32.ハック

説明を終えた二人は、皆がまだ掃除をしているのを手伝い、掃除を終わらせた。

「さて、次は、俺がさっき外に出てしてきたことの報告だ。」
『ああー。プールが仲間になってすぐ出かけたやつだよな?』
俺がメンバー紹介をする前だね。
「トライン、ちょっと手伝ってくれ。」

全員フロアのテーブルを囲むようにして椅子に座り、ウォメとトラインはなにやらボードのような物を持ってきて説明をしだした。

「俺達カディラの敵はリデリアだ。いかなる時でも敵の状態を把握し、それに対応することが重要だ。」

いきなり小難しいことをつらつら言い出すので、リオウは少し落ち着きがなくなった。

「それにはやはり相手側の情報が必要とされる。」
「おいおいそんなこと言ったって、その情報を手に入れるために毎度毎度リデリアに進入するのは大仕事だろうがよ。」
「そうだ。だからトラインの協力をもってある物を使った。」
「ある物?」
「そう。これだ。」

そう言ってウォメは懐から手の大きさほどの機械を取り出した。
そしてトラインは部屋の奥から小型のノートパソコンのような物を持ってきて、ウォメから先ほどの機械を受け取り、二つを取り付けた。
すると、ブン、と音をたてながら、青く光った透明のモニターが宙に現われた。それには文字がたくさん書いてある。

『なんだこれ?』
「これは、リデリアの住人に日ごとに配信される情報だ。」
「なにそれ!本当なの!?」
本当だよ。いわゆる新聞みたいなものさ。その日リデリアで行われること、起こったこと、幹部の伝言、いろんな情報が満載ー!
「すげー」

皆が目を開き、そのモニターにくぎ付けとなった。
これならリデリアの、サイマグネットの研究過程も分かるかもしれない。

「それはそうとどうやってこの日ごと配信の情報のことを知ったんだ?」

ケタンが尋ねた。それはそうだ。皆不思議に思う。

GSBを使って逃げたときに、どさくさ紛れでリデリアの電波から向こうのコンピュータに侵入してやったのさ。それでそのことを知ったんだけど俺はアギーだから、リデリア本土にその情報を盗むための機械を取り付けに行くなんて出来ないから、ウォメに頼んだんだよ。
「ああ。行ったのは俺だが、トラインがいなければそのことは知らないままだったな。」
それ系統のことならまかせろぃ!

腕を捲し上げて椅子に立ち上がるトラインを囲み、皆が口を合わせて、おー、と言った。

ためしに読んでみるか。えー何何?今日は、"リデリア北東部でキュウリ入りカレー店が開店そうそう大繁盛。新たな流行の予感。"
「・・・・・・。」

期待とは裏腹のその記事に皆しんとなった。

「え。それって結構どうでもよくない?」
「リデリアって意外にお茶目さんね・・・。」
なにー!絶対役に立つんだぞこれはー!


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