殺し屋「スガタ」第5回。
前回のあらすじ
鑑定士協会のお偉いさんの方々から、
今一番人気の鑑定士「野ノ田」の暗殺依頼を受けた僕は、
十八番技の一つ(スガタ流暗殺剣・華)で、
見事、現場の物証も何一つ残さず、野ノ田を暗殺する事に成功したむんに。
第五話「ASHIBUMI」
春が訪れて、暑くなったのもほんの少しの間だけ、
スガタの事務所の窓の向こう側から見える町と道は、もう秋の紅葉で覆い尽くされてようとしていた。
「ふう… 秋の空を見ると淋しい気持ちになるのはどうしてむにかね。ぷうぷう。」
スガタは、思わずため息をこぼす。
しかし、
スガタがセンチメンタルな気分に浸っていても
急に依頼人が部屋に入ってくるのは、職業柄 珍しいことではなかった。
「誰むんに? 折角おセンチな気分に浸っていたむんにのに。」
スガタは 依頼人の方に顔を向け やる気なさげな表情で相手を見る。
「オマエが、殺し屋業界一と言われるスガタか?」
やって来た依頼人は、やや小柄でヤクザっぽく、サングラスをかけている。
他に、幹部の人間やボディガードの姿もちらほら見える。
「確かに、スガタとは僕のことむんに。
貴方は確か、元文天堂社長の丘内博殿むんにか?」
全ての情報網に精通しているスガタは、自信を持って答えた。
「ワシのことを、知っとるんか。 なら話は早いわ。
単刀直入に言う、コイツをアンタに始末して貰いたいんや。」
丘内元社長は、一枚の写真をスガタに手渡した。
「これは… PONYのオタラギ社長むんにね…。」
スガタは、手渡された瞬間即答した。
「殺る人間が人間むんにからねえ… 社長クラスは高いむんによ。」
「それなら問題はない、宮田。
例のアレをコイツに見せてやれ。」
丘内元社長は、現社長の宮田に指示をし、札束をスガタの机一杯に置き、天井まで積み上げさせた。
「前金や。 成功したらこの部屋を埋め尽くすぐらい、銭を渡したるわ。」
「OK… 依頼成立むんに。
結果を楽しみに待っていて欲しいむんによ…」
「期待しとるで、アイツは殺られても当然なんやからな!
技術力も対して無いくせに、ワシにあんな程度の低い真似事をして、楯突くのが悪いんやからなあ!
まあ、アイツも今年一杯で年貢の治め時やけどな… ガーハッハッハッ!」
丘内社長は、大きな声で笑いながら帰っていった。
「さて、こんな大きな暗殺依頼も久しぶりむんにね。
今回は、頼まれた依頼人が依頼人むんにからあの方法で行くむんに。」
スガタは、計画を練り始めた…。
数日後…
「ふふ… 来たむんにね… オタラギ社長…
社長の女好きは、業界でも有名だから、出会い系サイトを使ったら直ぐにかかったむんに。」
スガタは、社長を人気のない所に呼び寄せ、一人だけにする事に成功した。
社長は、マスコミ云々を人一倍気にしていたが
女性関係の事には特に気を配っていて、ボディガードと社員全てに特別休暇を出し、
もちろん、この場に来ることには関係者や知り合い全ての人間に伝えてはいなかった。
「暗殺開始!ミュージックスタートむんに!」
タラッタタラッタッタン♪
チャッチャッチャッ チャッチャチャララ〜♪
「な・何が起こったオタ!?」
突然、例のゲーム音楽が掛かった事で、社長は驚いて腰を抜かす。
腰を抜かした社長を、
スガタはすかさず某ヒゲオヤジの着ぐるみを被り、数百回踏みつけた!
「ふっ… 何回1UP出来たむんにかね…」
スガタは、某有名アクションゲームの初代シリーズで使われた、
もっともスタンダートな攻撃で、オタラギ社長を頭蓋骨陥没で暗殺する事に成功した!
その後、大がかりな警察の調査が入ったが、
オタラギ社長の遺体が発見された時は、既に2時間以上経過しており
凶器に使われた物は、一切見つからず、
証拠の出会い系サイトも、何故か送信者までは特定できず、迷宮入りとなった……。
その後どうなったかというと…
文天道が、大きく売り上げを伸ばすわけでもなかったが
社長が殺害されたことにより、PONY信者は恐れてしまい
PONYの製品の売り上げは鈍り、予定していた計画全てが狂ったらしい…。
その情報をニュースでマスコミが報道したのをはっきり見た
文天堂元社長・丘内の 笑いはその日一晩中止まらなかったそうな…。
さて、今度は誰の力になり、誰を暗殺するのか!!
待て!!次回!!!
--------------------------------------------------------------------------------