6.腕の傷跡

「ウォメ!」

ウォメとゆうその男は髪は短く、一束だけ長く伸びていて、体にはマントのようなものをまとっていて手袋をしていた。

「今は仕事の真っ最中だぞ、アロエ。」
「あーはいはいごめんなさい。ちょっとムキになっちゃったのよ。」

女はアロエと呼ばれていた。アロエは銃に刺さっているナイフを抜き取り、プールの目の前に落とした。

「そんな腕輪なんてどうでもいいから返してやれ。ケタンとトラインとリオウはもう集合場所にいる。急げ。」
「リョーカイ。」
「あーそれとお前。」

ウォメはプールの方に向いた。

「おまえらのような地上の人間が俺らオーカーにかなうとでも思っているのか。オーカーも甘く見られたもんだ。これ以後そんな甘い考えは捨てるんだな。下手すれば死ぬだけだぞ。」

そう言い捨てると2人は、プールが戻ってきたさっきの細い路地の方へ向かっていった。ウォメは、自分を含め空から降りてきた「上の人間」のことをオーカーと呼んでいた。

「おい!」
プールはウォメに言った。ウォメは振り返った。

「おまえら人を襲ってそんなに楽しいのかよ!」
「殺してはいない。必要なものを必要なだけ持っていくだけだ。」
「殺してないとかそれ以前の問題だろが!おまえら頭おかしいよこのハゲ!
「ハゲ…」

ウォメははげてはいなかったが自分の頭をさすってみた。そして再び路地の方へ向かって歩き始めた。
2人は走らずに歩いていて、他のオーカーの格好の獲物であり幾度となく襲われていた。しかし2人の体に触れる前に何かに跳ね返されていた。そのときプールはしっかりと見た。跳ね返される瞬間、ウォメを中心に銀色の何かが一瞬だけ広がり、また消えた。

(なん、だ。ありゃ…。ここに来てから分からないことだらけだ…!)
「プール大丈夫!?」

目を丸くしていたプールの元にチアが走ってきた。そして布を裂いて傷を手当てし始めた。

「あーあーこんななっちゃって。ごめんね。私なんかのために…ありがとう。」
「いや、別に…。それより、ほら。」

プールはとり返した腕輪をチアに渡した。チアはいまにも泣き出しそうな顔をした。

「あら、この傷は…?」

手当てをしていたチアは、プールの左腕の奇妙な傷跡を見つけた。その傷はなにかの模様をかたどっているかのような形をしていた。あのとき細い路地で痛んだのはこの傷だった。

「あぁ、これはー」
おい!こいつアマラ族じゃねぇの!!?

いきなり大柄な男がプールの左腕をわしづかみにして無理矢理引っ張った。
背を向けて歩いていたウォメはその声を聞き、驚いたように振り返った。

「うわっ!なんだよこのオヤジは…!」
マジで!?マジで!?

腕をつかんだその男もオーカーらしく、仲間がどんどんやってきた。彼らは赤系統の服を着ていた。どうやらウォメやケタン達とは違うグループのようだった。
プールは腕を振り払おうとしたがなかなかできなかった。仲間はどんどん増えてくる。プールはチアに逃げるよう言ったがチアは嫌がった。

よしリデリアに帰ってこいつをジル様に突き出すぞ!
おー!!

その男達はリデリアの人間だった。リデリアとゆうのは、空の上に浮かんでいる大きな建物のようなもののことだ。彼らはいつもそこから、この「下」に降りてきて、街を襲撃していた。
襲撃しに来る人間は2つのグループに分かれていて、このリデリアの他にもう一つ、カディラとゆう小規模なグループも存在していて、それはリデリアの斜め上の方に、小ぢんまりと浮いていた。ウォメやケタンや、リオウという猫達はカディラの一員だった。

カディラとリデリアは敵対同士であった。リデリアが地上へ襲撃しにくる時は決まってカディラも来ていた。そしてリデリアの邪魔もしているのだった。

リデリアの男達は、飛行船のようなものが止まっている所までプールを引っ張っていった。腕を折られそうなほどの力で握られ、逃げだそうにも無理だった。

「畜生っ!」
「プール!」

チアはプールを追いかけ助けようとしたが、リデリアの男達に突き飛ばされてしまった。
そしてプールを乗せた飛行船はリデリアに向かって空へのぼっていった。チアはその光景をただ見ている事しかできなかった。
走ってきたウォメも息をあげながらそれを見ていた。

「くそっ!リデリア!!」



5に行く7に行く