山と自然の漫歩計の日記(2002年3−4月)
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2002年1月・2月
2001年10月〜12月
2001年7月〜9月
北アルプス・唐松岳から五龍岳
北アルプス・燕岳から大天井岳
2001年5月・6月
2001年3月・4月
2001年1月・2月
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4月29日(日)
連休3日目、今日も遠出で湖北の
横山岳
に登って来ました。花の多いことで有名な山です。
自宅を5時半に出て一路車で北へ向かいます。京奈・京滋・名神・北陸と高速を乗り継ぎ、木之本インターを降りて、杉野集落を左に入り、白谷の登山口着は7時45分。広い駐車場とトイレ、登山届提出箱、立派な案内板があります。地元の杉野山の会の努力の賜です。
イチリンソウの咲く林道を遡ると次第に勾配がきつくなり、何度か沢の渡渉を強いられます。雪解けで水量が多く、石飛びはスリルがあります。以前大台ヶ原で滑って川の中に倒れたことがあるので沢の渡渉は苦手です。
あちこちロープの張られた急な谷を詰めていくと、経の滝が現れます。高さは17mですがごうごうと流れる水は迫力があります。沢筋には残雪もあり、かなり登ってきたようです。
左:登山口にある立派な案内板 右:五段にわたって流れ落ちる五銚子の滝
滝から急な沢筋を根気よく登っていくと、白い気品のあるヤマシャクヤクの花を幾つか見つけました。でも傾斜がきつく撮影できません。ニリンソウの可愛い花も沢山あります。さらに行くと厳しい岩場があり、ロープを辿って登れば目の前に巨大な残雪のトンネルが道を塞いでいます。いつ崩れるか分からない危険な状態で、とても進めません。普通ならここで退散でしょう。しかし地元杉野山の会の努力で、左岸に巻き道が付けられており、通過にはかなり苦心惨憺しますが、何とか通れました。この長い巻き道は27日(2日前です)に付けられたもので、それ以前に来ていれば敗退だったでしょう。通るのも困難なこの道、付けるのは大変だったはずで、地元の努力に頭が下がります。
滑りながら(ズボンは泥だらけ)坂を下って五銚子の滝に到着。ここまで来ると展望が開け、周囲の山の新緑が目にしみます。桜の花と展望を楽しみながら、しばし休憩とエネルギーの補給。
滝からは休むことのない急登の連続。体力のなさを痛感しつつ、休み休み登ります。ヒトリシズカの花が多く、イカリソウも良く見かけます。長い急坂で、周囲がブナ林になり、やがて美しいブナの新緑がだんだん薄くなって、葉が出たばかりの木が多くなる頃、ようやく傾斜が緩くなって、頂上の近さを感じさせます。その時・・・やっと見つけました。カタクリの群落です。ひっそりと咲くこの可憐な花に、今年も会えて満足です。
ところで、頂上近くの登りの途中、熊らしい動物を見かけました。相手は走って逃げましたが、真っ黒の体で、熊としか思えません。登山口に熊に関する注意書きがあり、熊よけの鈴は付けていましたが、ひやっとしました。
左:横山岳頂上 右:カタクリ
頂上は見晴らし抜群。東側を除いて完璧な展望です。今日は少し霞がかかっていましたが、視界のいい日ならどんなに素晴らしいことでしょうか。頂上でゆっくり昼食、まさに至福のひとときです。連休で混雑を覚悟していましたが、登山中も数人にしか出会わず、頂上では独占状態でした。人が少ないのは山が厳しく簡単には登れないせいなのかも。
展望を楽しんだあとは三高尾根を鳥越コルに向かって下ります。暖かい今年は花には遅く、あたり一面イワウチワやカタクリがあるのですが咲き終わったものが多いようで残念。でも場所によりイワウチワが沢山咲き、カタクリも見られます。昨年は4月29日は花が満開で、しかも頂上は雪が1m近く残っていたそうです。今年の暖かさは異常と言うべきです。
途中旅行社の団体に会いましたがそれ以外は静かな尾根道をひたすら下ります。数え切れないほど多くの箇所にロープが固定され、厳しい傾斜が続きます。一度勾配が緩くなりますが、再び転げ落ちんばかりの急下降となり、いい加減足がくたびれる頃、鳥越コルに着きます。尾根には他にイカリソウ、イチリンソウ、タムシバなどが多くありました。
左:イワウチワ 右:イチリンソウ
コルからこれもまた急なコエチ谷を下り、林道を経て1時間ほどで駐車場へ帰り着きました。
横山岳は聞いていたとおり厳しい山です。白谷道は険しい道で、雨のあとや水量の多いときは登れない時があるかも知れません。花はむしろ三高尾根に多いようですが、花の時期が毎年変わるのでタイミングは難しい。来る人を拒むかのような厳しさは、しかし自然が良く保たれていることにもつながります。この自然がずっと守られますように・・・。そして杉野山の会の皆さん、ありがとうございます。
今日出会った花・・・カタクリ、イチリンソウ、ニリンソウ、ヤマシャクヤク、イカリソウ、
ヒトリシズカ、タムシバ、ミツバツツジ、ヤマブキ、スミレ、山桜他
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4月27日(土)
待ちに待った(?)連休です。初日の今日は早速山に出かけました。今年秋に、奈良山友会の「公開山行」の行き先にしようかと思っているコースで、
比叡山に登り、仰木峠まで縦走して大原へ下るコース
です。
公開山行の候補ということで、きっちり調べて来ました。だから
レポートも別ファイル
でしっかり作りましたので、
こちら
を見て下さい。
修学院から、きらら坂〜四明ヶ岳〜大比叡三角点〜延暦寺根本中堂〜釈迦堂〜玉体杉〜横高山〜水井山〜仰木峠〜大原というコースです。標高差も距離もあって、歩きごたえがあります。でも花もたくさんあり、それなりに展望もあり、何よりも素晴らしい新緑を楽しんできました。
左:満開のシャクナゲ 右:水井山付近から見る蓬莱山方面
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4月14日(日)
今日は少し遠出して、鈴鹿の霊仙山に出かけました。新ハイキングクラブの例会です。骨のある山行は2月の綿向山以来のことで、ちょっと体力が心配なのですが・・・。
醒ヶ井養鱒場までバスで行き、林道を歩き出します。マイカーならもっと奥まで入れますが、タクシーは入らないようです。とぼとぼ林道を歩くこと45分、登山口に着き、小休止のあと山道に入ります。10分も歩けば廃村の榑ヶ畑。今日は登山者が多いので売店が出て飲み物などを売っています。売店から急なジグザグの坂を登り、一汗かく頃にその名も汗拭き峠に着きます。
ここから左へ尾根道を登ります。かなり急な勾配があり、厳しい坂です。今日はコースが長く、時間がないため休憩をあまり取らずに登るのでキツイ。結局登山口から五合目の展望台までノンストップで登り、息が切れました。久しぶりな上に少し風邪の咳が残っていて万全でないこともありますが、他の参加者もかなり苦しそうでした。
五合目からは傾斜は少し緩くなるものの相変わらず着実な登りが続きます。しかし、やがて見通しの良い高原状の尾根に出て、笹の中、360度の展望を満喫しながら歩くようになります。足下にはヒロハノアマナなどの花も見えます。牧歌的な、雄大な風景です。雲一つない快晴ながら、黄砂のせいで遠くは見えませんが、天に届くようなゆったりした高原を歩くのは快適です。
左:経塚山から伊吹山を望む 右:眼前に見える霊仙山
お虎ヶ池を過ぎ、最後に少し登ると経塚山。カルスト地形らしく石灰岩があちこちに顔を出しています。目の前には少し霞んだ伊吹山、わずかに雪が残っています。振り返れば眼前になだらかな霊仙山。鈴鹿の山々もよく見えます。黄砂の影響が無ければ日本アルプスまで見えることでしょう。
贅沢な展望のもとゆっくり昼食を済ませ、霊仙山に向け出発。標高1083mの頂上までは20分。ここももちろん展望は言うこと無し。まだ雪渓が残っています。次いで少し戻って最高点へ。途中背丈より高い笹藪の中、泳ぐように藪漕ぎで歩きます。上から見るとまるでモグラが土の中を這うように、笹だけが揺れています。
最高点の標高は1098m。ここからは西南尾根に入ります。石灰岩の石がごろごろし、歩きにくい。一瞬アルプスの稜線を歩いているのかと錯覚するような岩の多い道で、絶壁の上をトラバースしたり、藪漕ぎもあったりで終始気が抜けません。アップダウンは無く展望も最高なのですが神経の疲れる道です。ただ、下を見ればアマナのほかニリンソウ、ユキワリソウなどの花が多く、気分が和みます。やがてフクジュソウが増えてきます。しばらく行くと北斜面は地面が黄色く見えるほどの群落がいくつもあり、素晴らしい眺めです。
左:霊仙山頂上 右:フクジュソウ
近江展望台で休憩。かなり足がくたびれてきたのですが、ここからがまた大変です。
すぐに厳しい下りとなります。まるで転げ落ちるような、しかもほとんどホールドのない急な下りで、足に力が入り、膝が痛い。笹峠までの下りは(登るのはもっと大変でしょうが)体力を消耗します。峠から見上げると本当に壁のような斜面に見えます。
笹峠から、文字通り笹の多い坂を下りますがこの道程がまた長い。下っても下っても降り着きません。廃村の今畑を過ぎ、さらに下ってようやく林道に出ました。ところがこれで終わりではないのです。醒ヶ井に戻るためには、汗拭き峠まで登り返さないといけません。
落合の集落から沢筋に入り、40分くらい歩くと次第に傾斜がきつくなり、汗が吹き出ます。近江展望台からすでに1時間40分も歩き続けており、体力は限界に近い感じ。最後の急な登りでは付いていけずに道ばたに座り込む人もちらほら。水を飲み、気力をふりしぼって登ります。こんな苦しい思いは初めてです。長く感じられる坂を登りきって、ようやく汗拭き峠。
休憩の後、人心地ついて下山開始。例の売店で冷たい飲み物で喉を潤し(ありがたかった)、ひたすら下ります。ほどなく登山口に出て、さらに長い林道を養鱒場まで歩きます。出発は朝9時40分、帰り着いたのは17時50分で、8時間を超える歩きは厳しいものがありました。
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4月6日(土)
杉花粉の飛散も終わり、久しぶりに山に行こうと思い、滋賀県の繖(きぬがさ)山に行きました。隣にある安土城跡の花見を兼ねた里山山行です。
JR安土駅から北へ、舗装路を安土山に向かいます。遠目にも白い桜の集団がよく見えます。近寄るとまさに満開の桜、少し風が舞うと花吹雪であたり一面に雪が降ったようになります。木が大きく、屋根のような感じになっています。その昔、織田信長が栄華を誇った城ですが、今は兵(つわもの)どもが夢のあとというか、静かに桜が風になびいて、どことなく寂しい雰囲気さえ漂います。
左:安土城跡の桜 右:繖山の遠望
自動車道を少し行って右へ「近江風土記の丘」入口に入り、すぐ左の急な階段に取り付きます。JRのトンネルの上を越え、路傍の石仏を見ながら尾根を緩やかに登って行きます。ワラビの芽が沢山出ています。やがて見通しが良くなって来ますが、昨年5月にあった山火事の跡が痛々しく残っています。松の木は黒こげ、下草も少なく、歩くと焼けこげた枝が足に当たってズボンが黒く汚れます。
山火事が起こると、それまで陰樹(日が当たらなくても育つ木)の森だったものが陽樹(日当たりが必要な木)の森に変わります。一般に、森の中は薄暗く、陰樹の芽しか育たないので、永く陰樹の森が栄えます。ところが火事や雷・台風で木の消失や倒壊があり、日が当たるようになると、陰樹の芽は日が当たりすぎて育たなくなり、陽樹の芽が成長して陽樹の森が出来るのです。もちろん、陽樹の森は永くは続きません。陽樹の森が育ちすぎると、下が暗くなって陽樹の子孫が育たなくなるからです。だから、自然の輪廻という意味では、山火事はむしろ必要なものではあるのですが、目の前に焼けただれた森を見るとやはり悲しくなります。
琵琶湖がよく見える尾根で昼食を摂り、山桜の咲く急な坂をあえぎ登って、繖山頂上(433m)に到着。見通しはまずます。琵琶湖はもちろん、遠く伊吹山も見えます。火事のお陰で見通しが良くなった面もあります。
左:繖山頂上 右:観音正寺(本堂は再興建替中)
頂上からは南へ下り、観音正寺へ向かいます。荒れた竹藪を下って左へ林道を行くとすぐ寺です。立派なお寺で、焼失した本堂は再興中ですが、境内は広く杉の巨木もあり、大仏、さらに売店もあります。このあたりの名刹のようです。
左:樹間からの展望 右:桜とミツバツツジ
寺からは、長い長い歩きにくい石の階段を、ミツバツツジの綺麗な花を楽しみながら下ります。こちらから登るとかなり苦しそうです。やがて日吉神社(たまたまお祭りのようで大きな御輿が飾られていました)を通り抜け、楽市楽座の石碑に出れば山はもう終わり。あとは舗装路をぶらぶらと歩くのみ。繖山の姿が右から次第に後ろになり、市役所の前を通り、駅に戻ります。
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3月9日(土)
朝起きてみると雲一つない快晴。家にいるのはもったいないので、梅でも見に行こうと思い、ついでに(花粉症の症状が出ないようなら)少し歩きたいなと思って、北摂の中山寺(梅の名所)へ出かけました。
中山寺の前にまず清荒神へ行ってお参りし、山を見ると杉の木が見えない自然林の山。これならいけるだろうと、駐車場横から登り始めました。
ロープの岩場もある急な登りをこなすと、見通しの良い尾根に出ます。遠く大阪湾、目の前にはこんもりとした甲山、右には六甲連山が見えます。松やクヌギ・ナラなどの気持ちのいい自然林で、杉は1本もありません。展望良し、花粉症は出ず、快適な散歩です。ミツバツツジの木が非常に多く、花の時期(4月頃?)ならまるで花のトンネルのようになるかも知れません。
左:甲山方面の展望 右:山頂展望台付近
やすらぎの森を経て、尾根道の樹林を奥の院展望台(木が成長して展望は良くない)までだらだら登り、中山最高峰手前の山頂展望台で休憩。ここでは北側の展望が開けます。ゴルフ場が多く、すぐ近くまで住宅が迫って、ちょっと痛々しい感じもあります。ここで軽く食べて(清荒神の屋台で買った200円のお好み焼きとか)、時間がないので最高峰(ここから15分)は諦めて戻ることにしました。
帰りは中山寺奥の院に立ち寄り、清荒神まで戻りました。途中、今年初めてウグイスのさえずりを聴くことができました。
左:中山寺の梅林 右:満開の梅
そのあと車で中山寺の梅林を見に行きました。まさに満開、いい香りがあたりに充満しています。桜ほどの華やかさはないけれど、紅白咲きそろう梅も素晴らしく、香りは桜には無い良さです。
ひとつ驚いたことゥ・R寺には参道にエスカレータがありました。高齢者や、安産祈願のために妊婦が多くお参りされるためでしょうか。エスカレータのあるお寺は初めて見ました。
梅見だけの予定が一応山歩きもでき、いい休日となりました。幸い花粉症もほとんど出ませんでした。奈良の自宅より自然林の中ならかえって花粉は少ないのかも知れませんね。
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