18.ウォメの絵

「さて・・・と。どこから話したもんかな。」

カディラの中にいる者は全員フロアに集まっていた。フロアとは、ウォメ達がいつもに行く時や帰ってくるときに出入りしているガラスのない窓があるあの部屋だ。しかしフロアという名がもったいないくらい、その部屋は狭く薄汚れ、物でごちゃごちゃしていた。

「いきなりで悪いんだが俺ァー、プールがなんでフレイムブリッドに来たのか詳しく聞きてぇな。」
シグマが言った。

「じゃぁ、改めて自己紹介・・・だね。俺の名前はプール。正式名はセアプールラズ=ラド。」
『セアプールラズ?じゃあなんで”プール”なんだー?名前は略せば普通は”セア”とか”セアプール”じゃねーの?』
「ああ、俺の故郷は独特で、名前の真ん中を取って略すんだよ。だから”プール”。」
『ほーぅ。』

プールは質問に答えて再び続けた。

「俺には双子の弟がいたんだけど、数年前からずっと行方不明なんだ。ずっと探していたけど俺はもうあきらめかけてた。そしたら数日前、弟がフレイムブリッドにいる、ってゆう手紙が来た。差出人も住所も書いてない。前から旅に出ようと考えてたし、俺は弟を探してみようと思ってここに来た。」
「ふーむ。さっき言ってた”探している人”と”ルキート”ってやつはお前さんの弟のことか。」
「そう。」

部屋は一瞬静まって、そしてウォメが聞いた。

「なるほど。ちなみにプール、お前はどこから来た?」
「俺?俺は・・・俺の故郷は西の方。名のない、呪われた土地・・・。」
「西、か。」

なにか物思いにふけるような顔をしたプールをちらっと見て、ウォメは腕を組んで何か考えていた。そして言った。

「よし、じゃあ次は俺達の説明だ。」

ウォメは部屋の真ん中にあるテーブルに紙を出して、図を書きながら説明した。

「俺達、つまりカディラはここ。その斜め下にリデリアがある。下にはフレイムブリッドタタビアアヤの3つの街がある。地上から、カディラとリデリアまでの距離は・・・これぐらいだな。」

そう言いながら、矢印と数字を書いた。

「俺達はいつもこの距離を降りてまで行っている。」
「!そうだ!忘れてた!なんであんたらは下に襲撃に行くんだ?なんであんな・・・!」
「まあ待て。その説明は後ほどする。」


ウォメ画
<ウォメ 画>


ウォメの図と文字は、あまり上手ではなかったが、プールはとてもよく理解できた。

タタビアは高い塔のある街で、商業が盛んだ。アヤは大きなドームのような天井で囲まれている街だ。金持ちや知識人の多い所だな。フレイムブリッドは行ったからどんな所かはだいだいわかるはずだ。農業が盛んだ。祭ごとが好きな連中が集まってるといっても過言ではない。」

そして、ウォメの説明は引き続き行われた。


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