漫歩計の山行記録: 山梨・西沢渓谷
2004年10月23日
紅葉の西沢渓谷
紅葉の西沢渓谷

コース:
 西沢渓谷入口 --- ナレイ沢橋 --- 西沢山荘 --- 三重の滝 --- 貞泉の滝 --- 七つ釜五段の滝 --- 森林軌道跡 --- 大展望台 --- 子酉橋 --- 西沢渓谷入口

 今回の山は、関東屈指の紅葉の名所と言われる西沢渓谷のハイキングです。標高2,475mの甲武信岳の懐にあるこの渓谷は、笛吹川が花崗岩の岩肌を削った美しい渓谷で、多くの豪快な滝を見ることが出来ます。標高は1,000〜1,400mあって、そろそろ紅葉が盛りのはず。台風一過の快晴の土曜日、久しぶりに気持ちのいい秋晴れです。

 中央線の特急あずさ(超満員でした)で塩山駅に着いたのは9時少し前。バスまでには30分ほどあるのでバス停で待っていると、タクシーの運転手が大きな声で「西沢渓谷まで乗りませんか? 4人なら1人1,500円だよ」と叫んでいます。バス代は1,020円だからちょっと高いけど、30分待つよりはいいか・・・と思って手を上げ、見知らぬ方3名と共に車に乗りました。結果は正解。バスなら1時間以上かかるところがわずか30分で着き、1時間の時間セーブが出来たのでした。
 なお、同行の方のうち1人はテントで甲武信岳に行くとのこと。車内からは甲武信岳が綺麗に見えました。私も機会を見て行ってみたいものですが、今回は翌々日から10日間の海外出張を控えており、自重が必要なのです。

 渓谷入口にはすでにたくさんの車が止まっています。有名な紅葉の名所とあって観光バスも来るのです。しかし、歩いてみて分かりましたが、この渓谷のハイキングコースは決して軽いコースではありません。標高差は400mくらいですから体力的には軽いのですが、足元が悪い箇所が多く、足ごしらえはきっちりした方が賢明です。

 舗装路をしばらく歩き、左に子酉(ねとり)橋を分け、西沢山荘で甲武信岳への登山道を見送り、東沢にかかる吊橋を渡ります。ここからは鶏冠山方面が良く見えます。数日前の台風による大雨のせいか、水量が非常に多く、川はごうごうと音をたてて流れています。

鶏冠尾根を望む山肌の紅葉
鶏冠尾根を望む
山肌の紅葉

 今年は全国的に紅葉が遅いようで、ここ西沢渓谷もまだ少し早かったようです。タクシーの運転手の話では1週間くらいくらい遅れているとのこと。でもあちこちに色づいた木々があり、緑と黄色と赤の織り成す色模様は充分美しいのです。山道を登っていると、太陽の光に映える赤や黄の色が一段と映えて見えます。
 最初の滝は三重の滝。滝見台があり、みんなそこで写真を撮ります。水量が多いので実に豪快に見えます。ただし道も水浸し状態で、あちこちの斜面から水が流れ落ち、鎖に頼らないと危険を感じるところも少なからずあります。ただし乾燥していればそうでもないかも知れません。

 この付近からは次々に滝が現れ、飽きることがありません。水はあくまで清く、しかも物凄い勢いで落ちてきます。川面を見ていると自分が吸い込まれそうです。水の力の凄さを感じます。
 三重の滝から、人面洞、竜神の滝、貞泉の滝と過ぎ、次第に谷が深く、紅葉は濃くなります。ミズナラ、カエデ、ブナなどの森がほんのり紅葉し、ところどころ鮮やかな色に変わっています。さわやかな生命の息吹と自然の豊かさを感じさせる実に美しい谷です。

七つ釜五重の滝巾着田から見る日和田山
七つ釜五段の滝
滝に紅葉が映える

 次第に厳しくなる道をところどころ鎖を頼りに慎重に登り、方丈橋(1人ずつ渡るよう注意書きがある)を渡り、渓谷随一、まさに圧巻の七つ釜五段の滝に出ます。その名の通り、5段にわたって轟々と音を立てて流れ落ちる大きな滝です。規模といい、水量の多さといい、豪快さといい、素晴らしい名瀑ですね。

 この滝を過ぎ、最後に不動滝を見て、やがて道は沢筋を離れ、斜面を登っていきます。しばらく急登をこなすと林道状の道に出ます。これがかつての森林鉄道の跡で、今もあちこちにレールが残っています。
 なお、出合いから右に行けば展望の良い休憩所があります。このあたりがこのコースの最高点で、標高約1,400mです。

 この森林鉄道は、昭和8年に木材搬出のために敷設された全長36kmの「三塩軌道」で、下りはトロッコでブレーキのみで下り、登りは馬を使ったのだそうです(後に途中までは機関車利用となった)。戦後も長く活躍し、昭和43年に至るまで実際に使われていたとか。今もレールが残るこの軌道跡は,何となく郷愁をそそります。
 なお、途中の「中土場」より下、塩山駅までの部分はレールも撤去されていますが、今も専用のトンネルが塩山の町に残っています。

今もレールが残る森林軌道跡展望も素晴らしい
今もレールが残る森林鉄道跡
展望も素晴らしい

 ゆるやかに下る森林鉄道跡の道は歩きやすく、美しい木々を眺めながらどんどん下ります。先ほどの五段の滝が上から望めるうえ、展望の良い場所がたくさんあって、楽しい道です。
 大久保沢を大きく回りこみ、左に広がる展望を楽しみながら、大展望台を過ぎ、最後に急な下りを一気に降りて、子酉橋を渡り、西沢渓谷周遊ハイキングは終わりです。約10km、ほどよいハイキングです。

 帰りのバスは1時間以上待ち時間があったので、近くの道の駅まで行って少し時間をつぶし、バス停へ戻ってくるとまたタクシーの運転手が寄ってきます。朝と同様に、「4人集まれば乗りますか?」。ここにも常時タクシーが待っていて、客を勧誘し続けているのですね。別の方が「1,000円にしろ」と値切り、結局帰りは1,300円でタクシーの客となりました。

 次回は甲武信岳とセットで来ようかな・・・。


漫歩計の山行記録リストへ

漫歩計のホームページへ