| 11.失敗 |
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「ほほーう。お前さんか。ウォメの言っていたアマラ族の少年っつーのは。」 「え。」 コンピューターのメンテナンスをしているシグマは、ウォメに連れられてここへ来たものの何をすればいいのか分からず困った顔をしているプールをしげしげと見ながら言った。 プールはシグマにそう言われてもっと困った顔をした。 ウォメはまた何かごそごそと後ろの方で何かを探していた。心なしかいつもより顔の表情が固かった。 「へーっ なるほどなぁ!これでリデリアに一泡ふかせてやれるかもしれないな!」 「あの、あのー…。」 シグマの作業を横で手伝っていたオレンジ頭のトラインは興奮しながら言った。 この部屋にはプールとウォメとシグマとトラインの4人しかいなかった。他の人達は別の場所にいるのであろう。 「ここはカディラっつーところだ。おまえさん、リデリアのやつらに捕まってたんだって?でもここは安全だからまー安心しな!きったねーけどな!ハハハー」 「なぁなぁ!アマラ族ならあれやってみせてくんない!ほら、手から光りが ぶわァーってやつ!」 「ぶわァー?」 「ウォメが見せてくれた本にそのことが書いてあってさ!俺もうそれが見てみたくてたまんないんだー!」 「じゃなくて俺は アマラ…」 「でもすごいな。アマラ族って絶滅したとか言ってなかったけか?」 「〜じゃなくてさ!俺は!アマラ族じゃないよ!!」 プールはシグマとトラインにイロイロととめど無く話され、口の中に詰まっていたものを吐き出すように言った。 シグマとトラインは目を大きく見開いて一瞬 止まった。 「まーた何言ってんだよ!俺達はリデリアと違ってお前になんかしようなんて思ってないって。」 「いや、彼はアマラ族じゃない。」 後ろからウォメがそう言った。そして何やら 分厚い本を持ってきて、プールが座っている前のテーブルにおいた。 「・・・まじで?」 「まじだ。おおまじだ。」 「なんで、わかるんだ?」 「本人がそう言ってるだろう。そしてなによりアマラ族の特徴がない。」 「特徴?」 「ああ。この本にあるように、アマラ族の持つ瞳孔は縦に長い楕円形なんだ。」 ウォメはそう説明しながら持ってきた分厚い本を開いた。 その本は古くなってホコリだらけで色褪せて破れていたものの、詳しい文章の横には挿し絵があって大変わかりやすかった。トラインが昔見せてもらったとゆう本はこれのことだった。 そしてウォメは数ページ先へ進んだ。 「そして腕には独特の刺青がある。彼の左腕の傷跡はきわめてこれに似ている。だが刺青ではない。」 「…なるほど。」 「少年とは、下の襲撃のときと牢屋とで2度 会ったが両方とも暗かったから分からなかった。明るい所に来て分かった。彼は一般人だ。失敗した。」 ウォメは言葉は冷静そのものだったが、悔しそうにみけんにしわを寄せていた。 |