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大股川砂防ダム(中井堰堤)からの汚泥流出事故
2003年11月24日早朝、岩手県住田町大股川の砂防ダム(中井堰堤)で突発的な汚泥の
流出がおきました。
管理責任者は「岩手県」で、直接に担当をしているのは大船渡地方振興局です。
12月1日に、大船渡振興局土木部長、気仙川漁協、長部漁協、陸前高田市市役所水産課
らの参加で、私たちと現地調査をおこないました。
当初、「こうしておいて見てみましょう」、「見たところ、なんともない」などと話す
土木部職員に、「サクラマスの卵は全滅しただろうし、河床はすっかりヘドロでおおわれ
てしまった」と私たちは説得しました。
「たいへんな漁業被害が発生したと思いますよ」との説明に、事件の重大さが伝わったよ
うでした。
調査終了後、土木部長さんには要望書を手渡し、4つの対応を求めました。(※要望書
は、こちらをご覧ください)また、各団体の方々で意見交換をおこないました。
12月3日には、大船渡振興局長、土木部長らの立ち会いで、私たちとの再度の現地調査
をおこない、振興局長名で要望書を提出しました。(※要望書は、こちらをご覧ください)
【写真】2003年11月24日 大股川柏里付近の様子。まるでペンキを流したような状況だった。
【写真】2003年11月24日 砂防ダム頂部から上流を撮影したもの。
右手前の汚泥が青い色で、嫌気性発酵をしていたものであることがわかる。
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2003年12月1日 現地調査の様子
砂防ダム上の県職員ら。通常は、大股川が人のいるところからオーバーフローをして流れている。
底部の穴がぬけて堆積した汚泥が流出したため、砂防ダム上部の穴からも放水がなされていた。
砂防ダム直下では汚泥が沈澱し、一面、褐色の河床。
木をさしこむと、スーッとはまり込み、そのままに。沈澱した厚さは、50cmはあろうかというもの。
汚泥の粒子はとても細かいもので、写真の足下で濁りが浮遊している様子が見られる。
通常、写真の人が立っているところを川が流れて、穴は閉じている。
最も下部の穴が突発的に開いたために、堆積した数年分の汚泥が流出し、
砂防ダム上部の穴も開口したもの。
砂防ダムと接している上流に向かって右岸の様子。写真ではわかりにくいが、右下に10
cm程度の石が数個混じっており、なぜこうしたものが混入しているのかと、当会代表によ
り指摘される。
→後の地元での聞き取り調査で、「数年前、アユ解禁の3日前に砂防ダムの底が抜けて
たいへんなことになった。その時、県だと思うが、単管パイプを4トントラック2台分、それ
から石を4日間ダンプで運び入れた」と確認した。
以前から私たちが指摘する前例(※砂防ダムが数年に1回、開通すること)に対し、実は
「県」は知っているどころか対策をとり、今回それが決壊する事態であったことが判明した。
この砂防ダムは、津付ダム建設予定地の下流2〜3qという場所だが、「砂防ダムより
上流には魚類は遡上しないため、それより上流にダムを建設しても、魚類などへの影響
がないのだ」という検討結果が示されている。ダム建設推進の「県」は、この姿勢を変えて
いない。
また、下流域につながる海岸への土砂の供給について、コンサルによる調査結果が
「県」に納入されているが、上流域の砂防ダムが今まで何度も穴ぬけを起こしている事実
を、「砂防ダムは今まで土砂のすべてをとどめてきた」と記述。
実験の前提条件にこうした情報操作があり、この調査そのものの信憑性は、限りなくゼロ
に近い。
12月1日には11月29日の降雨のため、11月24日より水位が高く、左岸・右岸とも
崩壊しての流出はいったん止まっていた。水位が低下すれば、また堆積汚泥の流出が
始まるものだと容易に判断される状況だった。
事故後の詳細→気仙川支流大股川における砂防ダムからの汚泥流出事故と魚類産卵床への影響について