河原(かわら)の花は
ただ
水面(みなも)を見つめて
風に吹かれている
夜露(よつゆ)で濡れた
河原(かわら)の石に
足をとられて
滑り落ちた雛(ひな)
夜露(よつゆ)をふくんだ
その花の葉
とがったその葉は
その雫(しずく)の所為(せい)だと
届かない
手を差し伸べそうになる
未熟に羽ばたきつつも
石に這い上がるその雛(ひな)に
その姿は
見えてしまったのだろうか?
湿った翼では
行けない鈍色(にびいろ)の空
目指して咲くは
小さな花
空へ向かう
ただ一つの風景
空に包まれた
ただ一つの風景
河原(かわら)の花は
ただ
水面(みなも)を見つめて
風に吹かれている
|