小説「キンカイと動物の島 〜ヴァンパイア・ウォーズ シリーズパート2〜」
豪雨だったのにもかかわらず、外の雨は嘘のように止んでいた。 あれから何日たっただろう・・・・・。 食料ももうじき底をつくっていう時に、船はある島に流れ着いた。 だが、島に着く際に、大きい音を立て船は岩場に激突。 酷く揺れ正広達は何かと思い、甲板へ出て見て見ると、船の先端から割れていてめちゃくちゃ。手の施しようが無く正広達では直せない。 仕方なく船から下り、暫くこの島で暮らす事にした。
船の中から役に立ちそうな物を取り出してきて、慎吾が見つけた洞窟まで運ぶ。その運ぶついでに食べれる木の実なども摘んで行く。 運び終えると、今度は海に潜って今夜の夕食にする魚を人数分取り、火を焚いて焼く。 もう日も暮れてしまい島の探検は、明日にして焼けた魚を食べ水浴びてして眠った。 一日中、色々とあり過ぎて、どっと疲れてるせいか皆、じきに眠る。真夜中、ガサガサ音がして目を覚ます正広だったが、気にしないで又眠りについた。 翌日。 この島へ来て一日目。 朝食を済まして、三組に別れて探検に。正広と剛。拓哉と吾郎。慎吾と昌未。 慎吾達が真ん中の森の中へ。右側の浜辺から拓哉達。左側の浜辺からは正広達。三方向に別れて行く。 大きい島で何があるが分からないから、気を付けて行く正広達。足元にも気を付けながら。 その島でそれぞれ見た物は・・・・・・・。 剛の目の前を横切った猿の親子。 「・・・・・・?! 中居君・・・・、猿が・・・猿が居るっ!!」 「何馬鹿な事言ってるんだ?!此処に猿が居る訳ないだろう!!それとも俺の事を言いたいのか〜〜!」 と、剛が言った事を無視する。 「本当だって!!ほら、あそこ!」 ちょっと苦笑いしながらも、正広を指差す方向へ向けさせる。 正広の視界に入ったのは、紛れも無く猿が。猿が目の前に居るのだ。 拓哉達の目の前には、鹿が・・・・・。鹿が数匹通り過ぎて行った。吾郎は倒れる寸前。拓哉は間近で見れて嬉しそうだった。 慎吾達の方は・・・・・。昌未が小さいリスを見つけて、地面に座り込んでリスと遊んでいた。そして、慎吾は別の動物に出くわして脅える。足音を立てずそーっとその場を離れ昌未に、 「逃げるぞ。」 と、連れて元の浜辺へ全力疾走で逃げたのだ。 息切れしていて、その場に座り込んで休憩していた。休憩してる所へ正広達も戻って来たのだ。 「そっちどうだった?」 「それがさぁー、猿が出たんだよ!!」 「猿・・・?こっちは鹿だよ!目の前に現れて。すっげぇ〜嬉しかったぞ!!慎吾達の方は?」 「・・・・・・・・・・虎。虎が出て来て怖くて逃げて来た・・・・・。」 そう聞いて皆びっくり。 「此処って動物の島かな・・・・?」ぼそっと剛が口を開く。 「多分そうだな。果物とか木の実豊富だし。この島ジャングルみたいだしよ。蛇とか出ても可笑しくねぇな。」 と、拓哉が言った。 そして、更に慎吾がとんでもない物を発見する。 二日目に慎吾は遊び半分で、洞窟の中を探検してくると言って松明を持って、一人で中へ入って行ったのだ。それから数分後。慎吾は大声を出して戻って来た。 「中居く〜〜〜ん!!大変!大変だよぉ〜〜〜〜!!!」 手には宝石を持っている。 「うっさいな!!大声出すな!・・・・って、何かあったのか?」 「こ、これっ!!宝石じゃ・・・・・・・?」 手に持ってる宝石を正広に渡す。 正広はしかめって面しながら 「どうせ偽物だろっ。」 と、言う。全く興味無いのだ。 「でも、沢山あったよ!!宝石以外にも金塊みたいなもんとか。なんか海賊の財宝みたいな物が沢山!!」 「嘘付くな!!」 全く相手にしない。正広は持っている宝石を放り投げる。 それは昌未の足元に落ち昌未は、拾い上げ見てみるとダイヤ。 太陽に向かって翳すとキラキラと光っている。 「凄ぉ〜い!これ本物よー。綺麗なダイヤ・・・。」 手に取り太陽に翳し輝きを見る。ずっと見ていても飽きない。 「これ、どうしたの?」 と、昌未が聞くと慎吾が、 「僕が見つけたんだ。洞窟の奥の中にまだ沢山あるよー!行ってみる?」 っと、誘って来た。 「うん、行く。」 と、慎吾と一緒に洞窟の中へ。 「足元に気を付けて。」 昌未の手を取り、ゆっくり歩いて行った。 そして、財宝を目の前にして昌未は何かに躓く。 「痛っ・・・・・。」 「大丈夫?」 と、慎吾が松明を昌未の足元に近づけると人骨が見えた。 頭蓋骨が昌未の視界に入り・・・・・。 「きゃぁ〜〜〜〜〜〜!!!」 悲鳴をあげ慎吾に抱き付く。 拓哉達も何事だと、慎吾達の後を追った。 「昌未ちゃん大丈夫だよ。骨だけだし・・・。」 といいつつも顔は笑顔。抱きつかれて満更でもない。 じきに駆けつけた拓哉達。 「どうしたんだ?」 「いや、何でもない。昌未ちゃんが頭蓋骨見て悲鳴あげただけで・・・。」 拓哉達はしっかり抱き合ってる二人を見る。 「お前等、何抱き合ってんだよっ!」 「あ・・・・、もう大丈夫だよ。」 拓哉にそう言われ慎吾は離した。 「それよりもこれ・・・・・・・・。」 松明を財宝に近づけて皆に見せたのだ。 凄い数の金塊や財宝。慎吾が言った事は本当だった。 「こりゃぁ〜〜凄いなぁ〜〜〜。」 触ろうとする吾郎達に拓哉が 「無闇に触らない方がいい。それに今の俺達には関係無い物だろ。このままにしておこう。」 っと、止める。だが慎吾が・・・・。 「一個ぐらい・・・・。」 そう言うと・・・・・。 「・・・好きにしろ。」 と、拓哉は言って洞窟から出て行った。 皆も洞窟から出て、慎吾は宝石を昌未にプレゼントする。あげた物はネックレス。 「ありがとー。」 昌未はその日から身に付ける。どうやら気に入った模様。 それから二日後の事だった。いっそうの船が島の周りに現れ助けを求めたけれど、彼等は救助隊ではなく探検家の人々だった。
拓哉達は一緒に乗せて欲しいと頼むと、すんなり引き受けてくれた。これで日本へ帰れる事に。 だが、彼等の目的は財宝や金塊。何か一悶着ありそうな予感がしてならなかった。 三人の内の一人・穂高薫、彼が何をしてるのかを話してくれた。 昔、ここらへんで海賊が暴れていたという。そして、その海賊が残した財宝を探してるのが薫等。彼等は見つかるまで此処に居ると言う。 彼等がこの島へ来て二日目。薫の他に加賀正孝、神真行は財宝の在り処を探す。 昼食を食べに一箇所に集まった時の事だ。食べながら昌未の胸元を見る正孝。キラリと光ってる物をずっと見ていた。 「・・・・そのネックレスどうした?君の物か?」 「いえ、慎吾君が見つけてくれたの。」 「見せてみろ。」 っと、無理矢理ネックレスを外され手中に収める。 正孝はそのダイヤを見てキラリと瞳が光る。 「これ、財宝の一つじゃないか? ・・・・・・・見つけたんだな?!財宝を。何処だ?財宝の場所は?」 と、拓哉達に迫る。 仕方なく慎吾が正孝達を案内した。 ネックレスは取り上げられ、財宝や金塊を見た彼等は眼の色を変える。薫だけは至って冷静だった。後の二人は財宝を自分一人のものにしようと考えを変える。薫は財宝よりも昌未の事が気になり始めていた。
「財宝は俺の物だ!!」 「いや、この俺のだ!!」 正孝と真行は言い争いを始める始末。薫は止めに入るが二人はやめようとしない。 拓哉達の前から消え、三人だけで話し合う。 けれど、結局、話し合う事など出来ず、カッカするばかり。薫の言う事など聞こうともしない。 いくら冷静な薫でも、二人には付いていけず頭にきて、殺し合いをさせた。二人を煽り、互いに殺意を持っている二人を操るのはたやすかった。
「助けてくれ・・・・・・。」 まだ息のある正孝は助けを求めたが薫の態度は冷たかった。 「もうこれ以上付き合うのはごめんだよ・・・・・。」 そう言って見捨てたのだった。 拓哉達の所へ戻った薫は帰る仕度をする。荷物を船に積み込み、 「君らも乗るなら仕度しろ。じきに出発するぞ。」 と、拓哉達に言った。 言われた通りいる物だけを詰め込み皆、船へ乗る。 「あの二人はどうしたんだ?」 「死んだよ。」 そうあっさり言う。 その言葉に面食らい苦笑うしかなかった。
拓哉達にとっては彼は命の恩人。薫のおかげで日本へ無事に帰れたのだから。 そして、慎吾は昌未に好意を抱くようになり、住所や電話番号を教え合って、横浜へ自分の家へと帰って行った。昌未も拓哉らも自宅へと帰って行ったのだった。
慎吾と昌未が付き合い始めて数ヵ月後。 拓哉の友達・冷奈が計画を立てた山登りに招待される。 吾郎と剛は「嫌だよー。」と断り、拓哉と正広、慎吾は昌未も一緒にと招待を受けた。 だが、冷奈が選んだ山には大きなお屋敷がある。 そのお屋敷の主は兄弟。そう穂高薫と、その弟郁巳の二人。 そうとも知らず拓哉達は、山登りを決行する事に。もう後戻り出来ない状態になっていたのだ―――。
−END− 第二部完結
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