『二刀流』
さようなら。
それは私から言い出した。
この前、偶然知らない女の人と歩いている彼を見た。
思わず、私は隠れた。
付き合って。
それも私が言った。
いつも私が意思を示した。彼はいつも私に合わせてくれた。
でも・・・・・・それは卑怯だと思う。
気持ちがいつも一方通行だった気がする。
「・・・・君が言うならしょうがないね・・・・・」
「あなたはどう思っているの?聞かせて欲しい」
「僕?・・・・・・僕は・・・・・・もちろん今でも君を大切に思っているよ」
ホントにこの人は卑怯だ。別れるという結論が出てからこんな事を言う。
ふと彼を見る。気のせいかホッとしているみたいだった。
そんな顔は見たくない。
教えて欲しい。『ワタシ ハ イツカラ 過去 ニナッタノ ?』
そんな私に彼は言った。
「ホントに君は強い人だと思うよ」
「私が強い?」
「だって、何でも自分で決めるじゃないか。僕なんか周りを気にして、本当の事言えないから・・・・・・・」
「・・・・・・そう・・・・・そうよ。私は強いの。アナタみたいに何も決められない意気地なしじゃないの。それじゃあね」
私は振り返り彼から離れた。彼は黙って私を見送った。
私は強い!私は強い、私は強い?何度もそう心の中で言った。
強いはずなのに。自分で決めたはずなのに。
だったら何でこんなに視界が潤んで歩きにくいの?
こんな顔、絶対に彼には見て欲しくない。
だって化粧がはげたら、ヒゲが濃いのがばれるもの。
離れながら思う。
「彼は両刀使いだったのね」
また新しい男を捜せばいい、それだけのこと。
あー、本気で手術受けようかしら。
終わり
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