大峰・稲村ヶ岳 2002年8月17日 |
コース: 右の写真は大日山の特異な景観
洞川登山口 --- 法力峠 --- 山上辻(稲村小屋) --- 大日山 --- 稲村ヶ岳 --- 山上辻 --- 蓮華辻 --- 清浄大橋 --- 洞川登山口
真夏の土曜日、大峰の稲村ヶ岳に登りました。お盆でしたが登山者は多いとはいえさほどでもなく、好天のもと360度の展望を楽しみ、さわやかな休日を過ごしました。
洞川温泉の奥、母公堂近くの空地に車を止め、9時に登山開始。すでに標高850mほどあるこのあたり、気持ちのいい朝です。
緩やかな坂を登り、ほどなく五代松鍾乳洞。現在は閉鎖されていますが奥行き1km以上あるのだそうです。樹林の中で展望はなく、風もあまりないのでこれで坂がきつければ苦しい所ですが、緩い勾配であまり汗もかきません。この登山道はこれからもずっとこの調子で、キツイ登りはほとんどなく、非常に登りやすく道が付けられています。ただ、法力峠あたりまでは樹間越しにわずかに周囲の山や谷が見えるだけで展望が無いのが残念です。
森は杉の植林ですが登るにつれてところどころ自然林が現れるようになり、法力峠を過ぎると大きなブナの木が見られるようになります。展望も時折開け、好天の今日は素晴らしい景色が楽しめそうです。
桜井市の中学校の40周年記念登山の碑を見て、美しいブナの木を眺めながらだらだら坂をのんびり登って行きます。崩れた箇所には桟道や階段が整備され、安心して登れます。やがて人声が聞こえ、山上辻の稲村小屋に到着。今日は人出を見越して小屋も営業しており、小屋の前には白装束を着た女性修行者の団体が休憩していました。小屋の横には太陽光発電を使った綺麗なトイレもあります。ここでしばし休憩し、小屋で1本300円のサイダーを買って喉を潤しました。

小屋を出て大日山に向かいます。大日山は特異な釣鐘型の尖峰で、どうやって登るのかと思うくらい険しい感じです。キレットに着き、右へ大日山を目指しますが、鎖と梯子の連続、横は絶壁でちょっとスリルがあります。でもキレットから10分もかからず狭い山頂に到着。祠があり、お盆だからでしょうか、ハスの花(プラスチック製ですが)が飾ってありました。祠の裏からは素晴らしい展望が楽しめます。
キレットに戻ります。この付近、オオヤマレンゲが見られますが、鹿の食害か人間の自然破壊によるものか、ほとんど絶滅に近いと言われているとおり、寂しげな状態です。仮に鹿によるのものだとしても、そもそも鹿が増えすぎたということ自体が、オオカミやクマを人間が追い散らし、彼らが住める山が少なくなった代わりに、鹿の天敵が居なくなったという事情にその一因があるのではないでしょうか。
キレット近くでトリカブトとアキノキリンソウの群生を見かけました。せめてこれ以上自然破壊が進まないことを祈りたいものです。

南へ急坂を登ればほどなく稲村ヶ岳山頂(1726m)。展望台に登るとまさしく360度の大展望が開け、思わず歓声が上がります。目の前には山上ヶ岳、大普賢岳から行者還岳、その向こうには大台方面の山、目を転じれば弥山と八経ヶ岳。さらに遠く金剛葛城の山もはっきりと見えます。実に素晴らしい景観です。
何枚も何枚も写真を撮り、去りがたい山頂を辞して昼食。さわやかな風に吹かれ、ブナの森の中でのひととき。こたえられない幸福感です。
山上辻まで戻ったあと、往路とはコースを変えて蓮華辻までミニ縦走。ここには女人結界門があります。宗教的な問題とはいえ、その宗教を奉じる女性信者が山上ヶ岳に登れないというのはやはり不可解な差別でしょう。
ここから清浄大橋に向かって下ります。地図には点線(難路)となっていましたが、難路とまではいかないとしても、沢筋の急な下りで、道は不明瞭となっており、注意が必要です。崩れやすく浮き石も多く、斜面のトラバースでは滑りやすい所もあり、かつ石だらけで踏み跡が分からないので、視界が利かないようなガスの中だと危険かも知れません。テープを確認しながら、慎重に下ります。
幾度も沢を乗り越え、休憩しては沢水で喉を潤し、ひたすら下ります。崩壊した小屋を過ぎ、少し傾斜が緩くなって来ると終点は近い。最後に左岸に移って沢から少し離れ、不意に急な階段を下って突然舗装路に降り立ちます。あとはぶらぶらと舗装路を歩き、清浄大橋の駐車場を過ぎて、母公堂前に戻ります。
帰着は16時40分。少しゆっくりし過ぎて、家に早く帰る必要があったため(残念でしたが)温泉は諦め、着替えだけして帰途についたのでした。
下界では35度の暑さ、でも山では実にさわやかな一日を過ごせました。