smells like 70's

Little Jimmy King
(Dec.4,1964-Jul.19,2002)


1964年メンフィス州テネシー生れ(
LivingBlues誌による。AMG等では1968年としている。)のブルースマンが、2002/7/19、37歳の若さで急逝した。心筋梗塞ってことになるのだろうか、まだこれからって時だった。アルバートキングの「キング」とジミヘンの「ジミー」を会わせた芸名の、何ともとぼけたキャラクターが憎めないヤツだった。祖父がマディーやウルフと自宅で演奏してたのを聞きながら自然にギターを手にしたらしく、弟のエリック・ゲイルズ、兄貴のユージン・ゲイルズと3人で出したアルバムでも気負うことなく、いつも通りの味のある歌を聴かせてくれていた。この世代だと、同じくアルバートを師と仰ぐカール・ウェザスビー氏、白人ながら手堅いココ・モントーヤ氏、硬派のトミー・カストロ氏、器用貧乏ジョー・ルイス・ウォーカー氏、サラブレッド器用貧乏ラッキー・ピーターソン氏、ルーサーの忘れ形見バーナード・アリスン氏、御大ジミー・ボ−ン氏と、ブルース・シンガー/ギタリストには逸材が多いが、とかく生真面目になりがちなこの辺りにあって独自のおおらかさを感じさせる、まさに大器だった。
Little Jimmy King & the Memphis Soul Survivors (1991)
スティービー・レイの乗ったヘリが山に激突した翌年にジミーは最初のアルバムを発表した。アルバートとジミヘンがルーツというところはスティービーと同じなので、ここでも基本的にはスティービー同様のテンションの高い演奏が納められている。ただ、それほど押しが強くないので、どこかいい加減なユルさがあって、何ともいえないローカルさが感じられたものだった。しかし、加工前の素材のような溌剌とした可能性を感じさせてくれた。一般的には最も評価の高いアルバム。

Little Jimmy King/Something Inside of Me (1994)
前作で華やかなデビューを飾ったジミーは、これまた当時の流行りどおりに、スティービーのバックだったダブルトラブル(トミーシャノンB、クリスレイトンD)と2作目を作った。前作に比べてリズムにキレが増し、ロック色がつよい好盤となった。エルモアジェイムズ作のタイトル曲やクリームのストレンジブルーなどの名演も冴えた。

Jimmy King/Soldier for the Blues (1997)
LITTLEをとったジミーの3作目。これが本来のペースだったのでないかと思う。どちらかというとテンポのゆっくりとした曲が多くやや地味な印象ながら、オーソドックスなブルースやバラードに乗って、いつも通りの暖かい歌とギターが聴ける。決して手を抜いているわけではなく、これといった売りがないだけで、悪い作品ではない。目立たない3作目ということで商品としてはきつかったと思う。

Jimmy King/Live at Monterey (2002)
次はきついなと思っていたので、このライブを見つけたときは驚いた。おまけに上等のスーツにこれまでの赤から白に変わったフライングVが冴える、妙にかっこいいジャケ。一体何があったんだ?と思いきや、中身はいつもどおりのジミーズミュージック。楽しそうに歌い、弾きまくっている。周囲から愛されているんだろうな。ダニーハザウェイのゲットーに乗ったオープニングから始まる貫禄のブルーズショウが楽しめ、スタジオ録音も4曲入って健在さを示していた。自信にあふれ溌剌とした演奏が、本当にこれからだったジミーを偲ばせる。

The Gales Brothers/Left Hand Brand (1995)
兄弟3人名義で作った唯一のアルバム。凄腕ロックギター弾きの弟ERICが弾きまくる横で微笑むように穏やかなブルースを歌っている。最大の魅力である鼻にかかった声が実に気持ちイイ。全体的にはファンキーでハードなブルースロック(1曲目はミーターズのカバー)ながら、マニュエル(ジミーの本名)は全くぶれずに自分の世界を作っている。ジャケ左からエリック、マニュエル、ユージーン。兄弟にはもう一人、マニュエルの双子の兄弟でダニエルってのがいるようだ。心中を察する。



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