小説「ヴァンプハンター 〜Love&Peace〜 前編」
8月22日。土曜日。 何時ものようにはしゃいでいた。 その上、鼓動が高鳴る。彼等に逢えると思うと嬉しくて堪らない。 友達と一緒に彼等のコンサートを。 彼等とは、今大人気のSMAP。 SMAPのコンサートチケットを友達が、20枚程買い占めて私を誘ってくれたのだ。 友達の中にお金持ちのお嬢様が2人居て、いつも何かと面倒を見てくれる。一人は筒井財閥のお嬢様・れいな。 もう一人は、木内クリニックのお嬢様・亮子。 れいなが、チケットを買い占め私の所へ一枚郵送されて来た。 同封されていた便箋には、”22日名古屋ドームにPM3:30集合!絶対遅れないように!!”と、書かれていた。 がだ・・・。約束の時間が過ぎても来ない。 まだ5分も経ってないが・・・。 それから、時期に周りがザワザワし始める。 時計の針は40分を差していた。 周りに居るSMAPのファンの娘達の話が、ちょっと気になった。 「なんかLUNASEAが来てるみたいよぉ。」 「違うよ!GLAYが来てるって聞いたけど!!」 「私の聞いた話じゃSHAZNAが来てるって!」 ―――みんな根も葉もない噂だ――― そう思っていたけれど・・・。本当に来ていたのだ。 だんだんとファンの娘の歓声が大きくなり周りは、騒ぎ始めている。 彼女・昌美の真正面から友達が大きい声を出してやって来た。 彼女の周りには男の人がいる。それがLUNASEAのメンバー。 「昌美、ごめんね。遅れて・・・いやねぇ、河村さん達を説得するのに戸惑っちゃって・・・・。ホントごめん!」 と、手を合わせる。あまり悪びれた様子はない。 「嘘っ・・・・・・なんでっ・・・・・・・」 昌美は、LUNASEAを目の前にして呆然とする。 皆に昌美を紹介しおえたその時に亮子と尚子が、やって来た。 男の人達を連れて・・・。尚子はPENICILLINを連れて。 亮子は、GLAYとSHAZNAを連れて待ち合わせの場所へ。 だいぶ遅れたが・・・・・・。 昌美は、彼等が現れて驚き呆然。 何で此処にいるの―――? そんな疑問が浮ぶが声にはならなかった。 それ所か周りが騒ぎ立てる。LUNASEA、GLAYと勢揃いした所を見て歓声をあげる。 時間は4時回っており開場になった。 ライブが始まるまでにコンサートグッズを買い軽く食事を摂り開演6:30前に席についた。席はアリーナ席。 一番良い席だ。ステージ前から2列20席を確保。 そこにれいな達は、座り時期にライブは始まった。 スモークと一緒にSMAPが現れノリの良い曲から始まった。 ロック、ラップ、それぞれメドレーにして唄い踊りMCも面白くテル達は最後まで楽しめた。 一番盛り上がったのはカラオケコーナー。 拓哉はLUNESEAの「I for you」を唄いあげ隆一は、上手いねと感心していた。 約3時間のコンサート。SHAZNAのイザムやGLAYのタクロー達は、勉強になったと口を揃えて言う。 時間は9時半過ぎ。れいな達は食事へと出向く。 行く付けのお店のがあると。そこのお店へ行く。 拓哉達もコンサートを終え食事&飲み会。反省会を兼て。 だが、その晩の反省会は出来なかった。 偶然れいな達と一緒になったのだ。そう同じお店にでばったり会ったのだ。れいな達は、拓哉達と意気投合し仲良くなる。 そんな中昌美は、隅で大人しくなっていた。 SMAPは明日も名古屋ドームでコンサート。 近くのホテルに泊まる。れいな達は、それぞれ家へ帰って行く。 昌美も家まで送ってもらいそのついでに、新幹線の片道切符を貰う。25日から東京へ行く事になっている。 れいなの家に厄介になる事に。約一ヶ月半れいなの家に。 それから3日後。25日。 前日から準備にしておいたバックを持って東京へ。 予定通りの時間。昼の2時台の新幹線に乗り約、2,3時間程で東京に着く。昌美が迷わないようホームに迎えの人が来ていた。 「朝倉です、よろしくね♪」 と、来ていたのは女性。 昌美の荷物を持ち車まで案内し荷物をトランクに詰め、助手席に乗せてれいなの家まで車を走らせた。 車内は、洋楽がずっと流れていた。 もうじき陽も沈み夜になる。 れいなの家に着き部屋まで案内された。 部屋の中に入るとベッドの横に荷物を置き部屋の中を見回った。 トイレ、バスルームも付いており暖房設備も付いている。 ベッドに腰掛けてゆっくり休もうと横になろうとしたが、それは束の間の休息にすぎなかった。 仕事が終ったれいなが帰ってきて昌美が部屋にいる事知ると勝手に扉を開けて 「昌美!食事行くわよ!昌美の歓迎会も兼て!!」 と、大声出して入って来たのだ。 「食事?・・・って、何処に行くの?」 「麻布の方に良い店があるのよ!そこに行くのよぉ!」 と軽くウインクする。 昌美は、起き上がり行く準備してれいなの車に乗り込んだ。 そして、れいなは運転しながら携帯電話を使っている。 友達の所へかけていた。 20分程で着き車を駐車場に止めレストランの中へ。 レストランの名前は「キャッツ・アイ」 ほとんどお客はいなく、そのかわりこの間会ったテル達がカウンターでお酒を飲んでいる。 れいなと昌美がテーブルに着くとテル達も同じ席へ。 多分さっきの電話の相手はテル達だったらしい。 食べたい物を注文し勿論お酒も注文。 昌美は、テル達に気を使い遠慮してしまう。 別に嫌いではない。その逆だ。好きなアーティスト。 れいなみたいに気軽に話せないだけ。 まだ彼等とは会って間もないのだ。 他愛もない話をしながら食事をし、あれから1時間以上経っている。 れいなは、昌美が話の輪に入らないのにずっと気づいていた。 「ねぇ、昌美。此処で働いてみない?」 急にそう振られる。 「えっ・・・・・?此処で・・・・・?」 「そう。実はこの店私がやってるの。この店のオーナーなのよ。 あ、それとも気にいらない?」 「ううん、そんな事ない。でも、私接客みたいな仕事苦手だから。」 「大丈夫よ。そう云う仕事はやらせないから。いいでしょ?ね? これで決まりね!」 と、強引に決められた。 別に嫌ではないが、自分に務まるかどうかが不安だった。 店を出たのは11時頃だった。 外は人々で騒がしくサイレンでうるさかった。 救急車やパトカーが何台も来ていたのだ。 近くで事件が起きたらしい。 「ちょっと待ってて!」 と、れいなは興味津々で見に行った。 その間に昌美は、一人の男性とぶつかった。 相手が急いでた為、思いっきりぶつかった二人。 「――いたっ・・・・・。」 落としたバックを男の人が拾い上げ 「大丈夫?怪我はない?」 そう言いながらバックを手渡すその時にお互いに瞳が合う。 暗がりであまり見れないがなかなかのハンサム。 「ごめん、俺急いでるから」 と、言ってその場を去っていった。 れいなは、ロープが張られ立ち入り禁止と書いてあるのも関わらず入ってゆく。当然止められるが 「うるさい!」 と、追い払い中へ入っていったのだ。 「大下刑事?何かあったんですか?」 と、彼の背中を叩く。 びっくりした彼は、振り向き 「なんだ・・・・れいなさんか・・・。ビックリさせないで下さいよ。」 そう言ってホッとする。 「此処、立ち入り禁止だよ。」 「いいじゃない。何があったのか教えてよ。教えてくれるまで離れないわよ!」 と、しつこく付き纏うれいな。 彼女の事うっとおしく思った彼は、でたらめな事で誤魔化そうと思ったが・・・・。 「嘘はやめてよ!正直に話さなきゃぶっとばすわよぉ!!」 と、言われた。 俺の考えを見抜いたのかどうかは分からないが、勘が鋭い。 彼女に嘘は通用しないなと思い彼は、事件の事を全て話した。 勿論口外しない事を条件にして。 大下刑事は、少しだけ妙な違和感が残る。 他の刑事もそうだった。 死体は全部で四つ。四つにうち三つは、首の骨が折られ即死。 一つは、心臓に弾を何発も喰らっていて死んでいる。 そして、店内は血の海。 多量の出血で人間じゃないような気がした。 詳しくは検死解剖をしてみないと分からないが、とにかく普通じゃない事を感じていた... その翌日。26日。 この日は、昌美は再び昨夜の男と出会う。 そして、レストラン「キャッツアイ」で今日から働く事に。 仕事は、厨房に入って調理の補佐と食器洗い。 簡単に言えば雑用係みたいなもの。 それでも何か嬉しかった。 朝の10時からずっと働いている。 一番忙しい時間帯は、昼間と夕方7時から9時半ぐらいまで。 閉店時間は0時。 時間が経つにつれ客の数は減っていく。 11時過ぎにはカウンターだけになった。 その時間帯かられいなの友達が集まり出していた。 他の客の姿は無かった。 最初にきたのはPENICILLINのハクエイと千聖(ちさと)。 お酒とつまみを注文。それから、時期にGLAYのテルとタクロー。 LUNESEAの隆一とスギゾーの4人が来てそれぞれ好きな物を注文。食事とお酒を飲みに。 11時半頃にSMAPの拓哉と吾郎の2人が、お酒を飲みに来た。 厨房の方では後片付けをしていた。 ”料理はもう終わり”とれいなに伝える。 纏めたゴミを裏口にあるゴミ置き場へ持って行ったのは昌美。 ゴミを置いてさっさと店に戻ればいいのだが、表通りの道でなにやら騒がしいのに気づき見に行ったのだ。 一人の男性が、チンピラに絡まれていたのだ。 その男の人は、昨夜会った人だった。 背は高く長髪でスタイルも良く日本人離れしていた。 誰かが”警察よ!警察呼んで!!”と叫びチンピラ達は、警察沙汰はごめんとその場を去って行った。 彼はヨロッと倒れ込む。昌美は彼の元へ駆け寄った。 「大丈夫ですか?」 彼は、昌美を見て昨夜の事を思い出す。 腕の怪我を見つけて昌美は、店へ連れ込む。 怪我の手当てをと、れいなに救急箱あるかどうか聞くと、あると言われて取りに行った。 傷口を洗い席に座らせてから手当てをする。彼は 「大丈夫だ。手当てなどしなくていい。」 と、拒否するが、だめよと昌美は強引に手当てをした。 れいな達はずっと彼を見てる。 不思議そうに思っている。 「貴方・・・・名前は?」 「・・・・名前・・・・?」 「そうよ。私はれいな。彼女は昌美。貴方は?」 「・・・ガイナ。」 「ふ〜〜〜ん、ガイナね。生まれは何処?日本語上手そうだけどいつ覚えたの?」 質問責めにあうガイナは少し戸惑っている。 そして、お腹もなる。 「お腹空いてるの?今、何か作ってくる。」 と席を立つ昌美に 「・・・・お金持ってない・・・・。」 質問には答えずにそう言う。 「別にいいわよ。お金なくても!残り物になっちゃうと思うから。」 よ、厨房の中に入って行った。 「質問に答えなさいよ。」 と、れいなは言うがガイナは完全黙秘。 「あ、そう。黙秘する気なのね。」 ガイナの態度にれいなは、機嫌悪くなる。 15分程で出てきた昌美はガイナの前に食事とお茶を運び置く。 「ちょっと昌美おいで。」 と、昌美を連れて行く。 「食べていいわよ。遠慮しないで食べて♪」 そう言い昌美は、厨房の中へ連れていかれた。 「どういうつもりなの?あんな男連れて来て!」 「つもりって・・・・・。ただ怪我してたから連れて来たの。」 「それだけ?」 「それだけって・・・・・・。」 昌美は、れいなに怒鳴られてしゅんと大人しくなる。 「あの男の事気にしてるの。なんで連れて来たの?」 「・・・昨日も会ってるの。さっきもチンピラに絡まれて・・・それで怪我を・・・。」 「だいたい、見ず知らずの男を連れて来るなんて・・・・襲われたらどうするのよ?何も知らない男なんでしょう。色々と質問したけど何も答えないし・・・。昌美、彼を追い出しな。連れてくるんじゃないよ、いいね?」 そうれいなに叱られる。 昌美は可哀相と同情しただけなのに。 けれど、その日を境に店へ来るようになった。 そして、もう一人見ず知らずの女性客が一人増えていた。 事件も多発しており、あっちこっちで同じ事件が起きている。 全員即死。首の骨を折られている。犯人の手がかりは無く全く捜査は進んでいない。それよりか25日の日に死体が四つ共無くなっていたのだ。 8月31日。夏休みも終わり学校が始まる。 そして、台風が相次いでに来る。 9月に入ってからは客足がさっぱり。 事件のせいで来る客が減っているのだ。 それから、女性客の一人が昌美に近づいてくる。 目的は何なのか分からないが、昌美に近づき何かと口実を付けて昌美を外へ出させようとしてくる。 妙な雰囲気を持つ女に昌美達は嫌悪感を覚えた。 その女は雪子と言い毎日に様に店へ来ていた。 昌美の側にいるガイナは、雪子の正体を見抜き昌美の事を守り始める。 9月4日。 今日も午前中からガイナは、昌美の側から離れない。 雪子の事も 「あの女の言う事聞かない方が言い。近づかない方が。」 と言う。 ”大丈夫よ”そう言い返す昌美。かといって雪子が止める訳無い。 思い通りにならない昌美に対して苛立ち始める。 それから、彼女が取った行動は、昌美の友達に手を出し始めた。 れいな達、そして、拓哉達にまでも手を出しているが彼等達は、雪子の事を警戒し寄せ付けない様にしている。 そして、雪子は、昌美やれいなの友達・明美を殺してしまう。 久々に店に来た明美。ずっと仕事が忙しく来れなかったのだ。 れいなに挨拶するし慎吾の所へ行こうとしたが、知らない女性と話していた。その女が雪子とは知らず明美は 「そこ、退いてくれない?」 と凄い剣幕で怒る。 何この女と思った雪子だが無視する。 「慎吾君に手を出すのやめて!」 慎吾の方も雪子と話すのは嫌だから、これ幸いと思い 「ごめん。明美さんと約束してたんだ。」 と、その場を後にした。 明美は雪子の反感を買いその日の真夜中に殺された。 閉店時間を過ぎても店にいるれいな達。 従業員は後片付けと掃除を。 拓哉達も一緒にいる事が多い。この日もそう。 明日は仕事無いからと遅くまでお酒を飲んでいる。 明美は1時過ぎに店を出、車に乗って家に帰る途中だった。 深夜だから、ほとんど車は無く飛ばしていた。 スピードを出し過ぎで、道の真ん中にいる仔猫を気づきブレーキを踏んだが遅く・・・・。仔猫を避けようとして街路樹に激突。 シートベルトをしていたから命に別状は無かった。 だが、座席の前のフロントガラスが割れ誰かが入って来た。 人間なのか動物なのか。気配を感じ急いで外へ出ようとしたが遅かった。後ろから首を締められ女の声がした。 「さっきはよくも邪魔してくれたわね。もう少しで落とせたのに。」 明美は首を締められ声が出ない。 抵抗しても力尽くで押さえられる。彼女の力は並外れていた。 「貴方みたいな女嫌いなのよ、死んで貰うわ。」 そう言って首から手を離し首筋に噛み付いた。 鋭い牙で血管を刺し体内にある血を全て飲み干す。 明美の身体は、徐々に冷たくなっていき顔も真っ青。 最後まで飲み干し死体をそのままにして消えて行った。 続く...
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