「あら」
台所でヴィオラは顔をほころばせた。
「ルグイルグイ、来て来て」
表でカルソにナイフの使い方を教わっていたルグイを、ヴィオラが呼びつけた。
「?」
ルグイとカルソは顔を見合わせ、とりあえず台所へ向かう。
「何?」
「見て見て、ゴキブリよ、ゴキブリv」
彼女の指し示す先には、結界(逃亡防止用)に閉じ込められた巨大ゴキブリ(?)が。それを見てカルソは眉間を押さえて溜息をついた。それからふい、とその場を立ち去る。
「ここのゴキブリは外見的には他の地域のゴキブリよりも大きいの。十年生きるのも、柱も貫通する食い意地の張り具合も、この地域の特徴よ」
「ふーん」
「初めてゴキブリを見たのはカルソと会うちょっと前でね、私それがなんだか分からなくって(←とてつもないお嬢様育ち)何で皆が騒ぐのか分からなかったのよ」
「で?」
「ああやって親が騒ぐから子供もゴキブリ見るだけで大騒ぎするのよ。きっと」
「だから?」
「それだけだけど」
「で、ゴキブリを見せるためだけに私を呼んだのか」
「うん、面白くない?」
「別に、珍しい習性があるわけでも、貴重な薬が取れるわけでも無し、普通の虫より面白げがあるとは思わんが」
「あら、でも、殺した相手に小さな呪いをかけるところなんか虫にしては面白いと思うけど。(この地域限定)」
「強い呪いではないし、理屈はもう分かってる」
「感動がない子ねぇ。シェルド(研究者の一人)は生命力が強くてどこにでも居るから、餌には丁度いいっては喜んでくれたのに」
そこにカルソが片手に袋を持って帰ってきた。それを見てヴィオラは首を傾げる。
「素手で掴まえないの?」
「この間シェルドが弱って居ない方が良いと」
「あれ? 元気な方がいいの?」
「そう言われた」
「ふーん」
ぽい。(←袋に放り込まれた音)
「いってらっしゃ〜い」(目的地まで一キロの道のり)
どうしよう、水霞さんの話を読んでいると書きたくなる…のはいいけど、奴の名前を思いっきり出したもので他の管理人sに怒られてしまいました。
さて、こっちの一家はいたって淡白ですね。とりあえず、村を出るまでゴッキーを見たことすらなかった好奇心の強いお母さんと、そんなものに動じるような育ちはしていない父と娘。周りがキャーキャー騒ぐ中でいたって平常心ですごしてくれそうです。
どうでもいいですが、この村のゴキブリは磁場の影響を受けて思いっきり特殊化しています。
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