旅@往き場をなくしたアベック





ぬるぬるした葉 茎もゼリーに覆われている 味はないけれど爽やかな水に浮かんだ蓴菜を 食べる 沼地 ナイフ形のすばやい魚がいる水の表に 蓴菜は浮かんでいるのだろう 菱は山の池で泳いだときに 手に絡んで除けつつ 向こう側へ進んだ 浮き草は粉のような花をつけて ひたすらゆらゆらしている 畳目の 微細なホコリの通り道 〔アベック〕とは、ふたり連れのことを云うよね。 ま、死語のようでもあるんだけど。 気持ち悪がらないでほしいんだけど、 わたしの中にはカップルがいるんだ。 貴方の中にもいる?ww 乱雑な部屋でパンを食べていた。 そんなとき、きまってわたしは地図と時刻表を広げてる。 わたしね、 行方不明者なんだ。まじ。 もっとも家族は こんなあたしが消えてくれて内心、ほっとしてるのかもしれないね。 もう12年目。 狂人でした。 狂う一歩手前ギリギリなら、アートかもね。 今は ギリギリのラインで カップルであるツレアイ(もうひとりのわたし)から じらされてる、 そんなかんじ。 いつまた、〔狂〕のスイッチが入るか、わかんない。 今の住まいに、安住感がないのは、 そんな予感が低いところでいつも漂っているから。 「椿」 腐った死体を根元に埋めて 三年経ったら掘り返す 死体は美麗な女になり けれど女は死んだまま 死んだ女を俺は犯す 死んだ女を俺は貪る 死んだ女は黙ったまま 俺は女に射精する