この柔らかな日の光が、どうか其の心にまで届けばいい。
陽光。
ぴちゅぴちゅ、と外の木で鳥が声をたてて鳴いた。
なんてあったかい日なんだろうなぁって、僕はおもわずにはいられなかった。
実際、そろそろ寒くなってきていてこんな日は珍しくて。
気を抜いたら、僕まで寝てしまいそうだった。
それができないのは、ひざに大事なものをかかえてるから。
すー・・・・・・・・すー・・・・・。
静かに、まるで子供みたいに寝るヒル魔がいて。
僕は、其の頭だけをひざに乗っけて、ずっと其の髪の毛を撫ぜてた。
やわらかい、猫みたいな髪の毛で。
僕は、本当にこんな猫がいたら絶対家でかってるのになぁってぼんやりと、おもった。
頭にはちょっとボールがぶつかった痕。
それと、ひじと腕をちょっとすりむいていた。
そう、モン太君がボールを投げたら、ヒル魔にあたっちゃったんだっけ。
それで、普段の疲れもたまってたのかすぐにヒル魔は倒れちゃって。
さすがにわざとやったわけじゃないから怒れなかったけど。
内心モン太君にちょっとムカ!ってきた自分もいた。
「僕がはこぶから、みんな練習しててね。」
そういって、僕はヒル魔を保健室まではこんできた。
あいにく保健の先生はいなかったから、ちょっと消毒とかして。
それで、おきるまで、膝枕をしてるわけで。
頭を、ゆっくりとなで続けた。
気持ちよさそうに寝るヒル魔の顔をみて、僕はついほほが緩むのを自覚した。
きっと、それは勘違いなんだと、想う。
ヒル魔はいつも、自分だけが好きな風に僕にいう。
自分だけが、僕を好きで、僕は、ヒル魔ほどじゃなくて。
そういう風に、いつもいう。
そうやって、抱きしめるのもヒル魔からで。
手をつなぎたがるのだってヒル魔からで。
それはいつも、たいていの場合脅しながらとかけりをいれながらとか。
照れ隠し、しながらなんだけど。
ね、しってる?
いっつも僕からそれをしないの、ヒル魔の所為なんだよ。
だって、僕がしたくても全部ヒル魔がやっちゃうんだもん。
たまには、僕にもやらせてよ。
陽光が差し込んだ。
それは、どこまでもどこまでもあったかくて。
「ねぇ、知ってる?」
そういいつつ、また頭をなでた。
きっと、こんな猫みたいな扱いしてたら「俺は猫かよ」とかいわれそうだけど。
それでも、其の髪の感触が気持ちよくてやめられなかった。
「ヒル魔は、いっつも俺はお前がいねぇとだめだっていうけど」
温かかった。
それは、自然の光だけじゃなくて。
「僕も、ヒル魔がいないとだめなんだよ。」
君が僕の心うちをこんなにも照らすから。
だから、ほら、僕の此処はこんなにも、温かい。
まるで君の愛が僕の傷を埋めていくように。
「ヒル魔がいるから、僕だって生きていける。
ヒル魔がいるから、僕はこんなにも、幸せで。」
どうして、人を恋うるということは。
こんなにも幸せで、こんなにも、なきたくなるんだろう。
たった、それだけのこと。
人を、愛する。
それだけで、僕は生きていける。
「ヒル魔、大好きだよ。」
普段は言わない言葉。
言わせてもらえない言葉。
いつも君がいうだけで、僕がいう機会がない言葉。
でも、いつも心にはその言葉があるから。
「ヒル魔、君が、大好きだよ。」
腰を折り曲げて、こつんと額をあわせた。
こうすることが好きで、いつもよくやってる。
ヒル魔の顔が、僕の眼の前で広がるから。
そばに。
限りなくそばに、感じていられるから。
「・・・・・・・・・・・俺もだ。」
「え?」
「ついでにいうと、俺がいねぇとだめだっつーのももう知ってんだよこの糞デブ」
え?と再度間抜けた声を出すと、ヒル魔はおきて懐から銃を取り出した
「おきてたのっ!?」
「あぁ、おまえが俺にしってるってゆったあたりからな。」
それをジャキン!と僕の鼻に突きつけて、ヒル魔はにやりとわらった。
僕は、いつものその光景になれて大してあわてはしなかったけど。
でも、あれだけの言葉をきかれてたなんて反則だ、と思わずにはいられなかった。
「・・・・・・・・・・・ま、よしとすっか。」
「へ?」
「このまま頭なでてろ。
猫みてぇなのが一瞬気にくわなかったけどよ、もうされるがままにすることにした。」
銃をしまって、腕を胸の上でくんだ。
部活はいいのかなぁとも思ったけど、これはこれでいいかとも、おもった。
もちろんサボりになっちゃうんだけど。
でも、こうしてヒル魔は僕に甘えてくれているから。
「栗田。」
ヒル魔が僕の名前を呼ぶ。
「何?」
僕はいつもみたいにそう返事をする。
「お前が好きだ。」
「わかってるよ、僕もすき。」
いつもの、それが日常。
それが、こんなにも幸せで。
陽光が、途切れることなく降り注いだ。
どうか二人の行く末に、幸多きことがありますように。
20050604/はらっぱー
意味わからないしあまーーーーい!!!
久しぶりに幸せ話をかきたくなってかいてたらあまいあまい。
でも目指すは甘くてもしつこくない甘さというか。
そして光がそこにあるかのような描写をしたかったのですが後半沈没・・・。