立教大学大学院 異文化コミュニケーション研究科 「会議通訳法1」


2004年前期の授業内容(予定)

1.            ガイダンス・会議通訳とは

2.            会議通訳の形式と方法

3.            通訳者の役割

4.            通訳者の養成訓練(1)音声表現力の訓練(発音・発声・滑舌の練習)

5.            通訳者の養成訓練(2)スピーチの組立と伝達

6.            会議の事前準備(1)調査ツールについて

7.            会議の事前準備(2)資料の作成

8.            逐次通訳のノート・テイキング講義と実習

9.            原稿付き通訳の方法

10.    同時通訳とチャンキング、順送りの訳出

11.    通訳市場について

12.    通訳倫理について

------------ 第一回 ------------

通訳業務の種類

      会議通訳とは
会議通訳者(Conference  Interpreter)

¨     一般に「同時通訳者」とも呼ばれる

¨     同時通訳の技術を習得している

¨     主に国際会議で通訳を務める

¨     通訳技術そのものを提供することが仕事

¨     大部分はフリーで活躍している

¨     エージェントによるランク分けがある

      Aランク:どんな専門分野でもこなせる同時通訳者

      Bランク:全分野で逐次、一般的内容の同時通訳

      C(一般通訳):経験年数が浅く、同時は得意分野で

●活躍の場は多種多様。高度な通訳技術が必要
複数言語を使用して行われる国際会議など
出席者同士の意思疎通を助ける
サミットのような政府間レベルで行われる大規模な交渉
民間のシンポジウム、セミナー、企業内のミーティング
テーマ:政治、経済、金融、コンピュータ、情報通信、社会問題、医学、芸術など実に多岐
各分野の専門家が集い、最先端の情報がやりとりされる場合が多い
日本で国際会議が開かれるのは春と秋が多く、特に10、11月は会議通訳者の繁忙期

●同時通訳と逐次通訳の2種類の方法がある会議通訳
 「同時通訳(同通)」と「逐次通訳」
同通はスピーカーの発言を聞きながら同時進行で訳していく
多人数が参加し、長時間・長期間にわたる会議はほとんどがこの方式
スピーカーは通常のペースで話すため、両言語に対する即時的な理解力と表現力に加え、瞬発力、集中力
日本語と英語のように、文法構造が大きく異なる言語間の同通をこなせるようになるには特殊な訓練が必要
通常は2〜4人でチームを組み、15〜20分程度で交代
一人が通訳する間、ほかの人たちは桁数の多い数字や間違えやすい言葉などをメモしてサポート
大規模の会議の場合、「同通ブース」を使用

逐次通訳は、スピーカーがある程度の長さ発言した後で、その部分をまとめて通訳していく方法
発言者と通訳者が交互に話すやり方
少人数の社内会議、記者会見、セミナーなど
まとまった量の発言内容を正確に通訳しなければならないので、ノート・テイキング(メモとり)は必須。
プロの通訳者たちは自分なりの略号や記号を駆使して、素早く正確な通訳ができるよう工夫している。
発言内容をある程度記憶しておく「リテンション」の能力も求められる。

同時通訳は独立した同通ブース内で行うのに対し、逐次通訳は発言者のすぐ隣で行う
逐次通訳は通訳する間、会場の注目を浴びる
大勢の前でも冷静でいられる「舞台度胸」も要求される。

技術的には同通のほうが難易度が高いとされることが多い
訳出にいっそうの正確さを求められる逐次のほうが難しいという通訳者もいる。
同時通訳と逐次通訳のどちらが難しいかは一概に言えない

最近の問題:発言者の肉声を聞きながら多数の聞き手に肉声で同時通訳する、という方式(大声ウィスパリング?)が社内会議の通訳などで使われることがあるらしい。→セルフモニタリングができるか? 話し手にとってどうなのか? 聞き手にとって聞きづらくないのか?

・リレー通訳

大規模な国際会議などはマルチリンガル(多言語)で行われることもある。日本で開催される会議なら、日本語が「リレー言語」となり、中国語←→日本語←→英語というように、日本語を仲介して意思疎通を図る。
複数の通訳者が間に入ることで伝達内容の正確さが損なわれないよう、格別の配慮と通訳者同士の協力が必要となる。

・専門知識の重要性
専門用語をよどみなく通訳するには、事前の入念な資料の読み込みや周辺事情の下調べが欠かせない。
日本語・外国語の各種メディアに目を通して、最新の用語や情報をチェック
気になる言葉はメモしておくなどの地道な努力
通訳者数の多い英語においては金融、コンピュータ、医療など自分の得意分野をもつ
会議直前に渡された資料を限られた時間で読みこなすなど、「読む力」も重要になってくる
膨大な資料の中から必要になりそうな情報を素早くピックアップし、優先順位の高いものから目を通すといった情報処理能力も要求される

THE PROFESSION

What is a conference interpreter?

A conference interpreter is a professional language and communication expert who, at multilingual meetings, conveys the meaning of a speaker's message orally and in another language to listeners who would not otherwise understand.

The work of a conference interpreter is an oral intellectual exercise which is quite distinct from written translation and requires different training and qualifications.

Conference interpreters work in the heat of debate, thinking as they speak.

Conference interpreters usually work from one or several foreign languages into their mother tongue.

Conference interpreters use different modes of interpretation (simultaneous, consecutive, whispering) depending on the type of meeting and working environment.

Conference interpreters usually work in a team put together for a specific conference by a consultant interpreter who will take into account the language needs and other requirements of the event.

AIIC interpreters have made a commitment to quality and professionalism. They are bound by their code of professional ethics and undertake to observe the strictest professional secrecy.