「ふぁ……」

 セイバーから、小さく欠伸が漏れる。普段から折り目正しい彼女にしては珍しいことであるが、それは、それとして。

「寝て、しまっていましたか」

 年越しで盛り上がり、柳洞寺で初詣を済ませて、帰ってきて。そのあとも亭主たる衛宮士郎とゆっくりおしゃべりしたりしていたのだが、二人とも気付けば夢の世界の住人になっていたらしい。

 時間にして3時間程度。若干睡眠不足気味だが、部屋自体は暖かいので風邪を引いた、などと言うこともない。

(まだ、おせちやおぞうにの準備はしなくてもいい、か)

 ざっと我が家の正月に人が来る時間等々を計算し、そう判断する。恐らく、あと1時間程度はのんびりしていられるだろう。

 もう一寝入り、でもいいかもしれない。
 ただ。状況からして、これは。
 自分が起きていて、衛宮士郎がちゃぶ台の向こう側で寝ている──今、この時は。

(……シロウの、寝顔)

 を、堪能するチャンスである、と。正月から我が身に降りてきた僥倖に他ならない、と。
 セイバーは、そう判断した。

「失礼、して」

 つつつ、と、彼を起こさないよう、畳のうえを滑るように移動するかつての騎士王。
 神速の域を以て行われたその行為の先に──。

(………………!!!)

 逞しく、男らしく、という概念とは無縁にすら思える、可愛らしい寝顔が、そこにあった。

(ええ──素晴らしい)

 今年もまた、良い一年になるだろう。
 彼女は、そっと確信する。
 正月早々に得られた最高の贈り物に、思わず、顔をほころばせながら──。





 どことなく某ラジオのホストさんのような行動になってしまいましたが……w
 そういう「姉→弟」的な関係も、なしとはしないのではないかな、と、
 そんなところで、ひとつw


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