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「な……に、するんだよぅ、大神ぃ……!」
加山の質問に答えることなく、大神が加山の身体をまさぐっている。雨で濡れた服を剥ぎ取られると、大神のベッドに押し倒された。暗くてよく見えないが、見上げた大神の顔が酷く切羽詰ったような顔をしていたので、何も言えなくなってしまった。
「や……めろって!こんなの…………変だろう!」
大神の手が下着の中にまでもぐり込んできて、その冷たさにぞわりと鳥肌が立つ。握られたそこに血液が流れ込んで、びくりと身体がはねた。
「ん……なとこ触って…………どうすんだ、大神ぃ!」
ようやく喋ったと思ったら、それが酷くかすれたため息まじりの声だったので、加山の背筋をぞくりとしたものが駆け上った。強い力で手を取られ、導かれた場所には大神のそれが膨れ上がって脈を打っていた。
「おまえっ……!」
大神の声が泣きそうで、加山は胸がしめつけられるようだった。ぞくぞくとした感覚が増して、血液がその器官に集まっていくのがわかる。貪るような激しいキスで、もう頭の中がぼうっとして何も考えられなくなっていた。あの大神がこんなことをするなんて、と現実を否定するような考えが幾度も脳をよぎったが、抱きしめてくる大神の力の強さや、大神の匂いにすべてかき消されてしまった。
「ん……っ、んう…………っ!」
唇を塞がれているので、声も上げられないし呼吸もままならない。酸欠で気を失ってしまうのではないかと思えた。それほどに、大神に擦りつけられるそこが熱く、わけがわからないままに射精感だけがこみ上げてくる。
「はぁっ…………加山、入れたい……、ここに……」
ようやく息がつけたと思ったら、無防備なそこに大神の指が侵入してくる。圧迫感と羞恥心に、頭がおかしくなりそうだった。
「中、きつそう……入れてもいいか?」
そんなところをいじったことなんてないし、ましてや他人にいじられるはめになるとは夢にも思わなかった。加山は真っ赤な顔で涙をぼろぼろ流しながら、大神にしがみついているので精一杯だった。指が出て行ったと思ったら、もっと手に負えないものが侵入してくる。
「ひっ…………!」
ぎっちりと根元まで埋め込まれ、なんとか大きく呼吸をして気を紛らわせるしかなかった。萎えかけたそこを扱かれると、埋め込まれたもので内部をかき回される。
「ぐうっ……、ぅ……っ!」
霞む視界で大神を捉えると、大神の方が余程苦しそうな顔をしているように見えた。とろりとした目をして、喘ぐ口元から覗いた舌が加山の耳元に降りてくる。
「…………俺も、好きだ」
熱くて、苦しくて、大神に抱きしめられて揺さぶられて、たまらず閉じたまぶたの裏に極彩色の模様が点滅した。それは光を増して色数を増して、絶頂に向かって白く弾けた。
のんきに並んで歩きながら、部屋に向かう。窓の外は今日もいい天気だった。
「おい加山、おまえまた何かやらかしたのか?さっき三瀬教官が探していたぞ」
廊下の向こうから歩いてきた二号の矢口が、加山に向かって心配そうに言う。
「何ぃ?三瀬教官が?身に覚えが……」
渋い顔をしている加山に向かって、大神が容赦ない言葉を浴びせる。
「ひ、酷い、大神っ」
大神はくすくすと笑って、加山にひらひらと手を振った。自分は部屋に戻るから、おまえは呼び出しに応じろ、というメッセージである。
「うわぁ〜ん、大神ぃ、慰める準備して待っててくれよなぁ〜!」
加山の情けない声を背中に聞きながら、大神は部屋の扉を閉めた。加山のとぼとぼとした足音が遠ざかっていく。
(……変わる景色、変わる気持ち)
それを箱から取り出すと手に持ち、中を覗き込んでみる。加山が壊してしまう前と、風景は変わっただろうか。それはわからなかった。
(…………よく変わる表情だ)
万華鏡は太陽の下で見るのが一番美しい、と夢みるように言い、贈ってくれた人を思い出す。それは、太陽の下を歩めという意味だったのだろうか、大神にはわからない。
(……ただ、きれいだな)
少しもじっとしていないその美しい模様を見つめながら、大神は様々なことを思い出していた。ずっと昔、幼かった頃のこと、数年前のこと、江田島に来てからのこと、ここ数日のこと。それから、これから向かう未来のこと。
終わり |