29.ビリビリの空気

それは、リデリアの攻撃を避けるために30キロ上昇し終わり、散乱したガラスの破片などを片づけているときだった。もともと散らかりっぱなしだったから、いい掃除になるだろう。

「・・・悪ィ、なあおっさん、もう一回はじめから説明してくれよ。訳が分からなくなってきた。」

色々な破片を袋に流し入れながら、プールはウォメに再び説明を求めた。膨大な量の情報が一度に頭の中に詰め込まれて、混乱しているのだった。
その様子を見てケタンがプールに一言。

「アホめ。」
「うっ。うるさいな・・・!」

中身がごった返している引き出しを整理していたウォメは、そこいらの鉛筆と要らない紙をもってやってきた。

「よし。まだ途中だったしな。この説明は複雑だが、面倒だから一回しかしないから耳の穴かっぽじってよく聞け。」

彼らしい理由をつけながら、ウォメは絵を描きながら説明しだした。

「いいかまず、誰の体の中にも、多かれ少なかれサイマグネットの原力がある、というのは話したな。」(22話参照)
「うん。」
「その原力を多く持っているのがオーカーで、一般人はほとんど持っていない。」


『ウォメはちょっと絵がうまくなった!』▼


「この原力を増やす事ができれば、誰でもオーカーになれる。その方法ももう説明したな。“AG86に触れる”、“地道に増やしていく”、例外で“生まれつきある”の三つだ。」(22話参照)

プールはウォメの説明を聞きながら、袋を床に落とし図にくぎ付けになっていた。
ウォメの説明はまだ続く。

「あのAG86という巨大な機械は、サイマグネットの火種になっているような物だ。お前も見た通り橙色の閃光を放っていたろう。」
「あ、ああ。あとすごい音もしたよな。」
「あれは一種のエネルギーだ。」
「なんだそら?」
「オーカーのサイマグネットは、そのオーカーの持つサイマグネットの原力が、AG86の放つ力に反応して作られる。」




「オーカーはAG86に近づいても触っても何ともないが、一般人は違う。」
「ビ、ビリビリする。」
「そうだ。AG86のエネルギーは空気を伝って広がる。一般人はその空気に触れただけで静電気のような感触を覚える。そしてそのAG86本体に触れば、死ぬかオーカーになるかだ。(21話参照)」

だからか、とプールは思った。
ここフロアはAG86のある部屋からは離れているが、カディラ全体にエネルギーが広がっているのだろう。カディラに来てからずっとビリビリしている。

「そしてだなプール。その空気に触れた、オーカーでない一般人をアギーと呼ぶ。」
「えっ、それはなんだ、俺もアギーってことか?」
「ご名答。」


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