| 25.GSB |
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AG86にはどうやら銃弾は当たっていないらしい。それを確認すると、二人は降ってくる破片や銃弾を懸命に避けながらこの部屋を出ようとした。 そして全員がコックピットに集まった。ウォメが素早く指示を出す。 「よし、全員無事だな!シグマ、トライン!リデリアの電波を妨害しろ!向こうのモニターからカディラの位置をもみ消せ!」 「よし来た!」 「まかせろぃ!」 そう言って二人はコックピットに座って何やらキーボードを打ち始めた。 トラインは待ってましたとばかりに元気よく言う。 「おーし。まずはGSBでカディラ表面全体を覆うだね!」 「ンー?GSBって何だ?」 「ああもうちゃんと覚えてくれよ!前に説明したじゃんよ!」 「わっはっは悪いな!この年になってだんだん物覚えが悪くなってんでな。」 シグマはいつものように大口を開けて豪快に笑った。トラインは毎度毎度のように困った顔をしながら言った。 「いーかぃ、もう一回説明するよ?GSBってーのはあらゆる電波を跳ね返さずにその場で吸収して、発信元の相手に届けさせなくする特殊な電気の膜のこと。基本的にリデリアの電波は、謀体に当たって跳ね返ってきた電波をキャッチして、俺達の位置を把握してんだ。」 「ふーんなるほどな。電波を吸収しちまえばリデリアに跳ね戻ってこねぇから、カディラの位置が分からなくなる訳か。」 「そゆこと。もういい加減覚えてくれよー!」 「わっはっは。」 シグマはまた豪快に笑った。 そうして二人は再びキーボードを慌ただしく打ち始めた。ウォメの指示はまだ続く。 「アロエ、リオウ、俺は応戦!ケタンとプールは第二機関室へ行って原動力の確保!リデリアの隙を突いてこの位置を離れ30キロ上昇する!」 「りょーかい!プール!ついてきな!」 爆音が轟く中、二人の走る足音が通路に響いた。 |