絵画館 − 夜空 −


「街角のピエロ」

街角のピエロ

ピエロは娘に恋をしているのです。 娘の笑顔が見たくて 精一杯おどけてみせるピエロ でも、その想いは届かず、 夜の街角、人目を避けて ひとり泣いているのです。 ピエロの涙はかけらとなって、 街角に残ります。 朝陽に輝く涙のかけらを 毎朝そっと拾っているのは 娘です。 ピエロは気づいていないけど 娘もまた ピエロに恋しているのです。 涙の理由を知りたくて 手のひらにのせたかけらを見つめながら、 ピエロの愛の言葉を 待っているのです。 「浜辺の猫」

浜辺の猫

猫は今夜も彼女を待っています。 南の島の静かな浜辺 遠い昔二人が出会った場所 そして 再び会おうと約束した場所で 寄せては返す波のように 静かに、絶え間なく、 彼女を想い続けてきた猫 月のない夜には、 空いっぱいの星を見上げて 彼女も星になってしまったのではないかと 希望を失いかけたこともあったけれど 今、流れ星に祈ります。 「今夜こそ、会えますように」と。 月明かりの中、 椰子の陰から、 もうすぐ白い猫が現れます。 「星空に捧ぐフラメンコ」

星空に捧ぐフラメンコ

踊り子は今宵も酒場で踊っていました。 幼い頃から習ってきたフラメンコ。 華やかなドレス。 鮮やかな身のこなし。 でも、心の中は悲しみで張り裂けそうでした。 恋人が亡くなったという知らせが 今日届いたのです。 道ならぬ恋ゆえに 喪に服すことも許されず、 涙をこらえて踊りぬいたステージ。 そして、今、 ようやくひとりきりになった彼女は、 浜辺で踊ります。 深紅のドレスを闇色に染めて、 星空の下、彼だけのために踊るフラメンコ。 星にきらめく涙を散らして、 伝えきれなかった愛をこめて・・・ 「夜空を舞う鳥たち」

月の夜 恋する心は翼を広げ 鳥と化すのです。 夜の海 月明かりのなかで舞う 二羽の鳥 それは 遠く離れて眠る 恋人たちのふたつの心 翼を手に入れた心は 自由に翔き 夜の海原を越えて 恋する人の心へと 飛んでいきます。 そして今 月の光に祝福されて 結ばれるふたつの心 月の夜 二羽の鳥が夜空を舞うとき 恋人たちは 幸せな夢を見ています。 「月夜のイルカ」

広い海 群れから離れ 彼女を追い求める 果てしなく広い海 深く沈む夜の海 孤独さがましていく 彼女の目に 留まることを祈り 輝く月をめがけて 大きく跳ねてみる 「もうすぐ夜明け」

ヨーロッパのこの街で 二人は今夜 つかのまの夜を 一緒に過ごします 誰にも邪魔されない 二人だけの時間 眠るのが惜しいので 語り合いながら 夜明けを待つことにしました 部屋の窓を開けると そこには 夜明けを待つ 蒼い街がありました 街を照らす街灯 輝く石畳の道 夜空に煌く星 今の二人には 目に映るもの すべてが素敵に見えます もうすぐ夜明け 窓辺で肩を寄せ合い 時を止められれば良いと 二人は思いました 「オリオン」

凍てつく冬の夜 静寂の中を 私はひとり歩いています 見上げると木々の間に 無数の星が瞬いています 「貴女も遠い場所で同じ星を見ているのだろうか」 私は思いました 「オリオンの哀しい物語を知っていますか?」 夜空の向こうの貴女に問いかけてみました アルテミスは 兄に騙されて 恋人のオリオンと知らずに 彼を弓で撃ってしまったのです アルテミスは 今夜も 星座になった恋人オリオンに会いに行きます 「再会」

腕いっぱいに 赤いバラの花束を抱えて 帰ってきたあなた ずっと忘れられなかった 昔の面影を残して 突然現れたあなたに 唇を奪われて その夜、再び恋に落ちました ワインを飲みながら 世界中を旅してきたあなたの話に耳を傾け 大人になったあなたの やさしさに包まれて あなたに酔ってしまいました 愛しすぎてはいけないと 抑えてきたのに あふれる想い 抑えきれなくて 涙がこぼれます ずっと会えなかったのも運命 今、ふたたび会えたのも運命・・・と あなたは言いました 今宵あなたと結ばれたのも 運命でしょうか・・・ 幸せとせつなさがあふれ、 夜空に瞬く星が涙で揺れています


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BGM: "星に願いを" Shakatak