漫歩計の山行記録: 矢倉岳〜足柄峠 2005年2月6日 |
公私ともども忙しさに追われて、ここのところ関東の山は全くのご無沙汰。このままだと冬が終わってしまいそうです。花粉の季節が来て山に行けなくなる前に、冬枯れの山を歩きたくなって、神奈川県南西部、箱根に近い矢倉岳から、金太郎のふるさとで有名な足柄峠まで歩いてみることにしました。
新松田駅から30分ほどバスに揺られ、矢倉沢で下車。新松田駅前のバス停は混んでいましたが、この方面に来る人は少なく、降りたのは私を含めて4名でした。
バス停から右へ切通しの舗装路を行き、公民館の前を過ぎ、川を渡って左折。角っこの家の壁に大きく「←矢倉岳ハイキングコース」とペンキで書かれています。いちいち聞かれるのが面倒になったのでしょうか。
舗装された曲がりくねった農道を登って行きます。要所に道標があり迷う心配はなさそうですが、かなりの傾斜があって、疲れる道です。やがて道標に従って右折し、さらに細く、傾斜のきつくなった道を登ります。
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右に展望が広がる頃、ようやく舗装が途切れ、山道に変わります。左手に古い水道タンクがあります。農業用水のタンクなのでしょうか?
なおも道は傾斜を緩めず、杉林の中をジグザグに登って行きます。展望がないうえ休むことのない急坂で、息が切れます。ゆっくりゆっくり、呼吸を整えながら登ります。
やがて、右方に丹沢の山々が望めるようになります。冬晴れの今日は、雪をかぶった丹沢山塊が良く見えます。
しばらくして傾斜が緩むようになると杉林から雑木林に変わり、稜線に出て、木々の間から展望を楽しめるようになります。葉が落ちた冬枯れの森もまた、なかなかいいものです。登るにつれてぽつぽつと雪が現れ、しだいに登山道も白くなって来ます。
再び急な坂を登るようになりますが、それも長くはなく、最後に広々とした矢倉岳の頂上(標高870m)に飛び出します。山頂はカヤトの草原で、360度の展望を満喫することが出来ます。目の前には白銀の富士山。広くなだらかな裾野の向こうには相模湾らしき水面も。左に目を転じれば特徴のある金時山など、箱根の山々。しばし無言で見入ってしまう、素晴らしい眺めなのです。
昼食はいつもよりゆっくり、景色を堪能しながら時間をかけていただきました。
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パノラマを十分に楽しんだあと、足柄峠に向けて下り始めます。終始富士山を見ながらの下りですが、日陰になる部分もあって、凍結している箇所が少なからずあり、気が抜けません。アイゼンが欲しい場所も何箇所かありましたが、ゆっくり慎重に下って何とか着けずにやり過ごしました。安全の意味からは、面倒でも下りはアイゼンを装着すべきだったかも知れません。
山伏平で洒水の滝への道を分け、樹林の中を下ります。すぐに地蔵堂への分岐がありますが、これを見送って足柄峠を目指します。ここからは長い長い巻き道が続きます。最初は少し下って、あとは緩い登り。ただ傾斜は少なく、体力的には楽な道です。展望もなくて単調といえば単調ですが、森の中を歩きつづけるのは私にとっては楽しいことです。ところどころ、矢倉岳の姿を眺められるビューポイントもあります。
少し歩き疲れて座りたくなったころ、周囲が開けて、万葉広場に到着です。万葉集に出てくる樹木の説明と、歌の解説板がたくさん設けられています。矢倉岳の展望も良く、ベンチもあるのでここで小休止。心地よいひとときです。
さらに広場を抜けて進めば、ほどなく車道に出ます。ここまでは車でも来れるしバスも上がってくるようです。
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車道をしばらく歩き、トイレの前を過ぎ(ここのトイレは汚いので、用を足す場合は足柄峠まで行ったほうが良い)、左にある足柄古道の分岐を見送ってさらに歩くと、茶屋のある足柄峠に着きます。その昔、主要な街道として多くの人が行き交ったであろう、古い峠です。「足柄の関」と書かれた関所はもちろん昔のものではなく、黒沢明監督の映画「乱」で使ったセットをここに移築したものだそうですが、なかなかいい雰囲気です。茶屋の隣には神社もあります。
峠を越えて少し歩くと「歓迎・金太郎のふるさと」という大きな看板があったりします。ここは観光地ですね。
峠からは少し戻って、「足柄古道」の標識に従い、車道を離れて石畳の混じる山道を下ります。何度も何度も車道を横切りながらどんどん下り、最後は田畑の広がる谷に出て、地蔵堂に到着です。
今日は2月とは思えない暖かな陽気の一日で、展望も良く、気持ちのよい山歩きが出来ました。