問4

 大金持ちの子供が誘拐され、身代金一千万円が要求された。

身代金はバッグに入れ、○○駅のロッカーに入れろとのことだった。

もちろん、ロッカーの鍵はかけずにだ。父親はすぐに警察に電話した。


 要求日、父親は指定されたロッカーに金の入ったバッグを入れた。

もちろん、刑事たちは犯人に分からないように監視していた。

父親がロッカーにバッグを入れてから15分後、一人の若い女性がロッカーからバッグを取り出した。

その場で捕まえたかったが、子供の安否を考えるとそうはいかない。

刑事たちは女性を尾行することにした。


 女性は駅を出ると、すぐにタクシーを拾った。

もちろん、こういう場合を想定して、覆面パトカーが準備してあった。

タクシーは約30分走り続け、隣町の××駅に着いた。

バッグを抱えた女性は駅のホームに入り、ロッカーにバッグを入れて鍵を掛けた。

刑事は後を追いかけたが、女性は発車寸前の列車に飛び乗り、無情にもドアが閉まってしまった。

尾行に失敗したのだ。


 尾行には失敗したが、バッグはまだロッカーにある。

いつか取りに来るものと見張っていたのだが、何時間経っても誰も取りに来ようとしない。

そのうちに、父親から警察に連絡が入った。

子供が無事に戻ってきたというのだ。

驚いた警察は駅に訳を話し、合い鍵でロッカーを開けると、そこにはまだバッグがあった。

しかし、バッグの中身は空っぽだった。

「そんなバカな」と見張っていた刑事たちは呻いた。

バッグが入ったロッカーはもちろん、周辺のロッカーには誰も近寄らなかった。

女性は小さなハンドバッグこそ持っていたが、そこに一千万円もの札束が入るわけがない。

いったい、犯人はどの様な手段で身代金を奪うことができたのか。

もちろん、警察、そして被害者に共犯はいない。