言葉責め
|
クリスマスボウル直前。特訓に明け暮れるデビルバッツ。関東大会決勝の勝利で歓喜に浸っていたメンバーも、次第に決戦の日が近づくに連れて緊張感が増し、雰囲気は張り詰めていったはずである・・・はずであるが、ひとり緊張がほぐれているメンバーがいた。 「この糞バカども!おととい渡したビデオ見直しやがれ!連中のまもりがそんなに甘ぇはず無えだろ!」 「うちのまもりの生命線は、テメーの・・・」 「実戦練習いくぞ。Aチームは最初攻め、Bチームがまもりな」 「今のプレー、右辺はパスに対するまもりが甘ぇ。もっかいいくぞ」 「さっきのケース、最悪インターセプトあるぞ。攻めからまもりに頭すぐ切り替えろ」 「しっかりまもりやがれ!中央にスキを作るんじゃねえ!」 「そりゃまもりすぎだ!下がるな!」 「ここだ!この瞬間、敵のまもりにスキができる!」 はぁ〜、しあわせ〜。練習中こんなに名前呼ばれてたのを、いままで聞き逃してた。なんて勿体無い! それにしても今日は「攻撃と守備」って言ってもいいところを「攻めとまもり」と言ってる。無意識なの?わざとなの? ふぁ〜・・・そんなに名前連呼されたら・・・冬なのにとけちゃいそう。 「この!今の左辺のまもり!スキだらけだ!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これって言葉責めっていうのかしら。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「今日のまもりさん、いつにもまして素敵だったと思わねえか?」 「そう?あ、そういえばなんだか、いつもより笑ってる時間が長かったかも」 「みんなの緊張をほぐそうと考えてくれてるんだろなあ」 「うん、決勝前で、実はみんな神経がけっこう逆立ってるし」 測ったようなタイミングで、モップをもって蛭魔を追い回すまもりが窓から見える。 「・・・緊張ほぐそうとしてくれてるんだよなあ」 「うん・・・」 (蛭魔が何と言ってまもりを激怒させたかなんて、考えるまでもありませんね) |
| 小説集 へ |