3.「夜が来るぞ!」


空は晴れていた。
男達は、近くの森や平原に行きいろいろな動物を獲ってきた。女達は、収穫期の今の時期に採れた野菜や遠い所から仕入れた食料、男達が獲ってきた動物などを、蓄える分だけ残してあとの物をありったけ使いいろいろな料理を作った。広場にはそれらの料理がのったテーブルいくつもあった。家と家の間や柱には、花や飾りのついた長いロープが渡してあり、街全体がとても華やかだった。商人は自分の商品を買ってもらおうと大声を張り上げていた。音楽が流れていて踊っている人や、火を噴いたり犬と芸をしている人もいた。皆とても楽しそうだった。

そのにぎやかな所からほんの少し離れた場所にある停留所に、今にも崩れ落ちそうなほどさびれたバスがかしょかしょ音を立てながら現れ、青い髪の青年が降りてきた。そのバスはタイヤもボコボコだったのでかなり揺れたらしく、青年はちょっと酔ったようだった。
すると、それを見つけた広場にいた数人の人々が寄ってきた。

「よぅ!あんた旅の人かい?」
「だったらこの街に寄っていきなよ!いいところだぞ。お勧めの宿もたくさんある。」
「おっ!それはうちだぜ!なんせうちの宿は…」
「いーえ!いい宿はうちよ!この街で一番の宿!」

「え。あ。いや。あの。」

やっとバスから降りることができて、気分を晴らそうと思った所なのに周りから一度にいろいろ言われプールは戸惑った。よその人が来るのがよほど珍しいらしく、どんどん人が集まってきた。気がつくとプールは囲まれていた。

「ちょっとお兄さん!宿探してんならうちに来てよ!」

右の方から女の子の声がした。声のした方を見ると、後ろの方から一生懸命人ごみをかき分けて、黒い長い髪の女の子が出てきた。

「今なら安くしとくよ。なんなら飯代はタダ!それからこの街のガイドもしたげるよ。私すみずみまで知ってるからさ。」

プールはとにかく一刻も早くこの人だかりから脱出したかったので、その女の子の宿にすることに決めて、宿までの案内を頼んだ。街のガイドとゆうのに引かれたこともあった。フレイムブリッドのことを隅々まで知ってる人なんてそうそういないだろう。でも一番の決めては飯代がタダとゆうことだった。

「私チア。あなたは?」
「俺はプールだ。にぎやかな街だな。祭りでもやってんの?」

やっと人ごみから抜け出せたプールは、チアと一緒に宿に向かって歩いていた。

「ああ、今日はね、収穫祭なの。ここのところ不作が続いてたんだけど今年は豊作だったの。運がよかったねプール!せっかくだし宿に行く前に楽しんでいかない?」

そういって二人は料理を食べたり歌ったり芸を見たりした。話を聞くと、チアは家で宿を営業していて6歳の頃から手伝っていて、もう10年になるらしかった。それから、夜になったらどんな用事があっても絶対外に出ては行けない、と言われた。プールは不思議に思った。

「そうゆう決まりなの。別にうちだけじゃないわよ。ここの街みんなそう。」

納得がいかなかった。獣が襲ってくるとしても、街には頑丈な塀もあるし男達は猟の達人のはずだった。訳を聞いても規則だとしか言わないので、他の人に聞いてみることにして、一度チアと別れた。しばらく歩いて、バスを降りた時によってきた人たちに聞いてみた。

「あの、夜に外出しちゃいけないってゆうきまりがあるって聞いたんですけどなんで?」

そう聞いた瞬間、周りにいた人たちが一斉にこっちを見た。そしてその街の人は、

「い、いや…なんでって…あっ!悪いね兄ちゃん、俺達用事思い出しちまって!じゃっまたな!」

そういってそそくさと去っていった。他の人も、

「あ。俺もう行かなきゃ。じゃな!」
「ごめんなさい、娘が待っていますので…」
「あ〜ネム…」
「とりあえず食え!なっ?」

など様々で、聞こうとするとみな顔色が変わる。しまいには目をそらして避ける者も出てきた。そしてプールがもう聞くのを止めようとしたそのとき。

カンカンカンカン!

「夜が来るぞ――――――――――――――――――――――――!!!!!」

高台にのった一人の男が鐘をならして叫んだ。日の光がある方を見るともう太陽が沈み始めていた。それに気づいた人々はきゃぁとかわぁぁとか声をあげながら大急ぎで片付けを始めた。

「よ―る―が―来るぞ――――――――――!!いそげ―!片付けなんていい!テーブルなんてそのまま置いて行け―――――――――!」

子供を抱えて走る者、高い柱をピョンピョン飛んで行くもの、建物にわたしてあるロープを伝って行く者、ロープを切って下に降りる者、焦って転ぶ者。みんな声をあげて急いでいた。空はどんどん暗くなっていった。鐘はずっと鳴っていた。
とうとう真っ暗になったころ、空に無数の光りがてんてんと現われはじめた。するとヒュン!とゆう音が複数同時に聞こえてきた。そして、




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