38.カエル獲りへ行こう

「数年前、アイオンズドームが爆発してサイマグネットの原力がいたる所に散乱したというのは話したな。」
「うん。その原力のせいでここの地域が荒廃したんだよね。」
「ああそうだ。そしてリデリアが夜の襲撃と共にその散らばった原力を再び集め持ち帰って、アイオンズドームと同じようにサイマグネットの研究をしているというのは話したか?」
「うん聞いたよ。」

プールは次ぎはどんな話が聞けるのかと、顔が好奇心に満ち溢れていた。
ウォメは再び鉛筆を動かして言った。

「散乱した原力は広範囲にわたっているが、その散らばり方には場所によって濃淡がある。つまり、原力がたくさん集まっている、原力の溜まり場が所々あるのだ。」
「じゃあ逆に原力が全く飛び散っていなくて被害が無い場所もあるのか?」
「いや、限りなく少ない・・・というか無いに等しいだろうな。溜まり場でない所も少なからず原力が散乱している。」

ウォメは顎に手を当てて考えているときのようなポーズをとった。
そして思い付いたように言った。

「ああ。フレイムブリッドは例外だな。あそこは他と同じように原力が散乱したが、沃土のお陰で食物だけは育つ。話したな。」(19話参照)
「うん。」
「む。話がそれたな。戻すぞ。」

ウォメは自分の小さな失態に気がつき、不覚だ、と心の中で思っが、悟られないように平生を装った。

「その原力の濃淡はあることは分かっているが、俺達人間の目ではどこが溜まり場なのかが区別がつかない。」
「あっ、見えてるわけじゃないのか。」

プールは目を丸くした。あれだけ強力な能力を色々と持っているのだから、そのぐらいのことはたやすくこなしていると思っていた。
オーカーはかなり人間離れしたものだと思っていたが、ここ数日間で、そこまでではないとプールは感じていた。普通の人間に近い、自分に近いものなのだと。
ウォメはプールの目を見てうなづきながら続けた。

「その溜まり場を見つけ出すのに一役かっているのがあのカエルだ。」
「・・・。あのカエルが?」
「そのカエルを駆除するのが俺達の襲撃に行く二つ目の目的だ。」


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