漫歩計の山行記録:飛鳥〜多武峰 2007年11月3日 |
多武峰(とうのみね)は、奈良県桜井市の南に位置する小高い山一体を指します。山頂のすぐ南には紅葉で知られる談山神社があります。桜井側からはバスが通じており、観光地そのものの山ですが、今回は、西の飛鳥を歩いてから、多武峯に登ってみることにしました。
近鉄飛鳥駅から土産物店の前を通り、道標にしたがって「鬼の雪隠」方面を目指します。有名な高松塚古墳へは直進しますが今日はパス。
最初に飛鳥を訪れたのは子供の頃で、学校の遠足だったと思いますが、見渡す限り何もない農村で、石舞台古墳などもむき出しで何の管理もされていなかったように思います。しかし今は多くの観光客が訪れるようになり、土産物店や瀟洒な喫茶店もあちこちに出来、観光施設や道路も整備されています。少し残念な気もしますが、それでも都会から訪れればのどかな雰囲気を味わえるし、しばし古代のロマンに夢を馳せることが出来ます。
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多くの観光客とともに、「鬼の雪隠」「鬼の俎」を見学し、ユーモラスな「亀石」の前を通り、集落を通り抜け、橘寺の横を通過し、丘の周りをたどりながら歩きます。ところどころ売店があって柿やみかんなどを売っています。
石舞台古墳は周囲が公園のように整備された気持ちのいい場所で、もし鹿がいれば奈良公園と間違いそうな場所です。ここまで駅からゆっくり歩いて1時間半。芝生の広場でのんびりと昼食を取ります。
石舞台からは観光客と別れ、東へ車道を遡っていきます。2車線の車道から道標にしたがって左の細い道に入り、小川に沿って次第に高度をあげていきます。相当な勾配があるので、舗装路を登るのは結構足が疲れます。
飛鳥方面から多武峰へは、かつては静かな山道だったのですが、現在は2車線の車道の延伸工事中(開通は21年度)で、半ば出来上がった車道を歩く区間が長く、山道に入ってもすぐに車道で寸断されてしまいます。残念ながら今やこの道は山歩きの雰囲気を味わうには不向きで、ハイキングコースとしての魅力がなくなりつつあるように思います。いっそのこと飛鳥をゆっくり散歩したほうがいいかも知れません。
尾根に着き、右にたどり、石仏を見て緩いアップダウンの道を行けばほどなく談山神社の入口があります。この付近のピークである御破裂山には、神社の中を通らないと行けないので、拝観料500円を払って中に入り、まず諸堂を拝観。藤原鎌足の肖像など、なかなか面白いものがあります。今日は午前中に有名な「蹴鞠(けまり)祭」をやっていたそうで、午後も抹茶の野点をやっており、久しぶりに抹茶をいただきました。
11月もまだ上旬と言うことで、紅葉はまだまだ。一部の木が色づき始めた程度です。温暖化の影響で、見ごろは11月末か、平地では12月かも知れません。
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案内図に従って御破裂山に向かいます。本堂から頂上まで約15分。ここが今日歩いた道の中では最も山らしい道でした。杉林を過ぎ、藤原鎌足の墓がある頂上(標高608m)に到着。墓の裏手に回りこむと奈良盆地の展望が開け、耳成山や畝傍山、その向こうに生駒の山並みが見えます。
ふと下を見ると、誰が落としたのか、車と自宅の鍵(?)が付いたキーホルダーが落ちています。車と家の鍵を両方落としたとしたら、落とした人はさぞかし困っているだろうなあ・・・と思い、拾って神社に届けることにしました。
頂上からは元来た道を神社に戻りますが、5分ほど下ったところで、険しい表情をしたご夫婦とすれ違いました。ひょっとすると・・・。やはり、相手も妻が手に持ってじゃらじゃらさせていた鍵束に気づいたようで、「あっ」と小さく叫び、落とし主と分かって無事鍵束を返すことが出来ました。おそらく車まで戻られて鍵のないことに気づかれたのだと思いますが、本当に良かったですね。
神社を出て、駐車場の横のバス停からバスで桜井に向かいます。多武峰は、道路が便利になってますます観光客が増えるかも知れませんが、山歩きには向かない山となりそうです。