漫歩計の山行記録:リトル比良
2007年5月12日

コース:
 JR北小松駅 --- 楊梅の滝 --- 涼峠 --- オトシ --- 寒風峠 --- 滝山 --- 鵜川越 --- 岩阿沙利山 --- 鳥越峰 --- 岳山 --- 岳観音堂跡 --- 白坂 --- 音羽バス停 --- JR近江高島駅

 「リトル比良」とは、比良連山の北端にある岩阿沙利山から岳山のかけての尾根を指します。標高は武奈ヶ岳などに比べると見劣りしましが、自然林に恵まれ、変化に飛んだ尾根の縦走を楽しめる人気のコースです。

 JR湖西線の北小松駅で下車し、ガードをくぐって、のどかな里の中の舗装路を登ります。しばらくすると右に「比良げんき村」が現れます。キャンプ場や多目的広場、星の博物館などがあります。その中をちょっと通って再び舗装路に戻れば、すぐに楊梅の滝の入り口があります。
 湖西線の車中からも見えるこの楊梅の滝は、雄滝・雌滝など5つの滝に別れ、合計落差が76mもあるという立派な滝。雌滝までなら簡単に滝つぼまで行くことが出来ます。雄滝は雌滝から左側の尾根に取り付き、「滝見台」という小広場まで登れば見えます。私は行きませんでしたが、雌滝からさらに沢に沿って登れば雄滝まで行けるそうです。ただしかなりの悪路のようです。
 雄滝の横にはほぼ垂直の岩壁があり、ロッククライミングをしている団体がいました。

楊梅の滝ベニドウダン
楊梅の滝
ベニドウダン

 滝見台から、気持ちのいい自然林の中をたどって尾根を登ります。途中2箇所に平坦な広場があり、「地唄保存会」と書かれた歌の看板が立っています。
 登りきったところが涼峠。ここから左の分岐をとればヤケ山、ヤケオ山を経て釈迦岳方面へ行くことが出来ます。

 右の小道を入り、一度緩く下ってから、再びわずかな登りとなりますが、ほとんど勾配のない沢道で、ここが「オトシ」と呼ばれる湿原です。幾度も沢を渡っては渡り返し、心地よい水音を聞きながら、さわやかな新緑の中を歩くのは気持ちがいいもの。ただし、大雨の降ったあとだと渡渉に難渋するかも知れません。
 やがて寒風峠に到着。ここを右に折れて、リトル比良の縦走に入ります。

 峠からはなかなかの急登で、息が切れます。展望はありませんが、しかしこのあたりの新緑の素晴らしさは特筆ものです。木々が芽吹いてちょうど葉が開いたタイミングで、ベストな時期だったのかも知れませんが、目に鮮やかな緑は、日にあたるとまさに眩しいような新緑で、どんなに美しく飾った絵模様よりも心に染みる感じがします。時おり、ベニドウダンが可愛い小花をつけていました。

 ようやく登り着いたピークは滝山といい、標高は703m。今日のコース中では最高点になります。ここでお昼にしました。
 滝山から再び素晴らしい新緑の中をたどり、一度大きく下って鵜川越という切通しに出ます。舗装された林道を横切って再び縦走路に入り、最後に厳しい急登をこなして岩阿沙利山(689m)。残念ながらここも展望はあまり良くありません。

眩しいばかりの新緑岩阿沙利山
眩しいばかりの新緑
岩阿沙利山

 岩阿沙利山からは登りと同様の厳しい坂を下り、岳山に向かいます。かなり長い縦走路で、小さなピークを幾つも幾つも乗り越えていきます。再び登った鳥越峰(702m)付近では、大きな岩が次々に現れ、まるでアルプスの縦走路を歩いているような気分にさせてくれます。なかなか面白いコースですが、アップダウンが続き、距離もあるので決して楽なコースではありません。

 やがて、オーム岩に到着。このコース随一のビューポイントで、武奈ヶ岳をはじめとする比良の山々、蛇谷ヶ峰、高島付近の美しい田畑、大きく広がる琵琶湖、その向こうには伊吹山・・・などなど、実に雄大な展望を楽しむことが出来ます。

 存分に展望を楽しんだあとは、ツツジの多い森の中をどんどん下ります。数日前に強風が吹き荒れたため、枝ごと飛ばされたツツジが大きな木に引っかかっています。登山道にも枝や落ちた葉が散乱し、中には太い木がぽっきりと折れているケースも。台風並みの嵐だったのかも知れません。
 またもや登りとなって、何回かニセピークにだまされながら、ようやく岳山(565m)に到着。頂上の横に石室があり、石像が祭られています。

オーム岩からの展望岳山山頂の石室
オーム岩からの展望
岳山山頂の石室

 ここからはまたまた長い縦走路を下ります。崩壊の激しい道で、アルペン的な風情もありますが、このあたりまで来るとかなり疲れがたまってきます。
 やがて岳観音堂跡を通過。ここからは昔の参道の雰囲気が良く残り、苔むした石段が続きます。大昔に、このような高いところにまで石段を造るのは大変だったでしょうね。
 突然、右手に真っ白な斜面が現れます。崩壊が続いて草木一本も生えない真っ白な砂礫の斜面で、一種異様な眺め。この付近は「白坂」と呼ばれているようで、いつごろからこういう真っ白な状態なのか知りませんが、全く草一本さえ生えないというのは珍しいと言うか、ちょっと気味悪い感じさえします。

 さらに下ると巨大な石灯篭があり、驚かされます。昔の人はこの苦しい参道を登ってお参りしたのですね。灯篭のまわりは広場になっており、琵琶湖の眺めが素晴らしいのでしばし休憩。
 ここまで来ればもうゴールは近く、松茸山らしくテープの張られた山道をどんどん下り、「賽の河原」という表示のある河原を過ぎて、歴史のある道であることを実感しながら歩けば、やがて道は林道となり、お寺と神社のある広場に出ます。ここにはトイレもあります。神社から右へ歩けばすぐに音羽のバス停ですが、バス便は少なく、そのまま近江高島駅まで歩きました。

 約13km、7時間の縦走はかなり疲れましたが、心を洗う自然林の新緑の美しさに感激し、滝、岩、展望と変化に富んだ縦走は山歩きの醍醐味を味わうに十分。人気があるのもなるほどとうなずける、お勧めのコースです。


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