ふれたところがあたたかい。
それがあったかくてすきだとおもった。













パンチ。












眼を覚ますとまっくらだった。
何も覚えちゃいなかった、ただここはどこだろうとそればかりを思案して。
あたりをみまわしても、思い出せるのは今朝学校にきたっけなー、それだけだった。

(・・・・・いて)

口元がひりひりする。
手を伸ばして確認すると、其れはかたまった血で。
なにがなんだかわからなかった。
ぼんやりとおもいだすのは、なぐられたってことだけだ。

学校、屋上、人目のつかないところ。
殴られた、脅し。
あか、赤、紅。
どうでもいい、と思いながら思い腰を上げた。
何が悪かったのかとかそんなもんは知らない。
目が合った。
すれ違いざまに肩がぶつかった。
そんな理由で、殴られることも多々、多々。






ただでさえぼさぼさの髪の毛がさらにぼさぼさになってた。
かっちょわりー、とおもいながら頭をかく。
本当に、かっちょわりぃ。





どうして、俺はこんなに、なさけねぇんだろう。
痛みなんてどうでもいい。
ただ何もできない自分。
殴って、殴って、何も生み出さない行為をつづけて。
他人を傷つける。
自分も傷つける。
そんな意味のない行動を、毎日くりかえし。

なさけない、と思った。
とても、馬鹿みたいだ、とおもった。

太陽がまぶしくて。
思わず、手で眼を覆った。
合間からはいってくる光が眼に、痛い。
痛いのは、本当の光だったかはしらねぇ。

いつからだ?
こんなに俺は、いつから、なさけなく??
直ぐに面倒くさい事から逃げて
直ぐに全てから逃げて、走る、楽になるために。
そしておちて、おちて、おちて。

日の光なんて浴びるほど俺は、明るい所にいてもよかったか?

そして今日もこうやって血をみる思いをするのに。








「いつまでうだってんだ黒木。」









眼の前が、暗くなった。
誰が来たのかとおもって手を身構えた。
座ったままでたちうちできる、なんてはずもなく。
其れすら忘れていた自分がいっそう、馬鹿みてぇだった。
「何間抜けな顔してんだよ。」
「はぁあぁあ??」
日の光がさえぎられて、眼があけやすくなったなぁと。
どうでもいいことが頭をよぎった。
逆行になってた、でもそれでもよくわかる。
十文字は笑ってた。

あぁ、そうだ、いつもこうやってこいつはわらうんだよなぁ。
まるで明るいとこにいるのが常だとでもいうように。

「あー、わっかんね〜。殴られてうだってたんかも。」
「はぁ?おまえそれくらいやりかえせよな。」



卑怯だとおもう。
こんなときのこいつの笑顔はとても卑怯だとおもう。
どうしてだろう。
こんなにも暗いところに引きずり込まれそうになるのに。
それでも、それでも。

俺のうちを、どこまでも照らす。
それは、とても卑怯だとおもう。










だってこんなにも、なきたくなるじゃねぇか、なさけないくらいに。














「なにぼさっとしてんだ、トガの家にいくぞ。」
ほら、最新号のジャソプみるっつってただろ。
そうやって、十文字は俺の頭をばしっとたたいた。
触れた、わけじゃねぇけど、其れがとても暖かくて。
「・・・おぅっ!」
俺の頭をたたいた手がそのまま、俺の前に掲げられて。
あぁ。

好きだ、と、想う。

この瞬間が、この暖かさが。
好きだ、と想う。

やんわりと、俺は伸ばされた手をとった。






へにゃり、とわらう。
ばーか、といって相手もわらう。


明日がくらくても、かまわねぇ。
たとえ、明日がどんなに血にまみれてようと、俺は、かまわねぇんだ。


だってそうだろ。
いつだって、『俺たち』はわらってんだから。




例え、自分がどんなに価値がないと思い知っても。









20050417/はらっぱー
黒木キャラちゃいますね。
でも、あほなりにかんがえるとこはかんがえてる。
そんなかんじで。