彼が眼をさますと、そこは何もない空間だった。 空、空、そこは一面の闇。 またたく星がまるで、海のようだった。 「俺は」 白い布をまとったような姿。 金糸の髪。 それはまるで天使を想起させて。 手を伸ばした。 果てしなく、果てしなく遠い彼方へと。 それは届くはずもなく、やがてぱたり、と地面へと落とした。 「早く」 意志のない瞳が、空を見つめた。 なぜ、自分はここにいるのか なぜ、自分は生きているのか なぜ、こんなにも虚無感があふれているのか 自分は、いったいだれなのか。 思い出すすべは何もなかった。 ただかすかな記憶の中で、はっきりと彼の頭を占めているものがあった。 「はやく、人間にならねぇと」 つぶやいた途端、彼の体を強い風が吹き付ける。 髪が乱れたが、彼はそんなこと気にもとめずに、立ち上がる。 とがった耳についたピアスがちりりと、ゆれた。 「俺はにんげんじゃねぇんだ。だから、人間になりてぇ。」 はじまりは、何だったのだろう? 「セナ、お前がそうだと決めた道を、進めばいいんだ。 俺はそれをみとどけてやる。・・・そのために俺はここにいる。」 一体どこから狂い始めたというのか? 「ヒル魔、僕は、ちゃんと生きてほしいとおもうんだ。人間として。」 なにが、間違っていたというのか? 「だって栗田さん、僕役立たずなんですよ。魔法が、使えないから。」 それをしるものは、いない。 「てめぇら、ぜってぇヒル魔を連れて来い。しくじったらぶっ殺すからな?」 ただ、神はいう。それは悠久の昔からもはや決まっていたことだ、と。 「阿含に殺されたくなかったら、おとなしくヒル魔を渡すがいい。」 神々ですら見放した、運命。 「封印はあと一つ。それで完全に僕は目覚める。」 運命のレールは交錯する、誰も予期せぬ方向へと。 「ねぇ、殺してもいいですか?だってこんなの虫けらに等しいから」 死ぬはずだった命は生き長らえた。 「ヒル魔は、あいつは俺のモンだ。そうだろ?雲水。」 殺すはずだった存在が今はとても温かい。 「此れが、お前の運命か?」 殺されるはずだった未来は捻じ曲げられて現在へと。 「ヒル魔さんは渡せません、だって僕たちにはやるべきことがあるから。」 笑い、泣き、想い、殺し、そしてすべてが始まる。 「たとえ、この世のすべての敵になったとしても。」 走り始める、すべては破滅へと。 それはとまることのない歯車。 変えられぬ、定め。 それでももがき続ける、彼らは、ずっと。 「Unlimited Brade Works・・・この体は、剣でできていた。」 誰も止めることのできない道へと、今。 |
| ってわけで序章です。 すっごい裏設定満載なこういうかきだしってすごくすきです。 連載開始はもうちょっと先かもですが、かきたくなったらどばばとかきます。 ええ!すべてはヒル魔を中心にというか主人公は一応セナでオールキャラを 予定しております。 それでは本編こうご期待! |