飯が出来たそうですよ、マリー様」
悪びれずに言ったボクに、その少女、マリーは、
「あんた、あたしのことバカにしてんの!?」
とムッとしながら答えた。
「そ、そんなっ、僕がマリー様をバカにするわけないじゃないですかっ」
ボクが慌てて両手を振って見せると、
「だからなんで様付けなんかしてのよ!」
マリーが更に食ってかかる。
「でも最初に会った時に様付けにするように言ったのはマリーさ…」
「それがバカにしてるって言ってんの!ふざけて言ったに決まってるじゃないっ!そんなことも分からないわけ!?違う呼び方がいくらでもあるでしょ!?」
続けて飛ばされたマリーの言葉に、
「じゃあ…」
ボクは少し考えて、
「…マリーちゃん?」
「バカ扱いの次はガキ扱い?」
即座に却下された。
「ご、ごめんなさい…」
と首を竦めるボクに、
「全く、いちいちムカつくわねっ。あたしの事は呼び捨てでいいの!呼び捨てにしなさい!」
畳み掛けるように言い、
「それと!あたしに敬語なんか使わないでよねっ。背中に寒気がするわっ」
更にそう付け足した。
「でもフェルさ…」
「いーの!あたしが決めたんだから!」
遂にぷいと外方を向いたマリーに、
「…分かったよ、マリーさ…、マリー」
困ったような笑みでボクがいい、
「みんなが待ってるから、行こう?」
リディを呼びに行った時の癖でマリーと手を繋ぐ。
一瞬また怒られるかとボクはどきっとしたが、彼女は一度頷いただけで、2人は並んでみんなの元へ戻っていった。
戻る