「ニュース・ステーション」 

 谷町のアーク森ビルタクシー乗り場。その先頭にいた時、TV朝日「ニュース・ステー
ション」の女子アナの一人が乗ってきた。TVで見るよりずっと痩せていて、ともかく
小枝のように細い。顔は小さく無表情でどこか埴輪のようだ。このタイプ帰国子女に
多い。

 ところで、この番組勤務明けや公休日によく見ているが、全体の構成がタクシー
的で面白い。何より主役の久米宏のタクシー運転手役が抜群で、この手の他局の
ニュース番組の追随を許さない。怒り・嘆き・笑い・ふてくされ・調子よく、軽妙な演技と
天性の物言う術で客(視聴者)を目的地に運んでいる。
後ろに控える朝日新聞の解説委員は、さしずめ運ちゃんにいろいろ物を教える博識
な客といおうか。久米運転手、上手に合いの手を打ったり茶化したりするがあまりよくは
聞いていない。運転の方が大事だし、先には次の客が待っている。何より大新聞のエリ
ートより、運ちゃんの方が地べたで起きてることは肌でよく知っている。
亡くなった初代の小林解説委員だけが、そのことを分かっていた。
知っていながら知らないそぶり、利口な人だった。
女子アナは博識な客の美人秘書役か。渡辺真理アナ、上品ぶらず、運転手やからにも
気さくに優しく声を掛け庶民的でなかなか良い。

 都会を回り、国政から経済・文化・社会・芸能まで一見好きなようにメッセージを伝えて
いるが、ひとつひとつの背景に確かな計算された演技力がある。そこが人気の秘密と気
がついたのか、NHK(会長?)は演劇経験のある堀尾アナをキャスターとして送り込んだ
が見事失敗。所詮”役者が違う”というか、現時で「タクシー運転手」役はチト「ハンドル」が
重かった。しかしNHKのアナにあっては出色の存在、puzzled face を消して再挑戦を期待
したい。

 よく自民党がこの番組をヤリ玉にあげるが、所詮街行きのタクシー運転手の不平不満、
大人げないよ。それとも、地べたに映る自分たちの影におびえているのか・・・。