朝起きるとみみよんは、まず隣の部屋に入る。
「あ、みみよん様、今朝も早いですね」
そう言って頭を下げるのは執事のフェルナンディ。
「今日もマッサージしますか?」
頷いて座る。
「どれどれ、あー、凝ってますね」
「ナナオの馬鹿が重い物持たせるからな」
「あ〜。大変ですね」
マッサージが終わると朝食だ。
コックはルグイ。見た目と味と栄養バランスだけは良い料理をみみよんの前に置く。
「15時からナナオ伯爵と打ち合わせを行います」
淡々と予定を述べるのは秘書のアイルザッハ。
「みみよん様、デザートをお持ちしました!!」
元気に入ってくるのはリディ。その手には、普通に美味しそうなデザートと、何がなんだか良く分からないデザートがあった。
リディは家政婦である。
彼女は家政婦としては最高の腕を持っているが、何かと言うと料理を作りたがるのには大半の使用人とみみよんは辟易していた。
「居らねぇ」
そう言うと彼女はひどくがっかりしていた。
「ルグイ、何故リディのデザートを運ばせるんだ!!」
アイルザッハが後から現れたルグイに小声で訊く。
「本人がそうしたいと言ったから」
そう言って彼女はテーブルの上のリディ作のデザートの皿を手に取った。
「リディ、ボクが探していたが」
ボクはリディと一番仲の良い使用人で、馬屋番をしている。
「あ、はーい」
リディが立ち去った後、ルグイもみみよんに軽く一礼すると、部屋を出ていった。この後ルグイはいつものようにリディのデザートを怪しい実験に使うのだろう…
「みみよん様、みみよん様!!」
食事が終わったかと思うと、今度は警備隊長のハスティが来た。
「なんだ?」
「大変なんだ――です!! 昨日賊が侵入し――ました!」
僅かにアイルザッハが反応する。
「賊?」
「ええ!!」
「で?」
訊かれてハスティは胸を張って答えた。
「大声出したら逃げました!!」
「…捕まえておけよ」
「大丈夫!!」
何故か更にハスティは胸を張った。
「逃げる時鈴の音がしたからきっとマリーだ!!」
「………………」
「…………………。」
三度扉がバタンと開いた。
「聞〜てくれたまえ」
入ってきたのはお庭番のラッセンだ。
「今朝起きたら僕の薔薇達があらされているんだよ! こんなひどい話ってないと思わないか〜い?」
「………………マリーを呼んでこい…」
「え〜、あたしぃ?」
狩人頭のマリーは嫌そうな顔をしていった。
「昨日は寝てたわよ」
「嘘吐け!!」
「本当だって」
「おやおや、何の騒ぎですか?」
遅れて執事のフェルナンディ登場。
「いや、昨日な――」
かくかくしかじかとハスティは説明した。
「ああ、それでしたら、私とルグイ君で研究開発した子ですよ」
ニコニコとフェルナンディが爆弾を落とした。
「はあぁ!?」
「昨日は良い月夜だったので、散歩をさせてあげたんです。」
ほら、狭いところばかりだと息が詰まるでしょう?
にこやかに言われて皆沈黙する。
「ついでだから警備も出来るようにしたらどうだ――とルグイ君が言ったので、今特定の人たちに襲いかからないように慣らしてる最中なんです。」
これが難しいんですよ――といって、フェルナンディがみみよんの背後を指差した。
「あ、ハスティ君が言ってたのは、この子の事じゃないですか?」
全員が振り返ると、そこには口を大きく開けて今にもみみよんに噛みつこうとしているナナオが――
「あ、だめですよ、ナナオくん2号」
そんなフェルナンディの言葉を最後にみみよんの意識は遠ざかった。
がばっ
みみよんは首を上げた。
辺りを見まわすと、野原でいつものメンバーが眠っていた。
(夢か…)
何か腹の辺りが重い。見ればナナオが人の腹を枕代わりに眠っていた。
むかっ
問答無用で起きあがるとごん、と言う大きな音がした。
しかし、何かもごもご言っただけでナナオはまだ気持ちよさそうに眠っている。
一発おもいっきり蹴りを入れてやろうとみみよんは決めた。
実は私、レ☆アさんのデータをいじって壊してしまったことがありまして、私がどうしても何かしたいと申したところ、では、みみよんメインの話を書いてくれと言って下さいまして。
で、動物のまんまの王様の耳は四号の日常ネタも無くは無かったのですが、何となく書きやすさから夢落ちねたに走ったというお話です。
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