直径約5mmの筒状の検査器具で、通常口からのどを通して気管に挿入します。そして気管支粘膜の観察、分泌物の採取(採痰)、細胞検体の採取(生検、擦過細胞診)、気管支洗浄などにより、感染症や腫瘍その他の呼吸器疾患の診断を行います。胸部レントゲン、CTスキャンとならび呼吸器科診療にはなくてはならない検査です。しかし、検査に際して咳や呼吸困難といった苦痛を伴うため、苦痛を軽減するために、通常前投薬(麻酔)を行います。
気管支鏡の前投薬(麻酔)
気管支鏡の前投薬には大きく分けて、静脈麻酔(全身麻酔)と咽頭麻酔(局所麻酔)があります。多くの施設では後者が行われています。しかしながら意識下で行われるため、苦痛軽減の効果は十分とは言えませんでした。当科では平成16年より静脈麻酔(全身麻酔)を導入しました。その結果、従来の方法に比べ苦痛が非常に軽減されています(図1)。
静脈麻酔の安全性
静脈麻酔は、海外では気管支鏡の前投薬として広く行われている(註1)方法です。報告によると重篤な合併症の頻度は呼吸不全(0.2%)を含め0.5%、軽度の合併症は0.79%、死亡率は0%とされています(Pue C. et al. Chest 1995;107:403-2)。
註1 英国での気管支鏡前投薬方法
静脈麻酔 63% 咽頭麻酔 14% 両者併用 12%
静脈麻酔:ドルミカム静注、咽頭麻酔:オピオイド皮下注