★ ☆ NEW YEAR ☆ ★

◆ ◇ イアペタス フライバイ ◇ ◆

 

2005年1月1日
新年早々衛星イアペタスに最大65000kmまで接近し、初めて詳しく観測されたょ。
イアペタスは暗い領域と明るい領域の2つの領域をもつ不思議な衛星。
更に不可解な地形もあってカッシーニの観測が楽しみ。
次回のフライバイ(このときは1000kmまで接近するんだ)は2007年なんだ。
このページでは今回の接近観測での成果を随時紹介していきます。
過去の観測結果は特集などでまとめていく予定。

 

波長約15ミクロンの赤外線で、イアペタス表面の温度が測定されたょ。
3つの画像のうち真ん中が温度の分布を示す赤外線画像で、
右側の画像は温度が分かりやすいように色をつけたものなんだ。
これらの画像と比べるために左側には可視光線で捉えられたイアペタスの画像があるょ。
上側が北極近くで、氷でできた明るい表面が見えているね。
その他の部分はカッシーニ地域と呼ばれる暗い物質で覆われた地域なんだ。
その温度を見てみると高いところでは130K(-143℃)にまで達しているのがわかるね。
土星の衛星の中で一番温度が高い場所なんだょ。
これはカッシーニ地域が暖まりやすい暗い物質で覆われているからなんだ。
衛星フェーベも同じように暗い物質で表面が覆われているんだけど、最高で112Kまでしか上がらないんだ。
フェーベの自転周期が9時間ととっても短くて(イアペタスは72日間)十分温まる前に日が沈んじゃうからだょ。
写真を見ると、北極近くの明るい地域は温度が低いよね。
これは赤道から離れてるからってのもあるけど、明るい氷でできた表面が温まりにくいからなんだ。
また、中央に大きなクレーターがあるけど、よくみると太陽の光を正面に受ける斜面の温度が高くて、反対側の斜面の温度が低くなってるね。
この温度分布の画像から、暗い物質で覆われたカッシーニ地域の一日の温度の変化が調べられたんだ。
それがグラフ上の白い点の集まりだょ。
そしてこの実測値(白い点の集まり)に一番近い推定値が緑の曲線だょ。
日が昇るとともに温度が急上昇して、日が沈むにつれて急激に温度が下がってるでしょ?
つまりカッシーニ地域の表面は熱しやすく冷めやすい、つまり比熱が小さい物質で覆われているってことになるわけ。
その大きさはグラフから30000erg・cm-2・s-1/2・K-1と推定されたょ。
もし岩や固い氷でできた表面ならその値はおよそ2000000くらいになるはず。
カッシーニ地域を覆うくらい物質はそれよりはるかに比熱の低い物質なんだね。
(画像はNASA/JPL/University of Arizona提供)

 

これらも可視・赤外線マッピング分光計によって捉えられた画像で、表面の成分がわかるょ。
上の方が北極で、可視光線で明るく見える地域。
その他の地域は暗く見えるカッシーニ地域だょ。
可視光線の画像で詳しく捉えられた2つの大きなクレーターも見えるね。
一番左が4ミクロンの赤外線で捉えられた表面の有機物。
カッシーニ地域を覆う暗い物質を示しているんだ。
次のは二酸化炭素(ドライアイス)を捉えたもので、ちょうどカッシーニ地域と明るい地域の間の地域に多く見られるね。
その次のは氷を捉えたもの。
北極の明るい地域は氷で覆われているんだ。
一番右端の画像はこれら3つの画像を組み合わせた擬似カラー画像で、
赤は有機物、緑がドライアイス、青が氷を示しているょ。
12月31日撮影
(画像はNASA/JPL/University of Arizona提供)

 

これらの擬似カラー画像は、カッシーニに取り付けられた可視・赤外線マッピング分光計によって捉えられたものだょ。
イアペタスの表面の成分を表しているんだ。
上の方が北極だょ。
一番左は波長の短い赤外線(1.01, 1.51, 2.0ミクロン)によって捉えられたもので、氷の多い地域が明るく写ってるょ。
真ん中は波長の長い赤外線(3.0, 3.21, 4.60ミクロン)によって捉えられたもので、有機物を多く含む地域が明るく写ってる。
一番右は波長の短い1.01ミクロンの赤外線と、長い3.21及び3.80ミクロンの赤外線で捉えられたものを組み合わせた画像で、
青い地域は氷の多い地域、茶色の地域は有機物の多い地域、黄色の地域は両方が混ざり合っている地域なんだ。
上側は可視光線で見ると明るい地域で、下側は暗いカッシーニ地域と呼ばれる地域。
それぞれ別の成分でできているのがわかるね。
少しわかりにくいけど、2つの大きなクレーターが写真左端と下側に見えているょ。
この2つのクレーターは下の可視光線で捉えられた写真にも写ってるクレーターだょ。
12月31日、121000kmより撮影
(画像はNASA/JPL/University of Arizona提供)

 

この画像は、太陽の光が当たっていない夜のイアペタスの表面を捉えたものだょ。
太陽の光は当たっていないけど、土星の光(土星が太陽の光を反射した光)に照らされているんだ。
暗いから、82秒間露出して撮影されていて、背景の星がその間に動いたせいで線になってるんだょ。
主に明るい地域が見られるけど、下の方には暗いカッシーニ地域が一部見えているね。
(画像はNASA/JPL/Space Science Institute提供)

 

この画像は赤外線(中心が930nm)、可視光線(緑、568nm)、紫外線(338nm)で捉えたものを組み合わせた擬似カラー画像。
カラーだと、白黒と違って、暗い物質(この画像では茶色)で覆われた部分と影になって暗くなっている部分(黒)が区別できてわかりやすいね。
下の白黒画像の、明るい地域と暗いカッシーニ地域の境界近くを拡大したものだょ。
この画像では右上が北になるょ。
拡大してみると色々なことがわかってくるねぇ。
まず下側の暗いカッシーニ地域にあるクレーターに注目してね。
クレーター周囲の壁のうち左下半分だけが明るく、暗い物質で覆われていないよね。
今度は上側の明るい地域を見てみると、
今度はクレーターの壁の右上半分が暗い物質で覆われていて、左下から右上にのびる暗い帯状の模様もたくさん見られる。
つまりクレーターの北側を向いた壁には暗い物質が降り積もってないってこと。
ってことはもしかしたら暗い物質は南の方向からやってきて表面に降り積もったっていう可能性が高いよね。
でもイアペタスには大気はないから風に乗ってやってきたわけではないんだ。
もしかするとこの写真の範囲より南の方にある巨大山脈から噴出した物質が降り積もったのかもねぇ。
(画像はNASA/JPL/Space Science Institute提供)

 

これはカッシーニがイアペタスに接近したときに可視光線で撮影した写真だょ。
ちょうどイアペタスの公転する方向の半球を捉えているんだ(イアペタスなど多くの衛星が土星に対していつも同じ面を見せている)。
何といっても大きな特徴は、イアペタスの表面が明るい物質で覆われた地域と、暗いカッシーニ地域と呼ばれる地域の二つからできてるってこと。
この写真で見えている半球はほとんどが暗い物質で覆われたカッシーニ地域になってるね。
北の方(写真の上の方)に明るい地域も一部見えているけど、
二つの地域ははっきり分かれているんじゃなくて、
その境界近くでは明るい表面に暗い物質でできたたくさんの帯状の模様があるのがわかるね(一つ上の写真でより詳しくわかるょ)。
どうも明るい氷でできた表面の上に暗い物質が降り積もってカッシーニ地域ができたみたいだね。
でもこの写真からもわかるように明るい地域とカッシーニ地域とでは、同じくらいたくさんのクレーターが見られる。
ってことは降り積もっている暗い物質はクレーターを覆い隠すほどの量ではなくて、表面を薄く覆ってるだけだってことになるわけ。
でもその暗い物質がどこからやってきたのか?
イアペタスの地下から噴出されたのか、どこか外からやってきたのか、まだよくわかっていないんだ。
更に不思議なのはカッシーニ地域のちょうど真ん中を通る巨大な山脈!
この写真で見える範囲でも長さ1300kmもあるんだ!
幅約20km、高さ13km以上!
イアペタス表面を真っ二つに切り裂くように走るこの山脈は、面白いことにイアペタスの赤道にちょうど一致してるんだ。
そもそもこの山脈、どのようにできあがったんだろうねぇ。
両側あるいは下からの力によって持ち上げられてできたのか、それとも巨大な溝ができてそこからでてきた物質が積もってできたのか。
そしてもしかしたらこの山脈とカッシーニ地域を覆う暗い物質とは関係しているかもしれないんだ。
謎だらけだね。
表面の暗い物質が一体どんな物質なのか?
それを探る手がかりは写真右端に半分見えている直径600kmの巨大クレーターの中にも見られるょ。
このクレーターの内側にはたくさんの小さな新しいクレーターができていることから、
この巨大クレーターは比較的古いって考えられるんだ。
巨大クレーターの内側の左下にやや大きなクレーター(直径約120km)があるけど、その左下半分が埋もれているよね?
これは多分巨大クレーターの端の高さ15kmの崖が一部崩れて、このクレーターの半分を覆い隠したんだと考えられているんだ。
でもこのクレーターの半分ってことは、つまり崩れた表面の土が約60km先まで滑り流れたってことだよね?
この地すべりの特徴から、表面の物質はとっても細かい粒からできていて、それもふかふかの状態になっているらしいってことがわかる。
写真は2004年12月31日、172400kmの距離から撮影されたいくつかの画像を組み合わせたもの。
(画像はNASA/JPL/Space Science Institute提供)

 

3Dめがねを用意して見てね。
イアペタスが立体的に見えるょ。
ない人は、赤と青の透明のフィルム、またはプラスチック板を用意して、
右目を青で、左目を赤で覆って見てね。
左上がイアペタスの北。
この画像では北極と南極近くが明るくて
緯度の低い地域は暗いよねぇ。
そしてとっても不思議なのはその暗い地域の真ん中を長く走る山脈。
左端にはその一端が見えるけど、高さは少なくとも13km!!(エベレスト山の1.5倍だょ)
この山脈が、イアペタスの明暗の模様に関係してるって話もあるけど今のところよくわかってないんだ。
右の直径550kmのクレーターにも見える円形の地形は2004年7月に発見された地形。
左上の円形地形は今回新たに発見されたもの。
タイタンだけでなく、このイアペタスにもこれまで見たこともない不思議な世界が広がってるみたいだね。
2005年1月1日の接近が楽しみ。
画像は約1度経度がずれた2つの可視光画像(12月26日880537kmの距離から、27日716678kmの距離から)を組み合わせたものだょ。
(画像はNASA/JPL/Space Science Institute提供)

 

 

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