暇つぶし小説第三話

夏休みに入り宿題がやたらと出ていますが書きます(笑)

 

「あれ、双太はどこに行ったんだ?」

状況をまったく知らない文次がいきなり話しかけてきた。

これは、ある意味、幸運だったのかもしれない。

あのままだと、誰かに殴られないと、現実に帰られなかっただろう。

「ああ、あいつなら教室から出て行ったよ」

「なんでだよ。もう少しで給食の準備が終わっちまうぜ。それより理由はなんだよ?」

「知らないよ。あいつにはあいつの考えがあるんだろうよ。」

あまり話したくはなかったから理由は伏せておいた、。

すると、あいつは指を顎にあてて、探偵のように考えはじめた。

あいつの推理がどんなものか楽しみだったから、黙っておいた。すると、

「これか!!」

そう言って、小指を立てやがった。

「ふざけんな!!第一なんでそんなことであいつが出て行くねん!!」

「ストーリーはこうや。お前と双太は法子を好きになってしまった。」

なんか下手な話が出来上がってきて、頭を抱えたくなってきた。

しかし、そんな僕を無視して、文次は続けて、

「そして、俺と彼女が口論が始まってしまい、心を痛めたお前らは、どちらが止めるかで喧嘩になってしまった訳だ。

「誰が好きになったって?」

いきなり、法子さんが入ってきた。

「いや、なんでもないよ。法子さん。それより双太何処に行ったか、知らないかな。」

「たぶん、あいつ放送室にいるんじゃないかな?ほら、あいつ放送委員だし。」

文次とは違って論理的な考えだ。

「ああ、なるほど。」

文次は納得したようだが、僕にはまだ疑問かあった。

「でも、双太はカセットテープ持っていなかったよ。」

考える素振りを見せて、

「制服のポケットの中にでも入れてたんじゃないの?で、そんなことより、誰が、誰を好きになったって?」

やばい、はっきり言ってやばすぎる。文次のストーリーを言えば、僕も殴られてしまう。

「ええっと・・・・・・」

僕たちがうろたえていると、唐突に救い船がやって来た。

     ピンポン、パンポン

『今からお昼の放送をします。

今日の担当者は、棚田 双太です。

今日は楽しい音楽をかけたいと思います』

    ピンポン パンポン

「楽しい曲ってなんだろうね?」

すっかり、さっきのことを忘れている法子さん。

「あまり、期待はしないほうがいいと思うよ。」

僕が言い終えると、同時に、曲が流れ始めた。

結論から言うと僕の発言は正解だっただろう。

最初の曲はドナドナ。給食の時間に聞く曲じゃあない。

「給食の準備が出来たので座ってください。」

心なしか、日番の人の声も小さい。

とりあえず座って、号令と双太を待った。

しかし、日番の人は、放送室にいる、あいつを待たずに、号令をかけようとした。

すると、扉から、声がした。

「ヒ−ローは遅れてくる。それが常識だ!!」

僕はまた、頭を抱えたくなってきた。

声の主はやはり、双太だった。

クラスメートの半分は笑い、半分は冗談まじりに声をかけていた。

「静かにせんか!!」

先生の声が怒鳴っていたので僕たちは、シン、となった。

「手を合わせて、いただきます」

日番の声と同時に文次と双太の箸が動き始めた。

早食い対決29回戦目のスタートのようだ。

迷うことなく箸を動かせる双太の表情には、あの絶望は一片もない。

放送室までに何があったんだろうか?

まあ、そんなことばかり考えて給食を食べるわけにはいかないので、とりあえず、箸を動かし、目の前の物を片付けてゆく。

会話らしいものはなかったがこんな日があってもよいと思う。

毎日の平穏に退屈こそしていたが、それを潰してまでも手に入れるものに、価値はないと思う。

すこしそんなことを食べ終わったあとに、考えていた。

給食が終わり給食当番以外は解放され、外にサッカーをしに行く者、中で読書をする者。

たくさんすることがある中で、僕は、双太に声をかけた。

「おい、双太、さっきはどうしたんだ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

どうやら、疑問に答えるつもりはないらしい。

そのまま、数分がたち、昼の放送がベートーヴェンの運命に変わったとき、彼は呟いた。

「サイは振られたのさ。」

そういったとき、サイレンが学校中に鳴り響いた・・・・・・・・・・

続く

 

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