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ある日、寿庵皆男氏と一緒に九州の某ショップに行きました。 そこはギターマガジン誌にも広告を載せているお店で、結構ビンテージものも 数多く扱っているようです。 お店に入る際に「こんにちは〜。」と挨拶しても何の反応も無し、店主は奥の レジ兼リペアブースに腰を下ろし、LPジュニアの修理中のようでした。こちらに気が ついても何の挨拶もなしに黙々と作業を続けております。 (なんか無愛想だな〜。でもこの手の店で元気良く「いらっしゃい!」と言われても 困るので丁度良いけど・・。)と思いつつ、壁に掛けてあるギターを見てみました。 丁度'54年製LPがあったのをゴールドトップフェチの寿庵氏が見つけ、すかさず 値段を聞いて見ました。 寿庵「あの、これはおいくらですか?」いままで黙々と 作業を続けていた店主がおもむろに顔をあげ、「それはxxx万円」という返事。 そこでまた寿庵氏がお決まりの言葉で「ええっ!!'54年でもそんなにするんですか?」 するとその店主、何か勘違いしたようで、「'54年だってアメリカじゃあもっとするよ!」 と切り返した後、(高いと思うなら買わなくて良いんだよ別に・・・。)という感じで 「勘違いした客が来てね、値切ればなんとかなると思っているみたいだけど、 そんな客には帰ってくれっていうんだよね。」といきなりの牽制攻撃。 (いや、別に全然買うつもりがないんだから値切ろうなんて思ってないですよ。ホント。) 気を取り直して、寿庵氏、試奏を申し出ます。 寿庵「あの〜、これ音出させてもらっても良いですか?」 店主「ああ、ちょっと待っててね。」といって修理中のLPジュニアを壁に 掛け、おもむろに'54年製LPを壁から降ろし、チューニング。 チューニングを終えるといきなり、メサブギーのボリュームをかなり大きくして、 弾きまくる、弾きまくる。ブルースブレーカーズ時代のクラプトンフレーズなんかを アクションを付けて弾きまくります。 一通り弾きまくって、落ち着いたらしく、立ち上がって'54年製LPを寿庵氏に渡すの かと思いきや、「ま、こんな感じ。」という言葉を残し、元どおり壁にかけてしまいました。 (自分で弾かないとどんな感じかわからないって!!) 拍子抜けしてしまいましたが、それでもメゲない寿庵氏は再度気を取り直して質問です。 寿庵「P−90ってシングルコイルなのにけっこうパワーがありますね〜。でもPAFのほうがパワーはあるんでしょう?」 店主「ハムバッキングなんてハムキャンセルが目的であって、パワーが欲しけりゃアンプの ボリュームあげれば良いじゃない。」 寿庵「これはペグはゴトーに交換してあるんですかね?」 店主「ペグなんて自動車で言えばタイヤと一緒だからね。減ったら換えるの当然でしょ?」 という感じで「ああいえばこういう」状態がしばらく続きました。 あまりにそっけない態度に呆れてしまい、「ありがとうございました。」と一言告げて お店をあとにしましたが、店主は無言でした。 その後、何度か行きましたが、こちらが挨拶しても返事がないのであれ以来、寿庵氏は店に入る時も 店から出るときも挨拶しないことにしたそうです。(笑) (終わり) |