漫歩計の山行記録: 奥多摩・三頭山〜奥多摩湖 2004年4月29日 |
コース:
JR武蔵五日市駅(バス)都民の森 --- 鞘口峠 --- 見晴し小屋 --- 三頭山 --- ヌカザス山 --- イヨ山 --- 奥多摩湖 --- 浮橋 --- 小河内神社(バス)JR奥多摩駅
奥多摩の三頭山(みとうさん)は、奥多摩三山(三頭山、御前山、大岳山)の中で標高が最も高く(1,531m)、人気の山です。頂上の南側一帯が「都民の森」として整備され、五日市駅からのバスの便も出来て、行きやすい山になったようですね。私の大好きなブナの森もあり、快晴に恵まれたみどりの日には打ってつけの山です。
五日市駅前のバス停は登山客と都民の森へ行く行楽客も混じって長蛇の列。臨時バスが増発されましたが、あいにく私は座れず、1時間弱立たされる羽目になりました。
都民の森には立派な森林館、木材工芸センターがあり、野鳥観察小屋や研修室、レストランもあります。広い駐車場の前には土産物店やテントの出店もあって、山深い位置にあるのに観光地の雰囲気です。広大な森には、遊歩道やスポーツ歩道が縦横に整備されていて、家族連れのピクニックにはいい場所です。
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花いっぱいの森林館と木材工芸センターをちらっと見てから、歩きやすい山道を登ること15分、あっけなく鞘口峠(さいぐちとうげ)に着きます。都民の森バス停の標高がほぼ1,000mあるので、登りは楽です。
峠からは少し急な道となりますが、「ブナの路」と名づけられたこの道は、なかなか快適な道です。時々分岐がありますが道標は完璧。常に「ブナの路」を行けばいいのです。傾斜が少しきつくなって間もなく、「見晴し小屋」に着き、東京方面にの展望を楽しみながら小休止。背後には木々の間に三頭山が見えています。
あとから来る登山者に席を譲り、再び「ブナの路」を行きます。尾根道でコブもありますが巻き道を通ることも多く、さほど苦しさは感じません。目に鮮やかなブナの新緑を楽しみながら登っていくと、やがて右に階段道が現れ、これを登ると、三頭山「東峰」の頂上です。三角点がありますが、最高点は三角点の少し奥です。立派な展望台が設けられているのですが、木が成長したためかあまり展望は良くありません。しかし、樹間から富士山が真っ白な姿を見せているのが分かります。
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東峰からは一度下って御堂峠へ降り、再び小さく登り返すと、一般に三頭山頂上と言われる中央峰(西峰だという説もあるそうです)。目の前の富士山の眺めが素晴らしく、登って来た人は例外なく「綺麗だなあ」と歓声をあげます。富士山の横には三つ峠山や御正体山などの山並みが広がっています。頂上は広く、展望は文句なし、休憩には最高の場所です。私もここでちょっと早い昼食。まさに雲ひとつない青空に、真っ白な富士がよく映えて本当に美しい。その眺めをずっと満喫しながらいただく弁当は、どんな素晴らしいディナーよりもおいしいのです。仕事上外国人と夕食を共にすることが良くありますが、英語の不得意な私は、食事を楽しむ余裕などありません。それに比べれば天国!
最近仕事上でもプライベートでも暗い出来事が続き、何をしていても楽しくない状況でしたが、この雄大な眺めを見ていると、少し明るさが見えてきたように思えます。つまらぬことにこだわらず、おおらかに生きなければ・・・。もやもやがちょっと解けそうです。ストレス発散はやはり山に限りますね。
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ゆっくりと食事をしたあと、御堂峠から北へ、奥多摩湖目指して下ります。ブナ林が実に綺麗です。巨樹も多く、思わず見とれてしまうような美しさは、一種神聖な雰囲気さえあります。抜群の保水力と、大量に出来てかつおいしい実で多くの生き物を育むブナ。秋の黄葉ももちろん素晴らしいものですが、新緑のこの鮮やかな緑は目に眩しく、思いきり深呼吸したくなります。この美しい森が生態系を維持できる源泉であり、同時に大都会東京の水源でもあるのです。森が失われれば人も困りますが、それよりも多くの生物が生きていけなくなり、また、山が痛んで川も海も汚れ、地球温暖化も進みます。この森を守る事が我々現代人の責務だと思います。
下りは次第に急となり、「オツネの泣坂」と呼ばれる急坂になります。ロープと木につかまりながら下り、ヌカザス山に到着。珍しい名前です。展望はありません。
ヌカザス山以降も急坂が続き、膝が痛くなります。頂上から奥多摩湖までの標高差は1,000mあるので、手ごわいのです。幾度も急坂を転げ落ちるように下り、コブを何個も越えて、イヨ山(これも変わった名前)の三角点を過ぎると、ようやく少し傾斜が緩くなります。森が黄緑の新緑から色が次第に濃くなり、やがて杉の植林に入って、長い坂道をどんどん下り、車やバイクの騒音が大きくなって、奥多摩周遊道路に出ます。
車道を10数分東へ歩き、左の遊歩道へ降りて、湖水上に浮かぶ「浮橋」を渡ります。ドラム缶状の浮きを連ねて、それに木橋を取り付けたもので、体重でゆらゆらしてスリルがあります。なかなか面白いものですね。
長い下りで足が痛くなりましたが、午後になっても雲一つ無いという絶好の天気のもと、久しぶりの山らしい山で、存分にリフレッシュできました。山と自然に感謝です。