上信越:雨飾山・八方尾根・ 栂池自然園 2002年8月2〜4日 |
雨飾山登山コース(8月3日):
小谷温泉登山口 --- 荒菅沢 --- 笹平 --- 雨飾山山頂 --- 笹平 --- 荒菅沢 --- 小谷温泉登山口
長野県といってももう新潟に近い、雨飾山に登ってきました。雨飾山は標高1963m、この地域にあっては決して高い山とは言えませんが、豪雪で有名な山域で、荒々しい山容からも分かるように、急登を強いられる厳しい山です。
なお前日には八方尾根にゴンドラで登って高原散歩を楽しみ、また翌日には栂池自然園の一周ハイキングで花を存分に楽しみました。
1.雨飾山
前夜宿泊していた白馬岩岳のペンションから、車で小谷温泉に向かいます。小谷温泉は武田信玄の隠し湯とも言われ、この地域では最も古い温泉で、400年もの歴史があるのだそうです。奥深い山の中にありながら温泉旅館が4軒もあります。下山してからが楽しみです。
登山届を出して登山口(建物の中を通り抜けます)から指導標に従い、少し下って行きます。やがて沢沿いの湿原の中を歩くようになり、快適な木道が続きます。オタカラコウなどの花も見えます。
湿原が終わると尾根に取り付き、厳しい登りが始まります。休むことのない急登で、息が切れます。展望もなく辛い登りですが、周囲は美しいブナの森で、心が和みます。やがて少し傾斜が緩くなり、休憩の後再び急登をこなすと、下りに転じます。折角登ったのに・・・と思いながら結構急な坂道を10分ほど下ります。長らく聞こえなかった沢の音が聞こえだし、次第に大きくなってきて、荒菅沢に到着。
荒菅沢からは荒々しい雨飾山の山容がよく見えます(頂上は見えない)。残雪もあり、冷たい水とさわやかな風、格好の休憩スポットです。我々もしばし休憩。

沢を渡り、再び急な登りが始まります。ロープが要るかと思うような箇所もあり、険しい登りです。背後を振り返れば焼山や妙高方面の山がよく見えて、次第に高度感も出てきました。眼下には豊富な雪を残した雪渓が見えます。
休憩を繰り返しながら、所々梯子のある長い厳しい坂を辛抱して登り続け、ようやく傾斜が緩くなると、いろんな花が現れます。赤・白・黄色・ピンクその他色とりどりのお花畑です。暑さも疲れも吹っ飛びます。ハクサンフウロの可愛い花、トリカブトの美しい青い花が特に印象的でした。赤いシモツケも沢山あると本当に美しいものです。
稜線に出て、先刻とは打って変わった快適な道を歩きます。山上の別天地と言ったところでしょうか。妙高方面の山は見えるものの、眼前に見えるはずの白馬三山はガスに隠れて見えません。でもこの綺麗なお花畑と快適な雲上散歩、何の不満があるはずもありません。
頂上手前の小ピークで昼食。お花畑の真ん中での食事ですからこたえられない。展望もそこそこ良く、山の素晴らしさを実感せずにはおられません。

最後に短い急登があり、雨飾山山頂に到着。左右2カ所のピークがありますが左が山頂で、三角点もあります。雄大な眺めです。満足そうな顔をした沢山の登山者が山頂でのひとときを楽しんでいます。薄雲はあるもの好天で、山の神に感謝です。
しばし休憩のあと、もときた道をバックします。
帰りは往路をピストンし、小谷温泉の登山口まで戻ります。出発は7時20分、帰着は15時30分で、休憩含みで8時間余り要したことになります。標準タイムより長めですが、山はゆっくり歩くに限ります。
下山後は楽しみの温泉。まず、雨飾荘「奥の湯」という「野天風呂」に挑戦。ブナの森の中にあるまさに野趣溢れる露天風呂です。脱衣用の小さな建物(と言っても壁1枚と屋根があるだけで丸見え!)があるのみで人は誰もおらず、料金は「志のみ」ということで箱が置いてあるだけです。湯も水も出っぱなしで、湯量の豊富さがよく分かります。熊が出てきても不思議でないような森の中で湯に浸かるのは、なかなか醍醐味があります。
次に徒歩3分の雨飾荘に行き、再び湯に浸かります。気持ちのいいお風呂で、汗を流してさっぱりし、今日の登山も終わりました。
2.八方尾根
雨飾山に登る前日(2日)、八方尾根のゴンドラに乗り、時間のない中でリフトの終点から八方ケルンまで行って帰ってきました。こちらもニッコウキスゲやギボウシ、シモツケ、ウツボグサなどが花盛りの状態で、とても綺麗でした。湿原には残雪もあり、チングルマもまだ咲いていました。
このコースは昨年、唐松岳から五龍岳まで歩いたときに来ていますが、時期が9月で花はありませんでした。今回は、一つ目のリフトのあたりから花いっぱいで、特に赤いシモツケが満開で目に鮮やか。少し時期が違うと印象が大きく異なります。珍しいマツムシソウも沢山咲いていました。

観光地になりきった山だけに、スカートやハイヒールといったスタイルの人もいますが、マナーは悪くはないようです。苦労しないで花を見ることの出来るこういう場所も、高齢者や体の不自由な方もおられるので、必要だと思います。
3.栂池自然園
雨飾山に登り、翌日は帰宅する日ですが、その前に栂池自然園周遊コース(一周約3時間)を歩いてみました。
ゴンドラとロープウェイを乗り継いだ終点は既に標高1820m。ここから少し歩き、ビジターセンターまで行って自然園に入園します。入園料300円が必要。ゴンドラ等と合わせてセットの切符があり、往復3300円ですが、白馬駅前の観光案内所で買うと2900円で買えます。
自然園は正面に白馬乗鞍岳を望む美しい高原です。最も標高の高いところで2015m、入口との標高差は200m。たいした登りもないので気軽に花を楽しむことが出来ます。
入口から木道を進み、シモツケやオタカラコウの咲く湿原を回ります。紫のヒオウギアヤメがとても目立ちます。また、マルバダケブキ、アザミ、キンコウカ、ワレモコウ、モウセンゴケ、ワタスゲ、ニッコウキスゲ、クルマユリ、ハクサンシャジン、ハクサンフウロ、オミナエシ、トリカブトなどもあります。大きなキヌガサソウも小さなマイヅルソウもあります。こんなに簡単に来れるところでこんなに沢山の花を楽しめて、ありがたいようなもったいないような気分です。途中風穴という冷気が年中吹き出ている穴があり、ここには雪も残っていました。

ニッコウキスゲの多い浮島湿原の左を回り込み、沢を越えてからは少し登りになり、やがて急な階段状の登りとなって、展望台に着きます。ここからは眼前に白馬岳と白馬大雪渓が見えるはずなのです(素晴らしい眺めなのだそうです)が、ガスで残念ながら見えません。ここだけは心残りでした。
下って展望湿原に出ます。雪渓を残す小蓮華岳、右には白馬乗鞍岳が見えます。絶好の休憩場所です。

ぐるっと回って再びもとの沢越え地点に戻り、次第に増えてくるハイカーで渋滞気味の木道を歩いて、ビジターセンターへ。朝8時過ぎに入園し、出たのは1時でした。ゆっくり花を見る気なら何時間かけても惜しくない所です。
栂池の麓へ降りて温泉で汗を流し、帰途につきました(温泉も先ほどのセットチケットで割引)。この3日間、仕事のことは完全に忘れ、花と緑と展望とおいしい空気を満喫し、心の洗濯が出来ました。また季節を変えてぜひ訪れてみたいと思います。
なお、2泊した白馬岩岳のペンション「アルムハウス」は、料理がとてもおいしく、雰囲気も良くて気に入りました。車があれば登山の基地としても便利ですし、もちろんタクシーを使うことも出来ます。白馬岳、唐松・五龍を始め、近くには人気の山がいっぱいあります。言うまでもなく冬はスキーのメッカです。温泉も沢山あっていいところです。
さあ、また明日から仕事に頑張ろう!