「きゃあーーーーーー!!!」
「リディ、どうしたっ!?」
アイルザッハは2階の自室から勢い良く飛び出すと、すぐに悲鳴の聞こえた1階のリビングに駆け下りた。
リビングに下りると真っ青な顔で小刻みに震えるリディが、ある一点を見つめて金縛りにあったように固まっている。
「リディッ」
「!…あっちゃ〜〜〜〜〜ん」
リディはアイルザッハに気付くと飛びついて、わんわん泣き出した。
アイルザッハはわけがわからず、とりあえずいつものように頭を撫でる。
「リディ、どうした?」
それに答えることが出来ず、リディは震える手で部屋の隅を指差した。
「アレは…」
そこにいたのは、なんというか描写したくもない黒いモノで、カサカサと動いていた。
それは虫嫌いのリディが最も嫌う生き物だった。彼女がここまで怯えるのも仕方ないと思い、アイルザッハはリディを安心させようと彼女の頭を軽く撫でた。
「大丈夫だよ。すぐに退治してあげるから」
ぐっ。
「…」
ぐぐぐっ。
「リディ、服を放してくれないと退治できないよ」
フルフルフル。
「…そのままでいいのか?」
フルフルフル。
早く退治して欲しいけれど服を放すのは怖い。子供ながらの矛盾した思い出リディはひたすら頭を振るだけだった。
早く退治しなければいけないと思うものの、リディの手を無理矢理引き離すのも気が引けて、アイルザッハは困り果てた。
「さっき悲鳴が聞こえたけど、何かあったのかいっ?」
するとちょうどリディの父、グレイスが、洗濯物を干し終わって家の中に入ってきた。
「あ、おじさん。アレが…」
アイルザッハが指差す方を見て、グレイスは現在の状況を理解した。
「よし、僕が退治するよ。え〜っと、なにか叩けるものは…」
「あ、おじさん、アレが食器棚と壁の隙間に…!」
「逃がすかぁぁああ!!!!」
スッパーーーーーーン!!!
次の瞬間、"アレ"はリディの母、ビアトリーチェの手によって絶命していた。
一同『・・・・・・』
「うふvゴ○は逃がすとやっかいだものね!」
「ビ、ビビ…」
「全く。思わず今ちょうど読んでる本で叩いちゃったわ。まだ読み途中だったのに。あ、グレイス、ソレ、処分しといてね。ちゃんと燃やしてよ。ああ、そうそう、私の庭の側で燃やさないで、森のほうでやってね」
「…はい」
ビアトリーチェはニコリと笑ってリディの頭を撫でた。
「さ、もう大丈夫よ、リディちゃんv」
「…うん。…ヒック」
「よかったね、リディ」
アイルザッハもリディを安心させようと頭を撫でるると、ようやくリディも泣き止んでニコリと笑った。
「でもね〜、一匹見つけると後三十匹いるっていうのよね〜」
「っ!」
「お、おばさん!!(汗)」
「いやあ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
その二時間後、リディの祖母がホウ酸団子を作るということで、何とか泣き止んだのでした…。
ぱっと思いついた話。リディの家ではゴキ○リが出るとこんな感じです。
リディ→叫ぶ。人が側にいないときはとりあえず逃げる。
アイルザッハ・リディパパ→倒してちゃんと片付ける。
リディママ→倒して後はほったらかし。リディパパに片付けさせる。
リディ祖母→慌てず騒がずホウ酸団子。
うん。とりあえず、これでリディとママの違いがかなり明らかになった。
顔はそっくりだが意外に性格が結構違う。
戻る