| 28.リデリア |
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ある別の場所。 その部屋の中は壁が全面ガラス張りになっていた。窓から見える外には空が広がっていて、たった今、その空の中から一つの点が消えた。 「・・・っ、イリキ様!!」 赤い服を着た一人の男が、ものすごく焦った様子で部屋の中に入ってきた。ドアが手動のものだったら、男の焦りで乱暴に扱われて壊れていたところだったが、鉄製の自動ドアだったので、そのような事態はまぬがれた。 『上司の部屋に入るときの礼儀ぐらい知らないのかなぁ君は。』 イリキと呼ばれたその人間は、窓の外を見ながら後ろを向いたまま言った。とても落ち着いていて、冷えた声だった。 赤い服の男はしまったというような顔になり、走って来てさっきまで真っ赤だった顔が、一瞬で青くなった。そして何を言われるか脅えながらも、震えた声で一言すみませんと謝った。 『で、何だい。』 後ろの男が謝罪の言葉以外何も言ってこないので、イリキは言った。 "で"という言葉が異様に強調されていたので、男は一瞬びくっと肩を動かしたが、伝えるべき事を伝えた。 「あ、あの実は、先ほど襲撃したカディラなんですが、その、モニターから消えまして、ええと、壊滅にはし、失敗・・・いたしました。」 『ああ。上の方に消えていくのがさっきこの窓から見えたよ。はっきりとね。』 イリキはまたもや"はっきりと"をイヤミなぐらい強調して言った。それは部下の失敗を責めるかのようなものだった。男はまた肩をすくめた。 『だからまず始めにGSBを破壊しなきゃいけないんだ。あいつら逃げ足だけは速い。』 イリキはそう言って椅子に着いた。 「も、もう、申し訳ありません。あの、GSBの原動力と配置は、ええとその今現在調査中でして・・・」 男は極度の緊張からどもりまくっていた。 イリキはその言葉を聞いて少し考えて、言った。 『んー。別に今そんなことしなくてもいいよ。奴らはまとまってなんぼのもんだし。ちょっとかき回せば勝手に自分で死んでいくさ。』 「は、はぁ。」
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