| 8.4人の見張り |
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ウォメ達のいるカディラは、リデリアと同じように何らかの力で空中に浮いていたが、リデリアよりも上の方にあった。 ウォメは窓から飛び降り、ゆうに1キロは越えるものすごい長さの距離を跳んで、リデリアの外壁に飛び出ている階段の一つに乗った。その階段を数段下り、壁の戸から見つからないように中に入った。 ウォメはあの少年(プール)は牢屋に入れられていると考えた。外部から人をさらってきた時はいつもそうだったからだ。 ウォメは小さい頃何度もリデリアに忍び込んでいたずらをしていて、その度に牢屋に入れられては脱走していた。牢屋の場所を知られてしまうとリデリアにとっては分が悪いので、ウォメは牢屋に連れて行かれる時はいつも目隠しをされていた。しかし連れて行かれた数は半端ではなかったのでウォメはもう道順を足ですっかり覚えてしまっていた。 ドアから入ったらすぐ右を向き、1,2,3歩。そして左に13歩。少し右によって階段を上り、さらに右に30歩。 牢屋に連れて行かれた時はいつも2人の付添人がついていた。彼らは道順を覚えさせまいと、たまにウォメの体を一回転させて方向を分からなくさせたり、左右めちゃくちゃに歩かせたりしていたが、そのパターンも毎度毎度同じだったので全く効果はなかった。その付添人は頭が悪かった。 なんて、思い出にふけっている場合ではない。次の角を曲がれば鉄格子が見えてくる。 リデリアの人間の大半はまだ「下」で襲撃を続けているので、ここに来るまでに人に出くわすことはなかったが、牢屋の近くには見張りがいる。油断はできない。 ウォメは壁に背をつけて、隠れるように牢屋の周りを注意深く見た。 牢屋は1本の廊下の両側にに向かい合うようにあり、50mほど続いていて、見張りが4人等間隔に並んでいた。 ウォメは突如、右腕をまげて体の前に出した。すると腕はだんだんと溶けた鉄のようになり、銀色に光り出した。 ※普通マンガは右からですが、これは左から見て下さい。 ![]() ![]() ウォメは腕から出した銀色の弾を、背中に「No.98」と書いてある見張りの男の後ろの壁にカン、と当てた。男は何が当たったのか分からず、音のした右の方を見た。 その隙を突いてウォメは高くジャンプをして男の上に跳んだ。 するとその見張りの男は驚きながらも銃を向けてきた。男が撃とうとした瞬間、ウォメは右腕で銃を押し上げるようにぶつけた。するとまだ銀色に光っているその腕は銃に巻きつき、これ以上曲がらないというぐらいまで捻じ曲げてしまった。その銃はヘビがトグロを巻いているような形になった。 その男の「うわっ」とゆう声を聞きつけ他の3人も走ってきた。 「10年前と同じで見張りは4人か。相変わらず手薄だな。」 ウォメはまだ思い出にふけっていた。 |