漫歩計の山行記録:比良山・八雲ヶ原 2006年8月6日 |
先週東京で高尾山に登ったのに引き続き、8月中旬に予定している白馬岳山行への足慣らしの目的もあって、今週は関西に戻って比良山に行くことにしました。2年前にロープウェイとリフトが廃止されてからは、きっと静かな山になっていることでしょう。コースは正面谷から八雲ヶ原湿原まで行き、帰りは金糞峠から青ガレを下る周回コース。武奈ヶ岳まで行くには西側の坊村から登る方が近く、今回は割愛しました。八雲ヶ原がどんな状況になっているのか見てみたいという思いもありました。
車で湖西道路から比良を目指します。お盆間近の週末とあって道路が渋滞し、登山口に着いたのは10時を過ぎていました。リフト駅まで車で行って見ましたがまさに「兵どもが夢の跡」という感じで、トイレも閉鎖されて使えません。また登山口の出合山荘も閉鎖され、生き残っているのは2台の自販機のみ。バスも廃止されてバス停もありません。ちょっぴり寂しい感じがします。
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身支度を整え、管理事務所を右に見ながら正面谷の林道を登り始めます。しばらく行くと左に小さなトイレがありますが、ここは使用可能でした。
林道をたどること約25分、分岐(大山口)に着きます。左に行けば青ガレから金糞峠に至るメイン登山路ですが、今日は右のダケ道から登るコースを採ります。
丸木橋を渡り、林の中をぐんぐん登っていきます。最高気温が35度になろうかと猛暑の日ですから汗が吹き出る感じ。日陰とは言え暑さがこたえます。休み休み登り続け、1時間ほどでカモシカ台と称する尾根上の小さな広場に到着。展望はありません。登山者には時折会う程度で、かつての賑やかさはないようです。
再び登り始め、次第に高度を上げていきます。時折ブナの巨木にも出会える美しい森です。相変わらず暑いものの少しずつ風がさわやかになり、展望も開けてきます。辛抱して登れば、分岐から約2時間弱で眼前にロープウェイ駅の見える尾根に出て、そこからは5分も歩けば山頂駅の前、北比良峠(標高約1,000m)に着きます。
廃止後2年を経て、ロープウェイの鉄線は錆びつき、駅舎には搬器がつるされたままになっています。施設はすべて閉鎖され、静かです。登山者もまばらで火が消えたような感じ。かつての賑わいを知る身としては一抹の寂しさを感じますが、自然を守るという意味ではこの方が良かったかも知れません。50年、100年たてばゆっくりと元の自然に帰ってゆくことになるのでしょうか。
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ここ、山上駅横広場からのから琵琶湖方面の展望は素晴らしいものがあります。また、比良の最高峰・武奈ヶ岳も見えます。しかし日陰がなく暑いので、ゆっくりはできません。唯一生き残っていた水道の水で顔を洗い、写真を撮ったのみで駅跡を離れ、八雲ヶ原へ向かいました。
八雲ヶ原の湿原は、幸いにも昔のままでした。むしろ木道は一部新しいものに取り替えられ、喧騒がなくなって自然が喜んでいるような気がします。清らかな沢の水がなお一層透明度を増したような、そんな気さえしました。
湿原と池を通り過ぎるとスキー場跡です。スキー場のリフトは柱も含めて完全に撤去され、治山のためか新しく遊水池が造られ、土留め工事が行われています。また、左にあった八雲ロッジは取り壊されて瓦礫の山が残っていました。トイレなど周辺の建物もすべて撤去されたようです。
様変わりした広大な広場で、1箇所だけ残っていた石のベンチとテーブルで昼食を取りました。秋に来たときに真っ赤な紅葉を見せてくれたカエデの木は幸いにも残っていました。交通手段がなくなって比良はきっと静かになり、これからはゆっくりと自然に戻っていくことでしょう。そして、武奈ヶ岳登山ももはやかつてのような簡単なコースではなくなりましたが、その分静かな山となるはず。次回は坊村から登ることにしましょう。
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帰りは八雲ヶ原湿原の右から、奥の深谷を下ります。少し道が荒れていますが迷うようなことはありません。約30分で分岐に着き、左へわずかに登れば金糞峠。ここからも琵琶湖が見えます。
峠からは歩きにくい岩だらけの道を下ります。普通この道は登りに使うことが多いのですが、今日は足腰の鍛錬の意味もあります。慎重に注意しながら下り続け、やがて青ガレ上部に達します。青ガレを下るのは今回が初めてですが、登りの時よりもなぜか短く感じられました。あっという間に沢に下りついて、ほっと一息です。
ここからは沢沿いの道をひたすら下るのみ。水量が多く、どの堰堤からも水が大きな音をたてて流れ落ちています。比良の山は琵琶湖の水源であり、京阪神の水がめでもあります。力強い水音を聞いていると、やはりロープウェイやリフトがなくなって良かっのだ、と思いました。
大山口を経て登山口に着き、車で近くの温泉「比良とぴあ」まで行って汗を流して帰りました。夏のいい休日となりました。